大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。今年も多…

大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。

今年も多くの名プレーが生まれたツアーの中で、今回は7月のWTA(女子テニス協会)月間ベストショットに選ばれた、パトリシア マリア・ティーグ(ルーマニア)の緩急自在なラリーを振り返って紹介する。

このプレーが生まれたのは、7月の地元大会でのこと。クレーコート大会「ブカレスト・オープン」準決勝のラウラ・シグムンド(ドイツ)戦だ。

両者のラリーは、左右に展開されるロングラリーとなった。そのなかで、相手シグムンドの深いバックハンドが自分の身体に近いところに返ってきたティーグ。

すると、やや窮屈な体勢となったティーグは、かなり滞空時間の長いクロスのバックハンドロブを繰り出した。相手をコート後方まで下がらせ次の返球が若干甘くなっただろうかというところを、今度は逆サイドのクロスに高い打点のフォアハンドウィナーを叩き込んだ。

相手が攻撃的にきていたところに変化をつけ、緩急で一気にポイントを奪ったこのシーン。会場からは大きな拍手が送られた。

現在世界114位(ランキングは12月23日付け)の25歳ティーグ(上記の「ブカレスト・オープン」出場時は24歳)。2017年9月の「広州オープン」のあと、怪我や妊娠のため2年近くツアー本戦を離れていた。

今シーズン4月に下部大会で復帰。その後今回紹介した7月「ブカレスト・オープン」で、予選3試合を勝ち上がってツアー本戦復帰を果たすと、本戦2回戦では前年優勝者の当時世界11位アナスタシア・セバストワ(ラトビア)をストレートで撃破。地元観衆の前で、見事予選から決勝まで7試合を勝ち上がり準優勝した。

なおティーグは、大坂と過去1度だけ対戦している。2015年にタイのホアヒンで行われた大会で、当時世界203位だった大坂にフルセット逆転で敗れた。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2017年「マイアミ・オープン」でのティーグ

(Photo by Al Bello/Getty Images)