ATP(男子プロテニス協会)が2019年に行われたグランドスラムの試合のうち、大逆転で盛り上がった試合を5つランキングで発表した。1位には錦織圭(日本/日清食品)の、あの逆転劇が選ばれた。■第…

ATP(男子プロテニス協会)が2019年に行われたグランドスラムの試合のうち、大逆転で盛り上がった試合を5つランキングで発表した。1位には錦織圭(日本/日清食品)の、あの逆転劇が選ばれた。

■第5位「全米オープン」2回戦

○アルヤズ・ベデネ(スロベニア) 4-6、6(3)-7、6-2、7-5、7-6(4) ●ブノワ・ペール(フランス)

第4セットで3本のマッチポイントをしのいだベデネ。第5セットもペールに序盤でブレークを喫したが、そこから追い上げてタイブレークの末に勝利した。ここで勢いづいたベデネは、次に臨んだ「ATP250 メス」で準優勝まで勝ち上がった。

■第4位「全豪オープン」3回戦

○マリン・チリッチ(クロアチア) 4-6、3-6、6-1、7-6(8)、6-3 ●フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)

2セットダウンから逆転したチリッチ。第4セットのタイブレークで2本のマッチポイントをしのぐと、第5セットの序盤でブレークに成功し、フルセットで勝利した。ただチリッチは今シーズン、タイトルを獲得することができず、年始に7位だったランキングを39位にまで落としている。

■第3位「全仏オープン」1回戦

○ニコラ・マウ(フランス) 2-6、6(6)-7、6-4、6-2、6-4 ●マルコ・チェッキナート(イタリア)

昨年の同大会でベスト4進出を果たし、2月の「ATP250 ブエノスアイレス」で優勝。クレーに強いチェッキナートを、マウが地元の声援を受けて37歳にして逆転勝利を収めたこの試合が3位に選ばれた。勝利したマウは試合後に「フランスのトーナメントで、ローランギャロスでの、最高の勝利だ」と語った。

■第2位「全米オープン」2回戦

○チョン・ヒョン(韓国) 1-6、2-6、7-5、6-3、7ー6(3) ●ベルダスコ

58分であっさりと2セットを先取されたチョン。昨年から度重なる怪我に悩まされてきたが、同大会では予選から勝ち上がり、2回戦では見事な逆転劇を披露した。3回戦でラファエル・ナダル(スペイン)に敗れたが、来シーズンでの活躍と、ランキングの上昇が期待される。

■第1位「全豪オープン」4回戦

○錦織 6(8)-7、4-6、7-6(4)、6-4、7-6(10-8) ●パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)

5時間5分にわたったこの試合は、同大会の歴代5位の長さとなった。今年から導入された第5セットでの10ポイントタイブレークは、特に緊張感高まるものに。そして錦織が5-8でリードされ万事休すという場面で、物議を醸したポイントが生まれた。

線審はカレーニョ ブスタのショットをアウトと判定。そこでカレーニョ ブスタがチャレンジシステムを使用すると、判定はインに覆った。ポイントのやり直しかと思われたが、該当のショットの後に錦織がウィナー級のショットを打っていたためにポイントは錦織に。

これで流れは変わり、そこから錦織が連続でポイントを奪って劇的な勝利を収めた。敗れたカレーニョ ブスタは納得がいかず、バッグをコート上に投げるなど感情をあらわにし、ブーイングを受けていた。

ちなみに錦織は今年のグランドスラムの大会で計5試合、5セットのフルセットマッチを戦い抜き、5勝0敗の成績を残している。またキャリア通算でも23勝6敗という成績だ。

錦織が「全豪オープン」で見せた粘りの勝利が1位となったこのランキング。グランドスラムは5セットマッチなので、どれもフルセットの長丁場の試合が選ばれることになった。やはり、体力、精神力ともにタフでなければ上位には行けず、試合に勝つことも難しいだろう。改めて勝つことの難しさと選手のタフさを感じられるランキングとなった。

(テニスデイリー編集部)

※写真は1位に選ばれた「全豪オープン」での錦織圭

(Photo by Mark Kolbe/Getty Images)