大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。今年も多…

大坂なおみ(日本/日清食品)の「全豪オープン」優勝や、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)、ココ・ガウフ(アメリカ)といったニュースターの誕生など、多くの話題があった2019年女子テニス。

今年も多くの名プレーが生まれたツアーの中で、今回は5月のWTA(女子テニス協会)月間ベストショットに選ばれた、シモナ・ハレプ(ルーマニア)の俊敏性に優れるラリーを振り返って紹介する。

このプレーが生まれたのは5月、クレーコート大会「ムトゥア マドリード・オープン」2回戦の対ジョハナ・コンタ(イギリス)でのこと。

相手のワイドサービスでややコート外側に振られたハレプ。すると相手コンタは、3球目・5球目とハレプから一番遠い逆サイドいっぱいにショットを展開してきた。持ち前の俊敏性で追いつくハレプだが、特に相手の5球目は強力なフォアのダウン・ザ・ラインだったため、浮いた球を返球するのが精一杯だった。

そこをすかさず前に詰めていたコンタに、またしても自分から遠いクロスにボレーをされる。しかし、そのボレーがやや浅めで高いバウンドをしている間に、ハレプはボールの落下点に全力ダッシュ。身体をいっぱいに伸ばしたフォアのランニングショットで、前に詰めていたコンタの横を抜き去って見せた。

ハレプらしさが全開だったこのプレー。ウィナーが決まった瞬間にハレプは右手でガッツポーズをつくり、会場の観衆は大歓声をあげた。

世界4位(ランキングは12月16日付け)のハレプは俊敏な動きと鋭いグラウンドストロークで主導権を握り、インテリジェンスな組み立ても光る選手。今シーズンの月間ベストショットには、2月に続き2度選ばれた。また今シーズンは、芝の聖地「ウィンブルドン」決勝でセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を破り、悲願の同大会初優勝を果たした。

なおハレプは、大坂と過去5度対戦。ハレプの4勝1敗と勝ち越している。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ムトゥア マドリード・オープン」でのハレプ

(Photo by Alex Pantling/Getty Images)