2オンに成功しながら、イーグルどころかバーディーまで逃し、まさかまさかの4パット――。初日を2アンダー、3位タイで終えた渋野日向子 小雨と強風に見舞われた日本女子ツアー最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月28日…

 2オンに成功しながら、イーグルどころかバーディーまで逃し、まさかまさかの4パット――。



初日を2アンダー、3位タイで終えた渋野日向子

 小雨と強風に見舞われた日本女子ツアー最終戦、LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(11月28日~12月1日/宮崎県)の初日、渋野日向子のスコアが動いたのは、9番ロングホールだった。前週まで平均パット数(パーオンホール)と平均バーディー数のスタッツが1位の渋野が、4パットでボギーを叩いてしまう。

「(下り10mのイーグルトライは)下りを意識しすぎて、弱気でショートし、(バーディーパットは)強めに打ったら、結構フックしてしまって。返しのパーパットは『スライスするかな』と思って左に打ち出したら、またフックしちゃった……。予想外でした」

 4パットは、8月の全英女子オープン最終日以来のこと。もちろん、その大会を制した渋野にしてみれば、4パットも吉兆であろう。

「すぐに思い出しました。ただ、全英は強気で打って4パット、今回は弱気で打って4パット。”入れる”というより、”寄せ”にいっちゃったのかな。なっさけねえなぁって思います」

 ハーフターンを前後して、お菓子やリンゴ、ちくわをモグモグ。シブコは「(4パットのショックによる)やけ食いです」と笑ったものの、失敗を引きずらず、すぐにカムバックしてスコアを伸ばす。

 11番のロングホールで、2打目を約1mの位置につけ、楽々とイーグル奪取に成功する。

「すごく気持ちよかった!」

 スコアが黒字からアンダーパーを意味する赤字に転じると、16番パー3でも第1打を1mちょっとにつけ、バーディーを奪って通算2アンダーに伸ばし、そのままホールアウトした。

「4パットがかなり足を引っ張っているんですけど、そこから切り換えて、2アンダーで回れた。明日への課題は、4〜5mのバーディーパットがひとつも入っていないので、そこを決め切らないと、上位にはいけない。あとは、4パットをしないこと。いいスタートが切れたので、残り3日間、のびのびと悔いのないようにできたら」

 首位のテレサ・ルーと3打差の3位タイ発進は、上々の出来だろう。

 一方、賞金女王レースで、賞金ランキング3位の渋野に約1500万円差に迫られている同1位の鈴木愛は、11番までに3アンダーとし、上位に名を連ねていた。

 流れが変わったのは、15番パー4。第1打が左の林に入り、第2打は出すだけ。このホールをボギーとした。

「14番までショットも、パットも、つけるラインもすごくよかった。ところが、15番はティーショットで風の向きを読み間違えて……。右からの風だったんですけど、『左から』と(キャディーに)言われて。左に打ち出したら、流されて左の林の方に。下も上も(ボールを)出せなくて……」

 鈴木は、誰がバッグを担ごうとも、風の読みに関してはキャディーに一任しているという。

「私は風が読めない。自分のミスだったらしょうがないかなと思う部分があるんですけど、私のミスじゃないだけに、腹が立ちました。(キャディーに)『この分、取り返せよ』って思います(笑)」

 15番のあと、鈴木は16番、18番でもスコアを落とし、首位と5打差のイーブンパー、10位タイでフィニッシュした。

 ゴルファーとキャディーは、二人三脚の関係とはいえ、キャディーを選任するのもゴルファー自身であれば、プレー中の一打一打の責任も、ゴルファー自身がすべて背負うべきだろう。鈴木の発言が、2日目以降の信頼関係、そしてスコアに影響しないか、不安を抱いてしまうのである。