渋野日向子(21歳)しぶの・ひなこ/1998年11月15日生まれ。岡山県出身。2019年シーズン賞金ランキング2位(獲得賞金:1億5261万4314円)。出場31試合。優勝4回。トップ10入り15回。 2019年を振り返ってみれば、国内4勝…
渋野日向子(21歳)
しぶの・ひなこ/1998年11月15日生まれ。岡山県出身。
2019年シーズン賞金ランキング2位(獲得賞金:1億5261万4314円)。
出場31試合。優勝4回。トップ10入り15回。
2019年を振り返ってみれば、国内4勝に(海外メジャーの)全英女子オープン優勝と、「100点」以上の一年だったことは間違いないんです。だけど、全英から帰って来て2戦目の、NEC軽井沢72トーナメント最終日の最終18番で、決めれば優勝のバーディーパットを外して……。結局、3パットしてしまって、優勝できなかった悔しさは残っています。あえて、自己採点は「98点」にしておきます。
昨年の秋から冬にかけて、QT(クォリファイングトーナメント)受験で四苦八苦していたことを考えたら、この一年は想像すらできなかった経験をたくさんさせてもらいました。いろいろな方と出会えて、支えてもらいながら、何度も優勝することができた。だから、賞金女王をあと一歩で逃した悔しさはまったくないです。
このオフは、来季に向けた体作りに励むとともに、クリスマスイブにはトレーニング後に、親知らずを抜く予定です。今の時点では痛みなどはありませんが、いつかゴルフに支障を来すかもしれませんから。
技術的な課題はアプローチ。まだまだバリエーションが少ないです。それに、ショットも縦の距離がなかなか合わないし、左右にぶれる当たりも多い。パッティングも最終戦(LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ)では決めたい距離が決められず、真っ直ぐのラインがかすりもしないケースが多かった。その辺りも、オフにしっかり練習しないといけないかな。
2020年の目標は……今は、東京オリンピックのことしか考えていなくて、正直、そのあとのことは考えていません。もちろん、来季の開幕までには長期的な目標も、青木(翔)コーチと相談して決めますが、東京オリンピックは自国開催ですし、出場するだけじゃなく、金メダルを獲りたいです。
河本 結(21歳)
かわもと・ゆい/1998年8月29日生まれ。愛媛県出身。
2019年シーズン賞金ランキング6位(獲得賞金:8802万5906円)
出場32試合。優勝1回。トップ10入り11回。
今年は、初優勝(アクサレディス in MIYAZAKI)もできたし、内容が濃く、そして成長できた一年だったと思います。でも、優勝が開幕4戦目と早かったので、その後、2勝目を挙げることができなかったのは、心残りかなと。あと今年は、賞金ランキング・トップ5入りと、平均ストローク70台が目標だったんですけど、賞金ランキングは6位、平均ストロークは71.0742と、目標を達成できなかったので、課題が残った一年でもありました。
そんななかで、アメリカLPGAツアーのQシリーズ(ツアー参戦の予選会)を9位で通過して、来季の出場権を得られたことは、すごくうれしかったですね。2018年はステップ・アップ・ツアーでがんばって(賞金ランキング1位)、今季はレギュラーツアーでフル参戦を果たし、来年からはアメリカ。年々、戦いの場が過酷になっていくわけですが、そのなかでもがんばっていきたいと思います。
Qシリーズは、ドキドキもあったけど、結構ノビノビと楽しめました。米ツアーはすごく環境もいいので、そこでやっていければ、自分のゴルフもレベルアップできると思うし、世界一を目指すうえでは、すごくいいフィールドだなと思います。いろいろと慣れるまでに時間はかかると思いますけど、早く(自分の)力が発揮できるように、あらゆることを吸収しながら、しっかりと準備していけたらいいな、と思っています。
来季の課題は、ショートゲームになると思っています。(日本とは)芝も違いますし、打つ時の潔さとか、向こうの選手はすごいなと感じたので。その辺は、学んでいきたいところでもあります。それと、ゲーム感覚でゴルフを組み立てたり、球を曲げたり、そういう米ツアーの選手が見せるプレースタイルも身につけていきたいですね。
吉本ひかる(20歳)
よしもと・ひかる/1999年2月25日生まれ。滋賀県出身。
2019年シーズン賞金ランキング28位(獲得賞金:4359万211円)
出場36試合。優勝0回。トップ10入り8回。
今年は、自分が思っていたより前半戦の成績がよくて、それでシード圏内に早めに入れて、優勝争いもたくさんできたので、いい結果が残せたシーズンだったと思います。シーズン前のオフに、トレーニングも、練習も結構やったので、それが早い段階で結果につながったのかなと思います。特に、アプローチの練習量を多くした結果、その精度が上がったのもよかったです。
一番印象に残っている試合は、フジサンケイレディスクラシック。2日目にトップに立って、優勝争いを演じたことですね(最終的には2位タイ)。その前の週のKKT杯バンテリンレディスでも2位だったんですけど、最終日にスコアを伸ばしての2位だったので、そこでは優勝争いをした感覚がなかったんです。でも、フジサンケイレディスクラシックでは、最終日をトップで迎えたので、いろいろと頭を使ってラウンドしたな、という印象があって。(優勝できなかったのは)すごく悔しかったんですけど、本当にいい経験になったと思っています。
来年の目標は、今年逃したツアー初優勝をしたいなと思っています。同世代の選手がどんどん優勝しているのを見て、悔しい気持ちはありつつも、それが刺激になっているし、「私もがんばらなきゃ」という力にもなっています。でも、優勝って”タイミング”だと思うし、早いとか遅いとか言われても気にせず、自分のペースでがんばりたいなと思います。
