2019/12/08(日)15:00KO  @流通経済大学龍ヶ崎キャンパスサッカー場


主将としてチームを牽引してきた

ついに迎えたTEAM2019のラストゲーム。残留か降格か、1部か2部か、笑顔か悔し涙か--その全てを懸けて闘う大一番となった。立ち上がりの6分にセットプレーから価値ある先制点を挙げると、勢いそのままに18分にも流経大ゴールを揺らした。後半に入って1点を返されるも、74分に決定的な3点目を奪い3-1で快勝。プレッシャーのかかる試合で見事に慶大のプライドを見せつけた。

【スコア】

慶應義塾大学3-1流通経済大学

【得点者】

1-0 6分 奥本くるみ (慶應義塾大学)

2-0 18分 山本華乃(慶應義塾大学)

2-1 57分 オウンゴール (流通経済大学)

3-1 74分 松木里緒 (慶應義塾大学)

◇慶大出場選手

GK 加藤楓琳(総4・常盤木学園)
DF 熊谷明菜(総3・十文字)→88分 中井里衣子(総2・作陽)
DF 佐藤幸恵(総3・十文字)→84分 庄司夏穂(総4・聖和学園)
DF 奥本くるみ(環4・浦和レッズレディースユース)
DF 工藤真子(総4・日テレ・メニーナ)Ⓒ
MF 勝木日南子(総4・大和)
MF 松木里緒(環4・常盤木学園)
MF 小川愛(総3・神村学園)
MF 足立智佳(環3・大阪桐蔭)→90+5分 清水奈緒(環3・文京学院大学女子)
FW 秦野くるみ(総1・藤枝順心)→90分 澤田優香(経4・慶應義塾湘南藤沢)
FW 山本華乃(理3・横須賀シーガルズ)→78分 ブラフ フェイ(文1・スフィーダ世田谷FCユース)


TEAM2019のラストゲーム

前日の他会場の結果により関東リーグ2部残留が決定したことで、この大学リーグ1部2部入れ替え戦が最終戦となった。対戦相手は奇しくもTEAM2019初陣(0●1)と同じ流通経済大学。関東リーグの後期最終節(0●2)から先発メンバーに変更は無し。100人を超える観客と男子部の応援団に見守られながら、来季のインカレ出場の可能性を残すべく大一番に臨んだ。


奥本のシュートシーン

結果が全ての戦いが始まった。攻撃時は足立智佳(環3・大阪桐蔭)、小川愛(総3・神村学園)の一方が中央に下りてCB2人と三角形を形成。また、両SBが高い位置を取りサイドハーフが中に絞って前線に5人が並んだ。慶大は立ち上がりの6分に先制する。小川が蹴った右CKを、遠いサイドで待っていた奥本くるみ(環4・浦和レッズレディースユース)が頭で一発。伊藤監督も「狙い通りのボールと入り方」と振り返るセットプレーで、大学リーグでは第7節(3◯0)ぶりの得点を挙げた。


山本のゴール直後

普段以上に熱の入った声援と男子部のチャントを背に波に乗った慶大は18分、松木里緒(環4・常盤木学園)のチェイシングから山本華乃(理3・横須賀シーガルズ)がボールを奪い、無人のゴールネットを揺らした。これで2-0とし、試合序盤で完全に主導権を握った。結局被シュートは0本と盤石の内容でファーストハーフを折り返した。


高いパフォーマンスを見せた松木

日が傾いてグラウンドは全て日陰に入り、より一層寒さが増した後半。それでも慶大の選手たちは11人中8人が半袖でピッチに立ち、熱く闘い続けた。57分に左サイドを突破され1点差に詰め寄られるも、ここで崩れなかった今日のソッカー部女子。逆に68分、69分とそれぞれ山本、小川が流経大ゴールを脅かした。そして迎えた74分、敵陣内でボールを奪った小川がPA内の松木へパス。松木は右足では打たずに切り返し、「迷うことなく」(松木)左足を振り抜いてネットに突き刺した。このゴールで再びリードを2点に広げると、その後は時間を使いながら5人を選手交代。7人の4年生がピッチに立ち、追いすがる流経大の攻撃をメリハリあるディフェンスで防ぎ切った。慶大は今季最終戦の大一番で3-1と快勝。来季に一部の舞台を残した。

チームスローガンに“ONE”を掲げて臨んだ今季のソッカー部女子。試合後の4年生たちは皆、この1年間を辛く苦しかったと振り返った。事実、関東リーグでは早々に昇格争いから脱落。夏場の早慶定期戦ではまさかの惨敗を喫し、日本一を目指した大学リーグでもインカレに出場することさえ叶わなかった。もがき苦しみながらも自分たちの目指すサッカーを追求し、貫き続けたこのシーズン。今日は見事に荒鷲の意地とプライドをピッチで体現し、「今まで先輩たちが残してくれた1部の舞台」(工藤)を来季以降に繋げた。


