11月30日から2日間にわたって秋季東京六大学リーグ戦が早大所沢キャンパステニスコートで行われた。2日目の12月1日は同日開催の全日本学生選抜インドアソフトテニス選手権に出場した選手がいた関係で、フルメンバーではない状態での試合だったが男…

 11月30日から2日間にわたって秋季東京六大学リーグ戦が早大所沢キャンパステニスコートで行われた。2日目の12月1日は同日開催の全日本学生選抜インドアソフトテニス選手権に出場した選手がいた関係で、フルメンバーではない状態での試合だったが男子部が優勝、女子部が準優勝を成し遂げた。

 女子部の初戦は明大との対戦となった。1番手の須田葵衣(社2=群馬・高崎商業)・吉田優奈(社2=北海道・札幌龍谷)組は敗北を喫したものの、2手番以降は終始、主導権を握る展開で勝利し合計2-1で明大を下した。2戦目の相手は立大。1番手の須田・吉田組はゲームカウント5-0で快勝するも、2番手以降は苦しい戦いとなった。2番手の松井玲奈(社1=和歌山親愛)・渡邊有希乃主将(社3=愛媛・済美)組は攻めるテニスでポイントを重ねるも中盤以降のミスが響き流れは相手に。ゲームカウント3-5で敗れた。続く下江遥花(スポ2=和歌山親愛)・高嶺彩羽(人3=沖縄・八重山)組も敗れ合計1-2で立大の前に敗れた。3戦目の法大・東大合同チームとの1戦は合計3-0で快勝。団体戦初出場の村田朋華(教1=栃木・宇都宮中央女子)が活躍するなど実力差を見せつけた。最終戦は慶大との対戦。1番で出場した辰巳穂乃実(基理2=早大本庄)・富澤采加(教1=早実)は辰巳のストロークが冴えわたり、ゲームカウント5-0で勝利。そのまま勢いにのった早大は続く2番の松井・渡邊組、下江・高嶺組がどちらもゲームカウント5-1で勝利し、慶大を合計3-0で下した。女子部は惜しくも優勝を逃したが、3勝1敗で準優勝を決めた。


3年生としてチームを引っ張る高嶺

 一方の男子部は、初日の東大戦と慶大戦で全勝で快勝し明大戦に臨んだ。先鋒を任された後藤佳佑(社3=東京・早実)・増田達四郎(スポ1=北海道科学大)組は、後藤の力強いストロークで相手をねじ伏せ先勝。その勢いのまま早大は2勝を挙げるが、福井達輝(先3=香川・丸亀)・安谷陸(政2=沖縄・那覇西)組の安谷がボレーミスからなかなか立ち直ることができずにこの試合を落とし、続く試合も勝てず、勝負の行方は山根稔平(社2=奈良・高田商)・内田理久(社3=三重)組に託された。序盤から素晴らしいプレーを見せた二人は相手に流れを渡すことなく試合を制し、明大を下した。二日目からは、同日に小田原アリーナにて全日本学生インドア大会が開催された影響で後衛が不足するなか、普段は団体戦での出場機会が少ない選手に出番が回った。その奮闘もあり、立大、法大に勝利し、優勝を決めた。


ボレーをする増田

 男女ともにフルメンバーとは言えないなかでの大会となったが、男子部は優勝、女子部は準優勝と素晴らしい成績をおさめた早大。両主将は試合後、誰しもが試合に出る可能性があるということに言及した。4年生が抜け、戦力の不安視もあったなか相変わらずの層の厚さを見せつけた軟式庭球部。さらなる磨きをかけて盤石な状態で春を迎えたい。

(記事・写真 山床啓太、河合智史)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

男子部結果

優勝

▽第1戦
〇早大 7-0 東大
〇後藤・増田 5-1 田中・齋藤
〇高倉・新沼 5-0 星・井村
〇水木・上松 5-1 藤田・瀬尾
〇福井・安谷 5-3 河村・大竹
〇人見・宇野 5-0 小倉・平賀
〇松村・高木 5-0 加藤・小久保
〇山根(稔)・内田 5-0 高瀬・和田

▽第2戦
〇早大 7-0 慶大
〇後藤・増田 5-4 中川・中島
〇高倉・新沼 5-0 田中・中牟田
〇水木・上松 5-3 小田島・小杉
〇福井・安谷 5-2 和田・尾崎
〇人見・宇野 5-1 梁・横田
〇松村・高木 5-0 櫻井・浜田
〇山根(稔)・内田 5-4 村野・小板橋

▽第3戦
〇早大 4-3 慶大
〇後藤・増田 5-2 本倉・齋藤(大)
〇高倉・新沼 5-2 根本・鈴木
〇水木・上松 5-1 若林・水崎
●福井・安谷 1-5 金子・田中
●人見・宇野 2-5 明渡・齋藤(龍
●松村・高木 1-5 野村・丸山
〇山根(稔)・内田 5-0 山口・佐藤

▽第4戦
〇早大 4-3 立大
〇後藤・増田 5-1 高畑・宮村
〇高倉・新沼 5-1 原・内田
〇上松・安谷 5-0 松本・山館
●澤崎・高木 3-5 田島・齋藤
〇人見・宇野 5-3 永田・上西
●平田・大久保 0-5 日下部・村田
〇松村・内田 5-1 小倉・大関

