ヤンキースの田中将大投手が、15日(日本時間16日)の敵地レッドソックス戦に登板し、7回4安打1失点3四球と好投。降板後に救援陣が崩れて5-7で痛恨の逆転サヨナラ負けを喫し、田中の自己最多となる14勝目も消えた。■ヤンキースで防御率2点台は…
ヤンキースの田中将大投手が、15日(日本時間16日)の敵地レッドソックス戦に登板し、7回4安打1失点3四球と好投。降板後に救援陣が崩れて5-7で痛恨の逆転サヨナラ負けを喫し、田中の自己最多となる14勝目も消えた。
■ヤンキースで防御率2点台は至難の業、クレメンスやムッシーナも届かず
ヤンキースの田中将大投手が、15日(日本時間16日)の敵地レッドソックス戦に登板し、7回4安打1失点3四球と好投。降板後に救援陣が崩れて5-7で痛恨の逆転サヨナラ負けを喫し、田中の自己最多となる14勝目も消えた。しかし、防御率は2.97と6月17日以来の2点台に突入し、クリス・セール(ホワイトソックス)の3.03を抜いてリーグトップに浮上。防御率2点台を維持してシーズン終了となれば、ヤンキースの投手としては19年ぶりの快挙となる。
自身6連勝でこの一戦に臨んだ田中。4点リードの3回に2四球とヒットで1死満塁のピンチを背負い、オルティスに犠飛を許したが、失点はこの1点のみ。4点のリードを守り、7回でマウンドを降りた。防御率は約3か月ぶりに2点台に突入。防御率2.76のマイケル・フルマー(タイガース)が規定投球回まで残り3回1/3で16日(同17日)のオリオールズ戦に登板するが、田中の2.97は現時点でトップだ。
メジャーでも屈指の「ヒッターズパーク」として知られるヤンキースタジアムを本拠地とする投手が防御率2点台をマークするのは、至難の業となっている。ヤンキースタジアムは右翼が狭く、右中間の膨らみがないため、ホームランが出やすい。この特徴は、2008年まで使われていた旧ヤンキースタジアムのものを引き継いでいる。しかも、ア・リーグ東地区は宿敵レッドソックスなど伝統的に打撃のいいチームが多い。
ヤンキースの規定投球回到達者で、最後に防御率2点台を記録したのは、1997年のデビッド・コーン(2.82)、アンディ・ペティット(2.88)の2人。ロジャー・クレメンス、マイク・ムッシーナ、ランディ・ジョンソンといった名投手ですら、ヤンキースの投手として防御率3点以下でシーズンを終えたことはない。ペティットも1998年以降は1度も2点台がなかった。
■黒田も迫った防御率2点台、200イニング目前でサイ・ヤング賞にも高まる期待
近年では、2011年のCC・サバシアが防御率3.00とほんの僅かに届かずシーズンをフィニッシュ。また、2013年の黒田博樹は8月12日の時点では2.33、同17日には2.44と悪化させながらリーグトップに浮上した。しかし、ここから調子を落として、6連敗でシーズンを終了。9月13日時点で4月以来の3点台となる3.13まで悪化し、最終的には防御率3.31でシーズンを終えた。やはりハードルは高いが、現在のエースはどこまで迫ることができるか。
また、防御率トップに立った田中は、投球回数も193回2/3と大台の200イニング到達が目前。この試合で自己最多の14勝目がつかなかったことは痛いが、残り3試合に登板が可能で、最高で16勝までは積み上げることが出来る。優秀な数字が並び、日本人初のサイ・ヤング賞受賞にも期待が高まってくる。
当然、田中が安定した投球で勝ち星を増やしていけば、ヤンキースのプレーオフ進出も近づいていくことになる。ヤンキースで19年ぶりの防御率2点台投手となれば、田中、そしてチームにとって最高のエンディングを勝ち取れるかもしれない。