大坂なおみ(日本/日清食品)の新コーチに就任したウィム・フィセッテ(ベルギー)。そのフィセッテは試合データを積極的に活用して指導するコーチだ。現在WTA(女子テニス協会)はドイツのソフトウェア…

大坂なおみ(日本/日清食品)の新コーチに就任したウィム・フィセッテ(ベルギー)。そのフィセッテは試合データを積極的に活用して指導するコーチだ。

現在WTA(女子テニス協会)はドイツのソフトウェア会社SAPと提携し、試合データを分析できるアプリをコーチに提供している。そのSAPのアンバサダーをフィセッテは務めている。

SAPは今年10月にそのデータ分析アプリにパターンズ・オブ・プレイと呼ばれる新機能を追加。ラリーの展開や要所での両選手の反応をデータに基づいて読み解くことができるなど、データ分析の手法は日々進歩している。それにより、テニスにおいてデータ分析はより重要なものになっている。

グランドスラムではコートに立てば一人で孤独な戦いに挑むことになるが、WTAツアーではオンコートコーチングが認められており、選手は試合中でもコーチとコミュニケーションをとることが可能だ。フィセッテはこれまでのコーチ以上にリアルタイムで分析されたデータを元にアドバイスができ、論理的に大坂に打開策を示すことができるだろう。

またフィセッテは以前Telegraph紙のインタビューで、データ分析が活発になることによって、これまで選手のフィーリングに頼っていた部分が、より戦略的になったという。

「スタッツデータがある前は違ったんだ。選手には自身のフィーリングがあり、コーチにはコーチのフィーリングがあり意見が対立していた。でも今はスタッツデータが明らかになり、論争の余地はない。事実について話すんだ」

「選手は自分の感覚に集中することに慣れているが、データ分析はより重要になると思う。相手が何をしようとしているか分かれば勝つチャンスはより増える。自分のパターンを知り、より多くの異なるパターンを練習してヴァリエーションを増やす必要がある」

これまで以上に緻密なデータ分析が可能なフィセッテがチームに加わったことにより、大坂がどのように進化するのか期待がかかる。その大坂は1月6日開幕の「ブリスベン国際」から、新シーズンをスタートさせる予定。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ムトゥア マドリード・オープン」での大坂なおみ

(Photo by David S. Bustamante/Soccrates/Getty Images)