今大会はチーム2位の打率.529、同1位の9打点と実力を存分に発揮している川端友紀(埼玉アストライア)。昨季のセ・リーグ首位打者の兄・慎吾(ヤクルト)のアドバイスも好調の要因の1つになっているという。■2夜連続の先制打と打線牽引、打率.52…

今大会はチーム2位の打率.529、同1位の9打点と実力を存分に発揮している川端友紀(埼玉アストライア)。昨季のセ・リーグ首位打者の兄・慎吾(ヤクルト)のアドバイスも好調の要因の1つになっているという。

■2夜連続の先制打と打線牽引、打率.529の活躍でで決勝進出に貢献

 野球女子日本代表「マドンナジャパン」は9日、「第7回 WBSC 女子野球ワールドカップ」(韓国・釜山)のスーパーラウンド第3戦でオーストラリアに10-0で5回コールド勝ち。5連覇へ向け、10日の韓国戦を残して、11日に行われる決勝への進出を決めた。昨季のセ・リーグ首位打者・川端慎吾(ヤクルト)の妹・友紀(埼玉アストライア)が、初回に会心の右越え二塁打で2夜連続の先制点をもたらす活躍。今大会はチーム2位の打率.529、同1位の9打点と実力を存分に発揮しているが、兄のアドバイスも好調の要因の1つになっているという。

 川端が球場に快音を響かせたのは初回。1死二、三塁の好機で、カウント1-1から高めへの直球を完璧に捉えた。強烈なライナーで右翼手の頭上を超える2点タイムリースリーベース。「最悪、犠牲フライになるなと思ったら、予想以上に伸びました。会心(の当たり)です」。三塁上で小さくガッツポーズを作り、笑みをこぼした。

 この一打で勢いに乗った打線は、初回に打者11人の猛攻で6点を奪取。2回以降は無得点に抑えられたものの、5回に4点を奪い、5回コールドで快勝した。10日のスーパーラウンド最終戦・韓国戦を残して1位通過での決勝進出が決定。大倉孝一監督は「初回の攻撃が大きかったと思います」と振り返った。

 川端は今大会、不動の4番に座り、ハイレベルな打撃でチームを牽引。チャンスで勝負強さを見せ、打点はチームトップの「9」を数える。「新しい気持ちで、ただただ『やり切るだけ』と臨めているので、しっかり準備ができているかなというのが一番です」。自身の状態に確かな手応えを感じている。

■兄と同じ打撃練習が「やっと自分の中で出来るようになってきた」

 好調の要因として挙げるのが、「自分でしっくりくる修正の仕方ができた」こと。今年7月に形をつかみ、「継続して取り組んでいることが結果につながっている」と明かす。「構えからステップ、フォロースルーまでハマるものがあった」。女子球界で1、2を争う打撃センスの持ち主だが、「今までと違うイメージ。(今までで)一番いいんじゃないかと思います」とうなずく。

 川端は「いろんな方にアドバイスいただいて、そこで自分でも考えてバット振っていくうちにそこに辿りつけたという感じです。(修正の形が)1つでもあれば、ちょっとおかしいなと思った時に気持ちの余裕が出来るというか、大丈夫と切り替えられるので」と説明するが、「いろんな方」の中にはヤクルトでプレーする兄・慎吾も含まれているという。

「自主トレの時に一緒に練習してきて、一番は下半身の粘りを練習方法としてもずっと教えてもらって、それがやっと自分の中で出来るようになってきた。緩い球を打つ練習なんですけど、それが最初は全然出来なかったのが、しっかり今は自分のスイング、タイミングで打てるようになってきているので、それが一番の要因かなと思っています」

 兄は試合前の打撃練習で、近距離から緩い球を投げてもらい、打ち返すトレーニングを取り入れているが、同じことがようやく出来るようになったという。そして、その練習が現在の好調の要因の1つになっている。チャンスで川端に回れば、何かが起きる。球場には、そんな雰囲気が漂う。

 1試合を残して決勝進出が決まったが、川端は「本当に決勝とか優勝とか意識せずに1戦1戦、目の前の試合を全力で戦っていくだけかなと思います」と気を引き締めた。5連覇へ“王手“をかけたマドンナジャパンの打線を、4番がハイレベルな打撃で最後まで牽引する。