「男子テニス界のBIG3」ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の存在感や、その牙城を崩そうというダニール・メドベージェフ(ロシア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)ら若手の初トッ…

「男子テニス界のBIG3」ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の存在感や、その牙城を崩そうというダニール・メドベージェフ(ロシア)、ステファノス・チチパス(ギリシャ)ら若手の初トップ10入りなど、群雄割拠の様相を呈した今シーズン。ATP(男子プロテニス協会)の公式YouTubeでは、そんなトップ選手たちの2019年ベストショット集を動画公開している。

そのなかで今回は世界ランキング4位、ドミニク・ティーム(オーストリア)の名プレーを紹介する。

迫力ある、攻撃的なストロークが大きな魅力のティーム。「次世代のクレーキング」とも目される通り、タフなラリーでもボールに食らいつき強力な片手バックハンドで仕留める。動画でも、そんな片手バックハンドが印象的だ。

クレーの絶対王者ナダルと今年もクレーコートで相まみえた、全仏前哨戦の「ATP500 バルセロナ」。ナダルの厳しいバック攻めにあいながらも、ナダルを上回りそうな気迫の声を発し、クロスに矢のようなバックハンドウィナーを突き刺すシーンもそうだ。

そして、7月の「ATP500 ハンブルク」では22歳・若手期待のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)と、凄まじいバックハンドの打ち合いを見せた。

迫力満点のこのポイント。ティームは、相手の厳しいサービスを何とか深めに返球した。相手ルブレフが次の球をバック側に展開してくると、そこから両者は一歩も引かないバックハンド対決に。ボールが交わされるにつれ、ラリーのスピードはどんどん速くなっていく。両者とも、まるで全力で振り抜いたフォアハンドのようだ。

そこから、ティームがややショートクロス気味のバックハンドを放ち、相手のスライス返球が浅くなったところを前に詰めてフォアハンドを叩き込んだ。相手ルブレフは、それをダッシュしながらフォアハンドで勢いよく叩き返したが、最後はティームが飛びついて空いたスペースにボレーを決めた。

ポイントが決まった瞬間、会場からは割れんばかりの大歓声が。ティーム本人は右手でガッツポーズをつくった。

今シーズンを自己最高タイの世界4位で終えたティーム。「ATP1000 インディアンウェルズ」を含め、今年は5つのタイトルを獲得した。先に紹介した「ATP500 バルセロナ」では、準決勝でナダルを破ったのち優勝。2018年にはナダルにクレーコートでただ一人勝利したティームだったが、今年も白星を挙げた。

来シーズンこそ、「全仏オープン」で絶対王者ナダルから優勝をもぎ取ることはできるか。ファンの注目が集まる。

なお、ティームのベストショット集の動画では他にも、フェデラーに対して鮮やかな片手バックハンドのダウン・ザ・ラインを決めるポイントや、ラインギリギリに決まるフォアハンドのランニングショットなどが紹介されている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP500 ハンブルク」でのティーム

(Photo by Daniel Bockwoldt/picture alliance via Getty Images)