「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハードコート)大会9日目。男子シングルス準々決勝で、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)が世界100位の…

「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハードコート)大会9日目。男子シングルス準々決勝で、第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)が世界100位のテニス・サングレン(アメリカ)と対戦。フェデラーは6-3、2-6、2-6、7-6(8)、6-3とフルセットの死闘を制し、同大会15度目のベスト4へ進出した。試合時間は3時間31分。

オンコートインタビューは下記の通り。

インタビュアー:元世界No.1ジム・クーリエ(アメリカ)

Q:ロジャー、すごい試合でしたね。7本のマッチポイントを相手が握っていても、あなたはここに立っている。どうやって、この試合に勝ったのですか?

「たまには運がよくないとね。あれらのマッチポイントは僕にはどうしようもない状態だったからね。とにかく、各マッチポイントで彼がウィナーを決めないことを祈っていたよ。ボールをとにかく返して、彼が1ポイント、2ポイント落とした時に何を考えているかなど考える余裕もなかった。彼は彼の試合をしていたし、とにかく運がよかったと思う。それ以降は試合が進むうえで気分も良くなったし、プレッシャーを感じなくなった。そして、最後は運もあって、ブレークができたのと、サーブ全体がよかった。特に最終セットはね。勝者としての資格はないかもしれないけど、まだここに立てているからとにかく、うれしいよ」

Q:僕だけじゃないと思いますが、あなたが勝者の資格が無いなんて誰も思っていないと思います。多くの選手はあきらめるレベルだと思います。そして、3セット目で3-0の時に医療治療を行いました。その後、調子が落ちたように見えました。サーブの速度も落ちました。いつも見る動きがありませんでした。あの時はどうしたのですか?

「テニスは本当に長い間やっているけど、たまに調子の波が傾くことはあるよね。足がすこし張った感覚になった。守備的な動きが悪くなっていたけど、トレーナーは基本呼びたくない。相手に弱みを見せたくないからね。理想はコート外で治療して、誰にも問題を明かさないことだとは思う。でも、最終的にはどうでもよくなって、とにかく足の治療に専念しようと思った。サングレンはとにかく堅い試合展開を進めてたから、奇跡を願う感じだったよ。雨が降るかもしれないし。でも足はさらに悪化することはなかった。足が張っているというか、固いというか、まあこれで負けてもかっこは悪くないかな?と思ったよ。でも、そうならなかったから運がよかったとしか思えない」

Q: 奇跡を信じていると仰いましたが、今大会それが2度見れています。ひとつめはジョン・ミルマン(オーストラリア)との戦いです。最終のマッチ・タイブレークで8-4とリードされていて、連続6ポイントを取ってピンチから脱出しました。何か、特別なものを感じますか?

「いやあ、感じているのはドローがよりきつく感じることだよ。でも、翌日を休めるという状況できっちり気持ちを入れ替えられているよ。本当ならとっくにスイスでスキーをしている頃なのにね。とにかく、まだ残れているのは運がいいと思っているし、せっかくだから最高に楽しもうと思っているね。」

Q: 本当にあなたみたいな人は初めてです。すごい。大会にまだ残っていますね。これからあなたの対戦相手が決まる戦いが始まります。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第32シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と対戦します。この対戦カード、どう思いますか?

「まず、ラオニッチがいいプレーをしているということがうれしいね。すごいと思います。彼にはウィンブルドンで負けています。今でも悲しんでいるくらいつらかったです。だからこそ、彼が勝ち続けるのを見たいのです。彼の現在ランキングは分からないけど、トップ40~50のランクではなくてさらに上のランクにいる存在だとみなさんに示せるのがなによりです。だからそれができている今大会は彼にとってよかったなと思います。ジョコビッチですが、まずチャンピオンですからね。特にオーストラリアでは強いし、彼はここでプレーするのが好きだからね。彼とも壮絶な試合は過去にしているからね。とにかく、誰になろうと、困難が待ち受けている試合にはなると思う。今日よりも体調的に早く回復しないと、本当にスキーに行くことになると思う。」

Q: ではその試合に備えてください。みなさん、世紀の脱出劇を見せてくれたロジャー・フェデラーでした。

(テニスデイリー編集部)

※2020年全豪OPで練習するフェデラー

(Photo by TPN/Getty Images)