テニスレジェンドの1人で、グランドスラムで7回優勝しているジョン・ニューカム(オーストラリア)が、ニック・キリオス(オーストラリア)がメジャーで勝てないのは彼の気質のせいだとする意見に異論を唱…

テニスレジェンドの1人で、グランドスラムで7回優勝しているジョン・ニューカム(オーストラリア)が、ニック・キリオス(オーストラリア)がメジャーで勝てないのは彼の気質のせいだとする意見に異論を唱えた。元世界1位の彼は、24歳のキリオスが大きいタイトルを取れていないのは、怪我が多いことの方が原因ではないかと語っている。スポーツウェブメディアのSportskeedaが伝えた。

キリオスは珍しい記録を持っている。それは、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)のビッグ3との初対戦時に、すべて勝利していること。彼の他にこの記録を持っているのはレイトン・ヒューイット(オーストラリア)と、ドミニク・ハーバティ(スロバキア)の2人だ。

ニューカムの発言は、興味深いものである。調子が良い時は素晴らしい選手なのに他のことでばかり目立ってしまうキリオスについて、彼の身体的な問題がキャリア成功を阻む最大の要因だとする意見は少ないからだ。

ニューカムは、「キリオスが繰り返し負傷をしているのが気になるんだ。特に、筋肉と関節が繋がる部分に問題が起こることが多いように見える。“デビスカップ”ではシングルスで4セットしか試合をしていないのに、彼の肩はまた痛み始めた。そんな痛みを抱えながらでは、しっかり練習に打ち込むことは難しいだろう」と語る。

キリオスの怪我が、ニューカムの言うように深刻なものだとしたら、それは将来への心配材料だ。気性の激しさは本人が自覚すれば変えられることだから。フェデラーも、かつては怒りっぽい短気な性格だったが、グランドスラム決勝に初めて進出した2003年にはそれを克服して、今ではツアー屈指の冷静な選手と言えるだろう。

だが、怪我となると別の問題。どんなにその競技において才能や実力があったとしても、その選手の身体がハードなプロの生活に耐えられないとしたら、それ以上はどうすることもできない。

キリオスは並外れた才能に恵まれた選手であり、若い世代の中で最も有望視している人もいるほどだ。しかし、彼はまだ他の一部の若手選手ほど成功していない。それが彼の気性のせいなのか、身体的なことなのかは、本人にしか分からない。だがテニス界の将来を考える時、まだ若いキリオスが2019年の不振から抜け出す道を見つけられることを願う。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「デビスカップ」でのキリオス

(Photo by Alex Pantling/Getty Images)