TEAM123456789計全慶大2101000015全早大0100000001(早)●大野、佐竹、今西、西垣、柴田―岩本、村田 遠州稲門会の設立40周年に合わせ、史上初めて浜松で開催された全早慶戦。全早大にとっては27.00率いる新体制の…

TEAM
全慶大
全早大
(早)●大野、佐竹、今西、西垣、柴田―岩本、村田

 遠州稲門会の設立40周年に合わせ、史上初めて浜松で開催された全早慶戦。全早大にとっては27.00率いる新体制の初陣であり、そして全慶大にとっては11月末で勇退する大久保秀昭監督の任期最後の試合でもあるという、両校にとって大きな意義のある一戦となった。試合は初回から全慶大にリードを許す苦しい展開に。2回に27.00の適時打で1点を返したが、その後は得点を奪えずに完敗を喫した。

 全早大の先発は地元・静岡商業高出身のOB大野健介(平24社卒=現ヤマハ)。5年前の全早慶戦名古屋大会では敗戦投手となっており、その借りを返したいところだった。しかし立ち上がり、OB選手として出場した2番・郡司裕也前主将(4年)に内野安打を許すと、2死後に四球を与えて一、二塁とピンチを背負う。ここで5番・沓掛祥和(OB)、6番・福井章吾(2年)に連続適時打を浴び、2点を先制されてしまった。さらに2回、同じくOB選手として出場した1番・柳町達(4年)に2死から安打を許すと、郡司には初球を右翼線に運ばれ、これが適時二塁打となって3点目を奪われた。


2回に中前適時打を放った真中

 反撃したい全早大はその裏、先頭のOB中澤彰太(平29スポ卒=現JFE東日本)が安打と盗塁で好機を演出する。2死後、打席に迎えるのは伝統ある背番号『1』を背負った8番・真中。「自覚を持ってプレーした」(真中)。フルカウントからの6球目を捉えると、打球は中前に落ちる適時打となった。3回には2番手としてOB佐竹功年(平18人卒=現トヨタ自動車)が登板。現在同じチームでプレーしている沓掛を投ゴロに仕留めるなど、ベテランらしい打たせて取る投球でこの回を三者凡退に抑えた。

 4回から救援した27.00は立ち上がりに失策絡みで1点を失ったが、5、6回は無失点で切り抜ける。7回からは27.00も好投を見せ、スコアボードに0を並べた。しかし打線は相手の小刻みな継投の前に苦戦。7回には27.00の安打と失策、四球で1死満塁の絶好機をつくったが、後続が倒れて無得点に終わった。すると9回には2死走者なしから登板した27.00が宮尾将(1年)に四球を与えると、続く山本晃大(1年)に中越えの適時三塁打を許して万事休す。1-5で敗戦し、新体制初陣を勝利で飾ることはできなかった。


好救援を見せた西垣

 試合後には大久保監督の勇退セレモニーが行われ、27.00が花束のプレゼンターを務めた。この5年間強い慶大をつくり上げ、早大の前に立ちはだかってきた名将からは「早稲田と慶應がしっかりと六大学を引っ張り、両校が優勝を懸けた早慶戦を」というメッセージが。この4年間賜杯から遠ざかっている早大にとって、実績豊富な投手陣が残る来春は大きなチャンスと見られている。宿敵を倒して栄冠をつかむためには、中軸、正捕手と攻守の軸が揃って引退した野手陣のパワーアップが鍵となるだろう。長い冬を越えたその先で、成長した早大ナインがどのような姿を見せてくれるのか。期待は高まる一方だ。

(記事 池田有輝、写真 菊池廉、小山亜美)


最後は両校の選手が大久保監督を胴上げした

黄字は打点付き

早大打者成績
打順守備名前
(二)金子銀佑.000二邪飛 遊失  遊ゴロ投ゴロ  
(三)中川卓也.333中安 右飛   二ゴロ 四球 
(指) 瀧澤虎太朗.000遊飛 一ゴロ  四球 見三振 
(捕)岩本久重 .000空三振   空三振     
 今井脩斗.000     空三振 三ゴロ 
(右)中澤彰太.333 中安 見三振  投ゴロ  
 宮崎大地.000       二ゴロ 
(一)吉澤一翔.250  空三振 空三振  中安 空三振
(中)鈴木萌斗.000 遊ゴロ  二ゴロ 三失 空三振
(遊)真中直樹.500 中安  中飛 四球 四球
(左) 砂田至.000 空三振  中飛    
 村田大誠.000      空三振  
 丸山壮史.000        空三振
早大投手成績
名前
大野健介13.50
佐竹功年0.00
今西拓弥0.00
西垣雅矢2 2/30.00
柴田迅0 1/327.00
コメント

OB佐竹功年(平18人卒=現トヨタ自動車)

