WTA(女子プロテニス協会)は今シーズンの試行として、グランドスラム以外の大会で、これまでのルールを変更し、コーチが試合中にスタンドからコーチングをすることを許可すると発表した。Fox Spo…

WTA(女子プロテニス協会)は今シーズンの試行として、グランドスラム以外の大会で、これまでのルールを変更し、コーチが試合中にスタンドからコーチングをすることを許可すると発表した。Fox Sportsが伝えている。

これにより、コーチはスタンドから手を使った合図や、口頭で簡単な指示を送ることが可能になる。これらの行為は禁止にも関わらず、実際には行われており、滅多にペナルティを取られないでいた。

WTAのスポークスマンAmy Binder氏は「この試行を行う根拠は、ボックス席からのコーチングは、すでに行われていると感じられるからです。これを規制することは難しいので、許可することで全ての試合で公平さを保てるでしょう」と語っている。

この新ルールは2月17日の週から、WTAの全ての「プレミア」大会と「国際」大会で適用される。「選手がコーチと同じサイドにいる時には、少しなら声をかけてもいいことになります」とBinder氏は加えた。

WTAとしては、今も実際に行われている以上のコーチングは望んでいない。現在も採用されている、コートチェンジ時やセット間にコーチが選手のところへ行き直接アドバイスできるオンコートコーチングの制度は、これまで通りに行われる。

グランドスラムでは、男子、女子ともに試合中のコーチングは一切禁止。ATP(男子プロテニス協会)は、全てのトーナメントで禁止している。

この試合中のコーチング問題が大きく取り上げられたのは、2018年の「全米オープン」決勝、大坂なおみ(日本/日清食品)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の試合中に、セレナのコーチであるパトリック・ムラトグルーがセレナにコーチングをしたとしてペナルティを課せられた時であった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」でセレナ(右)とコーチのムラトグルー(左)

(Photo by Daniel Pockett/Getty Images)