オフは、タイの合宿に行きます。今回で4回目。タイ料理は、激辛じゃなければイケます。好きなのは、パッタイ(台風焼きそば)です。
大里桃子(21歳)
おおさと・ももこ/1998年8月10日生まれ。熊本県出身。
2019年シーズン賞金ランキング38位(獲得賞金:3074万4342円)。
出場38試合。優勝0回。トップ10入り2回。
今年は、あまりいいシーズンではなかったので、自分としては「長かったなぁ~」と思ったシーズンでしたね。
春先は開幕2戦目からずっと予選落ちが続いたんですが、これはパッティングの調子が悪かったからでした。ショットは調子がよかったので、「何とかしたい」と思い、パッティングのグリップをクロウグリップに変えて、シーズン中には(調子の悪さを)克服できました。
今季は優勝ができなかったので、来季はパッティングだけでなく、ゴルフの全体的なレベルアップを図ることが大事かなと思います。あと、今年はシーズンの前半戦で出遅れたので、来季は前半からきちんと成績を残せていけるようにしたい。
そのために、このオフは初めてタイで合宿をする予定でいます。その後、地元・熊本でしっかりラウンドをこなして、開幕戦に備えたいと思います。
来季の目標は、とりあえずは2勝目を早く挙げること。そして、3勝、4勝へとつなげていければな、と思います。
小祝さくら(21歳)
こいわい・さくら/1998年4月15日生まれ。北海道出身。
2019年シーズン賞金ランキング8位(獲得賞金:8298万2071円)。
出場39試合。優勝1回。トップ10入り13回。
今季の目標は、昨季の賞金ランキング(8位)を越えることだったんですけど、シーズン途中で、「ちょっと難しいかな……」と思ったんです。でも、終盤の試合で(上位に入って)追い上げられて、そこは自分の中でもびっくりでしたね。結局、昨季と同じ8位だったんですけど、ポジション的には悪くないと思っています。「もうちょっとがんばりたかったな」という気持ちもあるにはあるんですが……。
(サマンサタバサ ガールズコレクション・レディースでの)初優勝はうれしかったんですけど、あまり実感がなくて……。自分の中では、いまだに「私、まだ優勝していません」みたいな気分なんです。というのも、周りの同年代がたくさん優勝しているので、1回の優勝ではすごいと感じないというか、何度も優勝して初めて「実力のある人」という意識が、自分の中にあるからなのかな、と思っています。
来シーズンの目標は、まだ何も考えていません。東京五輪は、世界ランキングで決まるので、海外でプレーしない限り、なかなか難しいと思っています。ですから、そこはあまり意識していません。このオフは、ハワイと宮崎で合宿をして、来シーズンに備えます。
新垣比菜(21歳)
あらかき・ひな/1998年12月20日生まれ。沖縄県出身。
2019年シーズン賞金ランキング27位(獲得賞金:4389万10円)
出場33試合。優勝0回。トップ10入り7回。
今年は、前半戦がいい感じできていたので、後半戦ももうちょっといい成績を残したかったんですけど……。そこは、残念でしたね。
実は今季、中盤戦に差し掛かる頃から疲労感をずっと覚えていたんです。それで、後半戦から体のケアをしてもらうようになって、そこから疲れをあまり感じなくなりました。そういう意味では(体の)ケアって、やっぱり大事なんだな、と思った一年でしたね。来年は、最初から試合後のケアをきちんとして、後半戦もしっかり成績を残せるようにしたいです。
印象に残っている試合は、開幕戦のダイキンオーキッドレディスですね。地元・沖縄の大会で、最終的に2位タイになれたので、うれしかったです。今季はあまり優勝争いをしていなくて、2位や3位になった試合も、最終日にスコアを伸ばして、ポッと(上位に)入った感じでした。その分、悔しい思いはしなかったですが、来季はもっと優勝争いに加わっていきたいと思います。
「黄金世代」は、みんなうまいし、渋野日向子ちゃんも大活躍で、スゴすぎますね。だから、私も来年はがんばって、いつか追いつけるようにしたいです。そのためにも、まずは2勝目を目指してがんばります。
高橋彩華(21歳)
たかはし・さやか/1998年7月24日生まれ。新潟県出身。
2019年シーズン賞金ランキング19位(獲得賞金:5528万9178円)。
出場38試合。優勝0回。トップ10入り8回。
今季は、とりあえずシード権が獲れてよかったです。前半戦はパッティングが全然ダメで、ちょっと出遅れてしまったんですけど、5月くらいからそれがマシになってきて、そこから成績も出せるようになってきました。
6月のニチレイレディスでは、鈴木愛さんとプレーオフを戦ったんですが、敗れてしまいました。もちろん悔しいし、残念でしたけど、いい経験をさせてもらったと思っています。学んだことですか? う~ん、優勝って”運”と”タイミング”も必要かなってことですね。
今年一年で学んだことは、1シーズンって長いですから、フィジカル面のケアが大事だな、ということです。実質、ツアー参戦初年度のようなものでしたから、休みを取る余裕がなかったので仕方がないことですが、連戦が続いて、特に夏場はきつかったですね。これを教訓にして、来季は適度に休みを入れながら、フィジカル的にもシーズンを通して安定感を維持できるように、しっかりと調整していきたいと思っています。
最近は、調子がよくなくても、オーバーパーを打たずにスコアをまとめられるようになってきました。それは、ゴルフの底上げができてきたからかなと思っていて、その辺は(この一年で)成長できたところかなと思います。
同年代が優勝する姿を見て、一瞬焦ったりもしたんですが、今はそういうことはまったく考えていないです。きっと、自分が一番輝ける時に「勝てるんだ」と思うので、今年は「まだなのかな」と思いましたね。だから、来年は初優勝を目指してがんばりたいなって感じです。