――試合を振り返って一言お願いします

慶応に負けたので悔しいですね。

――出場が決まった時の思いをお聞かせ下さい

「マジか」という感じでしたね。本当は名古屋(全早慶戦名古屋大会)の方に行く予定だったのですが、僕がフランスに行っていて出られなかったので、急きょ浜松の方に出場することになりました。けがだけしないようにということを意識していました。

――早稲田の現役選手とプレーされましたが、いかがでしたか

本当にいいものを持っている選手はいっぱいいると思うのですが、まだまだそれを出し切れていない所に慶応さんとの差があったのではないかなと思います。

――自身の投球を振り返っていかがでしたか

まずストライクが入って良かったです。同じトヨタ自動車でプレーしている沓掛(祥和、OB)を抑えることができたので、それだけで十分です。

――後輩に向けてエールをお願いします

今早稲田は優勝から遠ざかっていて、優勝の喜びを知らないと思うので、努力して得た勝利は格別だと思うので、優勝してほしいです。

OB中澤彰太(平29スポ卒=現JFE東日本)

――久々に早稲田のユニフォームを着て臨んだ試合でしたが、いかがでしたか

やっぱり気持ちが引き締まるというか、真剣な気持ちで試合に臨むことができました。

――ご自身の打撃を振り返っていかがですか

安打を打てて、少しはチームに貢献することが出来たかなと。それはすごく良かったです。あの時は気持ちでいきましたね。

――出場が決まった時の気持ちはいかがでしたか

結構早い段階で小宮山さん(悟監督、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)から連絡を頂いていました。自分は社会人3年目なのですが、1年目でも呼んで頂いて、こんな短いスパンで呼んでもらえてうれしかったです。その中で自分の打撃の変化も感じられましたね。

――今年の早稲田はどのようなチームでしたか

すごく元気があって良かったと思います。でもまだまだ伸びしろもありますし、もっともっとできるチームだと思います。

――後輩たちへは何かアドバイスされましたか

瀧澤(虎太朗、スポ3=山梨学院)や中川(卓也、スポ1=大阪桐蔭)など左打者の子たちが積極的に聞きに来てくれました。自分の持っている引き出しは全部出しましたね。

――どのようなアドバイスをされましたか

バッティングの準備の仕方や練習を教えましたね。

――ご自身は社会人4年目になりますが、来年への抱負をお願いします

今年初めて都市対抗野球で優勝ができたのですが、連覇できるように来年に臨みたいです。きょう来ていたヤマハの大野(健介、平24社卒=現ヤマハ)さんやトヨタの佐竹(功年、平18人卒=現トヨタ自動車)さんともまた東京ドームで対戦できたらと思います。

真中直樹(教3=埼玉・早稲田本庄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

久しぶりの実戦だったのですが、調子が良くなくチームが負けてしまったので悔しいです。

――攻守の要となる選手が背負う背番号『1』をつけてプレーされましたが、どのような思いでしたか

簡単につけられる番号ではないので自分自身自覚を持ってプレーしましたし、これからどうなるかは分からないですが来季以降も背番号1をつけることになったらその覚悟と責任を持たなければいけないと思っています。

――今回OBの方々と一緒にプレーされましたが何かアドバイスはもらいましたか

直接アドバイスを貰ったわけではないですが、意識の持ち方だったり、打席の立ち方や気持ちの持っていき方を部員全員に対して教えてくださったので、リーグ戦まで時間があるので、いい準備をしていきたいと思います。

――内野手争いが激しくなると思いますがこの冬の課題として取り組みたいことはありますか

自分の1学年下には橘内(俊治、教2=東京・早実)といういい遊撃手がいて、更に春に1年生が入ってくるので彼らに負けないように自分自身努力をしていかないといけないですし、最上級生なので、チームを引っ張っていける存在になっていきたいです。

――最後に来年のラストシーズンに向けての意気込みをお願いします

今まではリーグ戦(東京六大学リーグ戦)で出場機会がなかったので、まず活躍できるように、そして春にリーグ戦優勝できるように頑張っていきたいと思います。

西垣雅矢(スポ2=兵庫・報徳学園)

――本日の試合を振り返って

実戦から離れていましたが、結果が出て良かったです。

――ご自身の投球はいかがでしたか

寒かったのですが、打者に向かって勝負できたと思います。慶大も実戦から間が空いていたということもあり、ストライクゾーンで勝負できました。

―OBの佐竹選手、大野選手とはお話をされましたか

お二人とも初めてお話をさせて頂きました。投球フォームについてのアドバイスを頂きました。

――9回2死での降板となりましたがマウンドでは小宮山監督とどのようなお話をされましたか

ナイスピッチングと伝えらました。(交代は)予定通りでした。

――これからオフシーズンに入りますが、課題はどのようなところですか

自分は真っすぐが弱いので、体、特に体幹をつくってリーグ戦で長いイニングを投げられるようにやっていきたいです。