▽第5戦
〇早大 4-3 法大
〇後藤・増田 5-1 吉田・藤本
〇高倉・新沼 5-2 前川・西
〇澤崎・高木 5-3 濱野・土屋
●上松・安谷 2-5 土佐・洞谷
●人見・宇野 4-5 下平・道下
●松村・内田 4-5 近藤・福田
〇平田・大久保 5-0 R

女子部結果

準優勝

▽第1戦
〇早大 2-1 明大
●須田・吉田 0-5 原口・上田
〇松井・渡邊 5-1 宮下(真)・柿沼
〇下江・高嶺 5-2 木瀬・宮下(こ)

▽第2戦
●早大 1-2 立大
〇須田・吉田 5-0 市川・森本
●松井・渡邊 3-5 中村・吉原
●下江・高嶺 2-5 松永・土井

▽第3戦
〇早大 3-0 法大
〇須田・吉田 5-0 原・伯耆原
〇松井・渡邊 5-0 岡田・安井組(東京大学)
〇下江・高嶺 5-1 松村・島村

▽第4戦
〇早大 3-0 慶大
〇辰巳・富澤 5-0 遠藤・平本
〇松井・渡邊 5-1 勝又・中井
〇下江・高嶺 5-1 荒木・花岡

コメント

上松俊貴主将(スポ3=岡山理大付)

――まず、今大会を振り返って

 明大との初日の最終戦で勝つことができて、チームの流れとしては良いかたちで2日目に入れたんじゃないかなと思います。2日目にほかの大会と被って、そっちに出場している人もいたんですけど、あまり人数が多くないなか全員が出れるチャンスがあって、しっかり戦い抜けたということは、これからチームが成長するにはすごく良いきっかけになったと思います。勝ちを求めることも大事なんですけど、各個人の内容だったりとか、そういうものを重視していって、「勝ったからそれで良い」ではなく、これからも勝つためにどうやって内容を濃くしていかなければならないかということを全員に理解してほしいなと思っています。

――普段、出場機会が少ない選手たちも出場していましたね

 そうですね、こういう団体戦で出場するのが初めてという選手もいたんですけど、そこで結構リラックスして自分がやれるベストを尽くせば、結果は良いようについてくると思うし、そういうのを意識して取り組んでほしいなと思っていたので、そういう部分を踏まえてノビノビやってくれました。強い選手と当たった時にどういう戦い方をするかなと思っていたんですが、結局迷っている部分があったんで、そういうところを割り切っていけたら今後の成長ももっと大きくなるのではないかと思うので、そういうアドバイス等で主将としてチーム全体を高めていかなければならないなと思いました。

――新体制となってすでに幾つかの大会に出場しましたが、チームの雰囲気は今のところどうですか

前までは、強い人というのが結構固定で出ていたんですけど、今大会で誰でも出れる可能性があるということはみんな分かったと思うし、それは全員がポイントになってくる、例えば「この人が勝つから自分がもし負けても大丈夫」というのは、数年前には多少はあったかもしれないが、そういう訳でもなくて、全員がキーポイントになるということが分かったと思います。逆に今まで下位番手であった人が、自分にも出れるチャンスがあると思ったら、これまで以上に頑張ると思うので、そういう点で過去数年のチームと違うと思うし、そういうのをきっかけに全員がレベルアップできればと思います。

――今年はどういった年でしたか

 僕自身は大学、一般の大会含めて、今シーズンの成績は常に上位に食い込めて安定していて自信になりましたし、でもそれで満足というのは絶対にダメだと思っています。今年は自分自身もすごく学べたことも様々にあったり、来年はこうしなければというところが、みんな明確に出ていると思うので、オフシーズンにしっかり体づくりだったりとか、今後の取り組みの明確な目標をしっかりと持っていきたいです。2019年は色々あった年でしたが、僕自身が今後テニスに関わっていく上ですごく大事な、濃い一年でした。

渡邊有希乃主将(社3=愛媛・済美)

――今回の大会を振り返っていかがでしたか

メンバーが1人欠けていたんですけど、思ったより戦えたなということが一番の印象です。結構明治も立教も強い人が多かったんですけど、全然勝てたなという感じです。

――順位に対する評価としては

上出来と言ったら言い過ぎですけど、メンバーが欠けていて(残った)メンバーが全員(試合に)出たので、そのなかではできた方だなと思います。

――今回の大会で得られた収穫などありましたら教えてください

一人一人の選手が自分も(試合に)出て戦えるんだなということがわかってくれていたらいい収穫だなと思います。これからにつなげていってほしいです。

――今後に向けての課題などはありますか

他大の強いところに勝てていたなということが前から多かったので、その勝てていたなということを勝てるようにするために、前衛も後衛も全員、課題は見つかっていると思うのでそこを詰められるように練習をしていけたらと思います。

――今後、しばらく主要な大会はありませんが、練習などに向けた意気込みをお願いします。

今の時期はどちらかといったらフィジカル面を鍛えていく時期だと思うので、こういうときに自分たちでトレーニングを妥協せずにしたいです。主要な大会がない時期でもできる限り意識を高く持って、オフ期間中の練習、トレーニングに取り組んでいきたいと思っています。