元世界ランキング1位であるキム・クライシュテルス(ベルギー)は「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハードコート)の運営側は現在の大気汚染について真…

元世界ランキング1位であるキム・クライシュテルス(ベルギー)は「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/1月20日~男子2月2日・女子1日/ハードコート)の運営側は現在の大気汚染について真剣に考えるべきであり、もし今、自分がメルボルンにいれば「絶対にこの問題について意見をして大会役員と話すだろう」と発言したことをTennis World USAが伝えている。

クライシュテルスは、ベルギーのブリーにある自身のアカデミーにて、様々な問題についてメディアに話しており、復帰のため3月にはFred Hemmes Jr.をコーチとして迎える予定だと同時に発表した。

メルボルンの大気汚染について、クライシュテルスは「質の良いテニスを2時間、男子なら4~5時間プレーすることができないとしたら、何の意味があるのでしょう。この問題は、避けたり無視したりできません。予選では開始時間を遅らせましたが、それで空気の質の問題が解決するわけではありません。屋根付きのコートは屋根を閉じて換気をすることができても、屋外コートではそうはいきませんし、この大会を数少ない屋根付きのコートだけで進めることはできません」と発言。

「私がメルボルンにいればこの問題について公に意見していたでしょうし、少なくとも解決策を考えようと委員会や大会責任者たちと話をするでしょう。今は難しい状況なのです。誰にもどうしようもないことですが、選手が健康でいることが大切です」

クライシュテルスは、テニス選手たちや役員たちが協力して今回災害の被害を受けた人々のために資金を集めていることを喜んでいた。「テニスは災害への募金を集めるにはとても良いスポーツです。みんなが災害について気にかけていますし、みんな”全豪オープン”が大好き。ただ、私たちは人々が確実に安全・健康でいられるようにしなければいけません」

またクライシュテルスは、レジェンドのイベントでプレーすることを楽しんだことで、復帰の意欲を持ったという。以前から今の現役プレーヤーたちと渡り合えると考えており、自分の子供たちが学校に行くようになり時間ができたことで、身体を鍛え直し、復帰を視野に入れたチャレンジをしようと決めたそうだ。

「解説をしている時でも、レジェンドの試合をしている時でも、大会へ行くといつも心の奥底では自分がまだ選手としてやっていけるように感じていました。グランドスラムで優勝できると言っているわけではありません。ただ、レジェンドのイベントでプレーしたり、解説者でいるのではなく、大会で競える選手でいられると思ったということです」

「とはいえ、家に帰って子供たちとの多忙な生活の大変さを実感すると、無理とも感じていました。子供たちが学校に行くことで時間ができるかもしれないから、そうしたら自分の体がどこまでやれるか、そこからどこまで伸びるのかやってみようかなと思いました。復帰しても、年間で数大会だけに参加することになるかもしれないけど、自分がどのようにできるかやってみます」

決まった大会数に出場する必要がなく、元世界ランキング1位でグランドスラム優勝者であるため、可能な限りワイルドカードを使用できるということが自分の気持ちを押してくれたとクライシュテルスは語っている。「1年で16大会に出場しなければいけないと言われていたら、それは不可能だと思ったでしょう。でも今の状況ならできます」

クライシュテルスは、シモナ・ハレプ(ルーマニア)、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、大坂なおみ(日本/日清食品)、ココ・ガウフ(アメリカ)といった今の世代の才能のある選手たちのプレーを見ることがとても好きで、もちろん相手としても対戦したいと話している。

「ハレプは若い選手ではないけど、私は今まで対戦したことのない相手です。彼女が昨年の“ウィンブルドン”の決勝戦でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と戦った時のプレーは、とても信じられないものでした。アンドレスクは“全米オープン”で優勝を果たしています。大坂は、コート上だけではなく記者会見を見るのも楽しくて、15歳のガウフももちろん私が注目している女子選手です。特に大きな大会で何をしてくれるか、期待して見ています」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「ウィンブルドン」でのレジェンド試合をするマッケンロー(左)とクライシュテルス(右)

(Photo by Dan Istitene/Getty Images)

思ったということです