若き血を響かせた

遠方の会場に駆けつけ、勝利の瞬間を見届けた多くの観客。声を張り上げ女子部を鼓舞し続けた男子部の応援団。SNSなどを通じて行方を見守っていた人達。女子部を支えた地域の方々、OB・OGの方々。こうしたソッカー部女子に関わる全ての人と共に、選手たちはラストゲームを笑顔で締めくくった。辛く苦しかったシーズンを乗り越えて最後に響いた若き血。12月の寒空の下、TEAM2019は間違いなく“ONE”--1つとなっていた。

(記事:柴田航太郎 写真:小林由和)

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以下、試合後の監督・選手7名のコメント

伊藤洋平監督

--最後の試合を勝利で締めくくりました

最後ということでプランとかはもちろんあったんですけど、気持ちの部分が大きく作用する試合だったなって、改めて振り返ると思います。

--昨日、関東リーグの残留が決まって今日がラストゲームとなりました。プランというお言葉がありましたが、どういった準備をされてきましたか

気持ちの部分はベースとして、あんまりビルドアップが上手くいっていない中でどうやって前に運ぶかっていうところを少しマイナーチェンジしたというか、みんなが最終戦というプレッシャーの中でもチャレンジ出来るような仕組みだったり、環境というのを用意してきました。

--序盤に先手を取ってチームとしても波に乗れたでしょうか

狙い通りのボールと入り方で先制点取れたのが、かなり大きかったですね。

--今年1年間を振り返って

GKをフィールダーから出さなきゃいけないというところから始まって、最初の頃は当然失点というのも多かったですし、なかなかこう自己肯定感が得難いシーズンでした。なので、途中でチームも空中分解しそうになったりとかしたんですけど、こうやって残留という形で翌シーズンに繋げられたのは4年生の力がすごい大きいと思うし、本当に感謝しています。

--4年生にかける言葉はありますか

そうですね。まあ色々と…簡単な言葉では言い表せないですけれども難しいですね…ラスト1年間は本当に苦労したことの方が多いしサッカーもなかなか楽しめる状況じゃなかったと思うんですけど、それでもチームを良い方向に持っていこうと色んな工夫だったり試行錯誤して、1番は感謝という気持ちが大きいですね。感謝ですね。お疲れ様と伝えたいです。

工藤真子(総4・日テレ・メニーナ) 主将

――残留を決めました

今まで先輩たちが残してくれた1部の舞台なので、私たちも絶対残留という形で残してあげたいなという思いで戦ったので。その結果失点しましたけど、3対1で勝てて残留を決めらたのは本当に心の底から嬉しいです。

――試合内容を振り返って

前半割といい時間帯に得点ができたので。そこから結構波に乗って追加点をあげられたので、自分たちでゲームを作るというところに関しては本当に今日は1番いい試合だったのかなと思います。

――主将としてチームを牽引してきました

なかなか勝てず苦しい時期も続き、目標としていたインカレ優勝というところには程遠い結果で終わってしまいましたけど、最後こういう1部の舞台を残留という形で終えたのは、苦しかった分本当にこの勝利はいつもより嬉しいものになりました。

――後輩たちに向けて

本当に後輩たち上手いので。絶対来年1部の舞台でインカレ出場できると思うので、本当に自信を持って自分たちの可能性を信じて来年こそはインカレ優勝という目標に向かって頑張っていってもらいたいなと思います。

勝木日南子(総4・大和) 副将

--ラストゲームを勝利で飾りました

この1年はすごく苦しかったんですけど、最後残留という形を絶対結果で示さなきゃいけない試合だったので、勝てて純粋にホッとしています。

--今シーズン途中交代が多かったが今日はフル出場を果たしました。ご自身の出来はいかがでしたか

出来っていう面では良くはなかったんですけど、やっぱりフルで出させてもらったことは私に取ってすごく嬉しかったですし、今シーズン良い時も悪い時もやっぱりフルで出れない悔しさをすごい感じていたので、最後に監督がそういう配慮もしてくれたのかなと、そういう思いも噛み締めて走っていました。

--TEAM2019を振り返って

なかなか戦術的にもチーム内で浸透していなかったりすごく難しい時期が続いたんですけど、一人一人がチームに対してどこまで考えて向き合えるか本当に問われた年だったと思うので、今年得た経験を糧に後輩たちには頑張ってほしいですし、その経験を経て周りの人への感謝の気持ちを再確認できたので、周りの人に感謝の気持ちで一杯の1年でした。

松木里緒(環4・常盤木学園)

