空前のラグビーブームに水を差す、衝撃的な一報でした。 創部90年以上の歴史を誇る大学ラグビー界の強豪・日大の3年生部員が、大麻取締役法違反(所持)の疑いで警視庁原宿署に逮捕されたのです。容疑は1月18日の夜、渋谷区の路上で大麻を所持したと…

 空前のラグビーブームに水を差す、衝撃的な一報でした。

 創部90年以上の歴史を誇る大学ラグビー界の強豪・日大の3年生部員が、大麻取締役法違反(所持)の疑いで警視庁原宿署に逮捕されたのです。容疑は1月18日の夜、渋谷区の路上で大麻を所持したというもの。原宿署は20日の午前中、稲城市内にある日大ラグビー部の寮を家宅捜索しました。

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「ONE TEAM」で盛り上がったラグビー界だったが・・・

 

 ラグビー関係者はこう嘆きます。

 「去年のワールドカップでは、これまでラグビーに関心がなかった方々にその魅力を存分に堪能いただきました。これを一過性のものにしてはいけない、ブームで終わらせてはいけないと、みんな一生懸命に頑張ってきた。今年になってその結果がしっかり表れて、『さあやるぞ』と思っていた中での逮捕劇ですからね…。残念と言うしかありません」

 「ONE TEAM」が流行語大賞を受賞し、NHKの紅白歌合戦にもラグビー日本代表のメンバーが彩りを添えたように、2019年はラグビーがお茶の間を席巻した年でした。

 そして2020年。スポーツ界にさらなる熱視線が注がれる中、ラグビー全国大学選手権の決勝には5万3000人を超える観衆が国立競技場へと詰めかけ、早稲田と明治が熱戦を展開しました。続くトップリーグの開幕戦では8試合の合計観客数がのべ11万6737人となる盛況ぶりを見せたのです。

 テレビや新聞、ネットの各メディアも大きく報じました。「ラグビーは数字が取れる」「一面にすると即売が売れる」「PVを持っている」。これらが定説になりつつある中での不祥事でした。

「大麻は是か非か」社会的な論議に発展

 前述のラグビー関係者はこう続けます。

 「子供たちのやりたいスポーツに『ラグビー』が挙げられる中での不祥事ですからね。でも、何もラグビーに限った話じゃないと思うんだけど、『おクスリ』の事件って忘れた頃にやってくるんですよ…」

 2007年には名門・関東学院大のラグビー部員が同部の宿泊施設の一室で大麻を栽培し、部員たちが大麻吸引で書類送検され、6か月の対外試合出場自粛と全国大学選手権への出場辞退が下されたことがありました。2009年には東芝の選手がトップリーグ試合後のドーピング検査の結果、大麻成分に陽性反応を示し、東芝はリーグVを成し遂げながらも日本選手権を辞退しました。

 昨年6月にはトヨタ自動車の選手がコカインの所持などで愛知県警に逮捕され、チームが活動自粛に追い込まれたことも記憶に新しいです。

 日大は一昨年の5月にアメフト部が「危険タックル問題」を起こし、イメージダウンの結果、受験者数が減少するなどの影響がありました。受験生が出願先を検討するこの季節。「今度はラグビー部か…いいかげんにしてくれ」というのが、日大のブランド再建に奮闘してきた人々の偽らざる心境でしょう。

 しかし、この「大麻事件」は意外なところに飛び火していきます。女優の高樹沙耶さんが自身のツイッターにニュースを貼り付けた上で、こう投稿したのです。

 「大麻草の歴史、真実を知ってしまった今、日本での大麻に関する法規制は人権侵害の何物でもない。そして間違いを刷り込まれてきた国民の認識が怖すぎる。なんで犯罪になるのかもう一度考え直しませんか?」

 高樹さんは石垣島の自宅で大麻を所持していたことから、大麻取締法違反(所持)の罪に問われ、17年に懲役1年、執行猶予3年の判決を受けました。現在は医療大麻合法化に向けた活動を行っています。

 するとネット上は「大麻は是か非か」についての議論が白熱。「他の薬物を使用するきっかけとなる『ゲートウェイドラッグ』として、やはり規制は必要」「欧米の一部のように合法化すべきではないか」「ストロングゼロの方が中毒になってヤバい」などと様々な意見が噴出しました。高樹さんも「こうした世界で広まる議論に対して興味を持っていただければ幸いです」とツイートし、議論の活性化を歓迎しています。

 単なる大学スポーツ界の不祥事に止まらず、社会的な論議に発展してしまう点も、ラグビーというスポーツが一般人にとってもなじみ深いものになっている証明でしょうか。日大は昨年の関東大学リーグ戦では5勝2敗で2位の好成績を残した強豪だけに、その不在はラグビーファンにとっても悲しく、つらいところです。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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