2年連続のトーキョーボウル出場がかかった最終戦。相手は昨年度、唯一敗戦を喫した早大。序盤に主導権を握られたグリフィンズは後半こそ、巻き返しを図るもTOP8の王者から逆転できず。今季は4勝3敗、3位という結果で終わった。◆8・31~11・2…

 2年連続のトーキョーボウル出場がかかった最終戦。相手は昨年度、唯一敗戦を喫した早大。序盤に主導権を握られたグリフィンズは後半こそ、巻き返しを図るもTOP8の王者から逆転できず。今季は4勝3敗、3位という結果で終わった。

◆8・31~11・24 秋季リーグ戦(アミノバイタルフィールド他)

◆11・25 対早大戦(横浜スタジアム)

 明大14{0―7、0―10、7―0、7―10}27早大〇

 試合終了の瞬間、選手たちは悔しそうな表情を浮かべた。「勝てばトーキョーボウルに行ける」(OL#56北村遼太朗主将・総合4=関西大倉)。選手たちの思いは強かった。しかし、試合開始直後にパントリターンTD(タッチダウン)を許す。第2Qには反則もあり、不用意な形で失点。「プレーの精度、一人一人のフィジカルが春とは全然比べ物にならない」(北村)とオープン戦では勝利した相手の成長を痛感させられる形に。後半こそ14点を返すが、流れに乗り切れず、悔しい引退試合となった。

 

 それでも集大成として意地を見せた。「本当に本当に何も残せない」とRB#32小泉亜斗夢(政経4=足立学園)の心中にあったのは後輩への思い。すると第3Q、本領を発揮。足をつかまれても、強力なタックルを受けても簡単には倒れない。その姿に後輩RBたちが続く。ランを中心とした攻撃でダウンを重ね、TDラインまで2ヤード。最後は「最も自信のある状況」(小泉)とOLの選手を飛び越えTD。1年次から試合に出てきたからこそ知る、後輩から見た先輩の姿。「何か感じ取ってくれたら」。強い思いが込められた走りだった。

 試合終了間際には自陣15ヤードからのパスをWR#5九里遼太(政経4=明大明治)がキャッチ。「今日楽しめたのは、前から苦しいことを積んできたから」と最後の最後につかみ取ったTD。「自分に自信がついた4年間」と晴れ晴れした表情で学生アメフトを振り返った。

 学生主体であるグリフィンズにとって、昨年も今年もチームの中心は4年生。「よく考えて、行動する、この大事さをしっかりと分かった上でアメフトをしてほしい」(北村)。託された使命は簡単ではない。来年こそは甲子園へ。その思いを胸に新チームは始動する。

[坂田和徳]

試合後のコメント

北村主将

――4年間を振り返っていかがでしょうか。

 「色んなことを学びましたし、学生主体で選手が考えないとダメで、今日も試合中に頭フル回転させて、やったんですけど、学生主体である面白さと難しさ。これを経験できたことは僕にとって4年間はすごく楽しかったです。特に今年はキャプテンとして、1年間引っ張らせてもらって、大所帯、100人チームを引っ張る難しさとか、全員を前に向かせられる言葉は何だろうとか、そういうのが楽しかったですし、難しかった感じの1年間で4年間トータルでみると、グリフィンズ入って本当に良かったと思います」

LB#1徳茂宏樹(国日4=関西大倉)

――今日が引退試合となりました。振り返ってみていかがでしょうか。

 「振り返って見ればあっという間で、このチームの良さとして、自分で考える能力、自主性がすごく身に付いて、学生主体で取り組んできて、選手間のコミュニケーションであったり、プレーのアジャストであったり。そのようなものは1人ではできないので、全員の意見が組み重なることによって、一つの組織としてまとまったので、主体性がすごく身についたチームだったと感じます」

小泉

――後輩へメッセージをお願いします。

 「最後のハドルでも話していたんですけど、今年の取り組みが結局4位だったというのが結果なんでこの取り組みから何を学べるか、一人一人がどういう風に動けるのかというのを糧にして来年こそ日本一を目指せるチームだと思っているので学生主体というのをプラスにできるように頑張ってほしいです」