ーー残留を決めました

今シーズンなかなか思う通りにいかなくて。最後こうやって笑って残留を勝ちとることができたので、すごいホッとしています。

ーー試合を決定づける3点目のシーンを振り返って

さっきちょうど得点シーンを振り返ってみたのですが、得点というところは最後の試合でこだわりたいなと思っていて。あの時間帯2ー0から1点を返された中で点が欲しい状況だったので、迷うことなく左足を振り抜けたかなと思います。

ーー主務としても、主力選手としてもチームを引っ張ってきました

結構自分の理想とか4年生の中での理想とはかけ離れた1年にはなってしまったのですが、それでもやっぱり苦しかったけどそれを乗り越えて耐えてきた力というのは自分としても、来シーズンのチームも絶対そこはつながるところだなと思うので。すごい苦しかったけど、それが良かったなと思えるようなこれからにしたいなと思います。

ーー後輩たちに向けて

苦しいことも辛いことも本当にたくさん待っていると思いますが、今までやってきたことを信じて、監督を信じて、自分たちを信じれば絶対に自分たちの目標は達成できると思うので。そこはもう信じて疑わずに全員が一丸となってチームを作って、インカレで西が丘で戦っている姿を見たいなと思います。

奥本くるみ(環4・浦和レッズレディースユース)

ーー残留を決めました

インカレ優勝という目標を達成できないことがわかってから自分たちがあと何ができるか、何を残せるかということで。1部の舞台を残すということがやるべきことだったのでそれを果たせて本当に良かったと思います。

ーー先制シーンを振り返って

早い段階で1点決めれば絶対楽になると思っていましたし、あのゴールは本当に愛(=小川愛)がいいボールを送ってくれたので。あとは当てるだけだったので本当に良かったです。

ーーこの1年間はどのようなシーズンでしたか

なかなか上手くいかないことが多くて。結構辛い時間も長かったのですし、目標を達成することはできなかったですけど、笑顔で終えることができてそこは良かったかなと思っています。

ーー後輩たちに向けて

自分たちが目標としていたインカレ優勝が果たせなかったので、来年こそはインカレ優勝を目指して頑張ってほしいと思います。

澤田優香(経4・慶應義塾湘南藤沢)

--引退した今どのような気持ちですか

イメージ通りの良い終わり方を試合の前からずっとしていたし、こうやって最後みんなと笑って終われる本当に、本当に嬉しいという晴れた気持ちです。

--今年1年間はどのような1年でしたか

一言で表せないくらい辛い思いも悲しい思いも色んな感情が沢山あったけど、このチームでこうやって最後は立ち直れたというか、大変な時期を乗り越えれたっていうのが一番大きいです。振り返って、当初は不安な気持ちとか色んな感情があったけど色んな人への感謝だったり、仲間への感謝だったりを感じた感謝の1年でした。

庄司夏穂(総4・聖和学園)

ーー残留を決めました

すごい安心しています。1部の舞台を残すことがインカレに出場できないことが決まってからの目標だったので、しっかり1部の舞台をチーム全員で勝ち取れたことがすごい嬉しいです。

ーー試合を振り返って

皆が4年の意地を見せてくれたので、すごい良い試合だったなと思います。

ーー4年間のソッカー部生活が終わります

1年生の時は結構試合に出させてもらっていて、でも2年でケガをして。3年でもあんまり出れなくて、4年でもそんなに出てなくて。最後も9分しか出れなくて、悔しい思いはかなりしているのですが、チームでしか得られない経験であったり、サッカー以外の部分でもすごく学びのある4年間を過ごせたのではないかと思ってます。

ーー後輩たちに向けて

私たちがインカレに出場できなくて、チームも前期はすごいバラバラで大変な思いをさせてしまったのですが、1部の舞台で来年はインカレ出場をしっかりまずは決めて、インカレ優勝という目標を達成して欲しいなと思っています。

芳賀千歌子 MGR

--率直な今の気持ちを教えて下さい

引退するのが実感なかったのと、何よりも勝ったのが珍しかったので本当に勝ちの試合って嬉しいなっていう率直な気持ちです。

--今日は序盤に主導権を握りましたが、どのように試合を見ていましたか

ちゃんとボールが回っていて、「ああ久々に慶應のやりたいサッカーが出来ているんだな」と観ていて思いました。

--これで引退となります

来年は人数多い自分たちの代が抜けて戦い方とか色んな部分がガラっと変わると思うんですけど、それでもまた1部の舞台で私たちができなかったインカレ出場や、その中で上位に入るっていう目標をぜひ達成して欲しいなって思います。

※どんな時でも快く取材に応じてくださった慶應義塾体育会ソッカー部女子の皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。また、この試合をもって引退される4年生の皆様、4年間本当にお疲れさまでした。皆様の今後のご活躍を慶應スポーツ新聞会一同、心より願っております。2020シーズンも引き続きよろしくお願いいたします。