世界一過酷といわれるダカールラリーで36回連続出場の大会記録を持ち、昨年の大会を最後に勇退したダカールの鉄人、菅原義正(78)は今も現役ドライバーだ。1月5~19日に北西アフリカで開催されるラリーレイド競技「アフリカエコレース」にサイドバ…

 世界一過酷といわれるダカールラリーで36回連続出場の大会記録を持ち、昨年の大会を最後に勇退したダカールの鉄人、菅原義正(78)は今も現役ドライバーだ。1月5~19日に北西アフリカで開催されるラリーレイド競技「アフリカエコレース」にサイドバイサイドと呼ばれる軽量バギーで出場する。

 

ダカールラリー勇退後も現役にこだわる菅原義正(トヨタガズーレーシング提供)

 

「アフリカエコレース」とは

 

 アフリカエコレースが始まったのは2009年だ。前年の08年にダカールラリーが北アフリカの政情不安で急きょ中止となり、翌年から南米にシフト。その際にダカールラリーに参加していた有志らがサハラ砂漠での競技を継続すべく新たなイベントとして立ち上げた。今年で12回目となる。

 ちなみに本家のダカールラリーは昨年まで南米に疎開する形で競技を続け、今年からは中東のサウジアラビアに舞台を変更した。「ダカール」とはかつてのゴール地だったセネガルの首都のこと。ダカールラリーを名乗っているが、ダカールとは無縁の地を使っているのだ。

 かつてはスタート地のパリとダカールを結ぶことからパリダカールラリーと呼ばれ、日本では「パリダカ」の愛称が浸透していた。今も「ダカール」を名乗るのは、大会創設者の故ティエリー・サビーヌの事業を継承した主催団体のASOが、同名の登録商標を保有しているからだ。

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菅原の鉄人伝説

 

ラストランとなった昨年のダカールラリーでもトラックの日野レンジャーをドライブした(日野自動車提供)

 

 一方のアフリカエコレースはモナコを起点しており、ゴールもダカール。競技ルート自体はパリダカ時代に近い。1997年のダカールラリー覇者、篠塚建次郎も昨年の大会に出走した。

 菅原は1941(昭和16)年生まれ。83年にオートバイでダカールラリーに初出場。以降、4輪車、トラックで参戦を続けてきた。トラック部門では総合2位が最高位だ。難度が増した過去2大会で連続リタイアを喫したことが勇退の引き金にはなったが、ヘルメットを完全に脱ぐという決断はしなかった。

 「私はこっちが本当のダカールラリーだと思っている。完走が目的だからのんびりと走ってきます」。戦友でもある篠塚にも触発され、広大なサハラ砂漠でもう1度競技したいという冒険心をくすぐられたという。

 ゴールはダカール郊外にあるラックローズ(ローズ湖)。パリダカ時代の終着地で、ピンク色の湖面をたたえる景勝地として知られる。現地には「アフリカの水を飲んだ者は再びアフリカへ帰る」とのことわざがある。最後に走った2007年以来、13年ぶりのサハラ砂漠。菅原の鉄人伝説はまだまだ続く。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)

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