翌日に迫った対慶大戦。早大・上井草グラウンドには「緊張」と対戦相手である「慶應」の文字が掲げられていた。全体練習に入る前に部員一人一人が試合に向けて決意表明を述べていく。選手それぞれの早慶戦へ懸ける思い、言葉がより一層緊張感を高めていった…

 翌日に迫った対慶大戦。早大・上井草グラウンドには「緊張」と対戦相手である「慶應」の文字が掲げられていた。全体練習に入る前に部員一人一人が試合に向けて決意表明を述べていく。選手それぞれの早慶戦へ懸ける思い、言葉がより一層緊張感を高めていった。全体練習は約1時間ほどで終了。慶大戦に向け、各々が調整、確認を入念に行った。


クラブハウスには対戦相手である「慶應」の文字が掲げられていた

 今回で実に96回目の開催となる早慶戦。過去の関東大学対抗戦(対抗戦)での戦績を見ると68勝20敗7分けと勝ち越している。特に過去3年の結果を見てみると早大の全勝状態だ。また、今季両者の成績は早大が全勝。それに対し慶大は2勝3敗と負け越している。戦前の戦績を鑑みると早大有利ではあるが、「何が起こるか分からない」試合。それが、早慶戦だ。また、三年間の成績は早大全勝ではあるが、7点差以内の決戦。逼迫(ひっぱく)した状態であることが伺えるだろう。伝統の「低く鋭いタックル」を繰り出してくる慶大に対してどのように戦っていくか。その部分が焦点となるだろう。展開ラグビーを繰り広げる早大とFW戦に持ち込みたい慶大。勝つのはどちらか。決戦の舞台は東京・秩父宮ラグビー場。時刻は11月23日、14時だ。会場にぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

 

(記事、写真 小田真史)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)

――この約2週間ほどの間でチームとしてどういった部分を焦点に練習を積み重ねてきたのでしょうか

帝京大戦でブレイクダウンは圧力を受けました。その部分をもう一段階上げられるようにということと、引き続きセットプレーの部分を積み上げようと全体的にはこの二つの部分を取り組んできました。

――チームの雰囲気はどのように感じられましたか

いつも通りですね。ピリピリするといった緊張感がいいかどうかは現役選手でないと分からない部分があると思います。ですが、決して(気持ちが)緩んでいるということは全くないですね。それなりにいい雰囲気で練習ができたかなと思います。

――慶大の特に警戒している部分はどういった点でしょうか

ハイボール、コンテストキックを使ってくると思います。なので、そこに対しての警戒と鋭く前に出てくるタックル。そういった部分で特に慶大は対峙(たいじ)してくると思います。そういったところを選手には話をしています。

――今年の慶大らしさという部分はどのように捉えていますか

前に出て鋭いタックルをしてくると言った部分とハイボールをおそらくストラクチャーの部分で使ってきているので、そういうチームかなと思っています。

――ハイボールを使用してくることに対しての対策はどういったことをしたのでしょうか

影響出ると思いますけど、そこを相手にボールを渡さないという部分が大事かなと思っています。意図してBK3が連動していくところを今週意識付けはさせました。

――早慶戦での焦点になる部分はどういったところでしょうか

どんな試合でも大事な部分は「仕掛ける」という気持ちをどれだけ持ち続けるかというところです。想定されるのはゲームの入りは(慶大に)とても勢いがあると思います。そういうところに対して自分たちから仕掛けていくという部分です。

――慶大で警戒するべき選手を挙げるとしたらどのプレーヤーでしょうか

特に、6番(フランカー川合秀和)、7番(フランカー山本凱)の選手はチャンスメーカーなので、そこは警戒していきたいですね。後はFBの沖洸成くんはランニング能力が高いと思います。キックの組み立てという意味では10番(SO中楠一期)だと思いますのでそういった選手たちですね。

SH齋藤直人主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――早慶戦で勝負のポイントなる部分はどこだと考えていますか

 ディフェンスだと思います。慶大はディフェンスしたいチームだと思いますし、今季僕らもディフェンスから流れを作ろうとしているからです。どっちが反則せずに規律を守って我慢し続けられるかですね。相手の速く前に出てくるディフェンスに対しては受けない。自分たちから逆にそういうディフェンスに対して「仕掛ける」といった強気なアタックをしたいです。(前に)出てくるからといって、ネガティブにボールを下げるのではなく、(アタックラインの)深さをしっかり保ちたいです。つまりは、いつも通りのアタックをすることですね。そういった部分も含めて「仕掛け」が大事になってくると思います。相手のディフェンスは飛び出してくるというのもあって空いたスペースが出てくると思います。その部分を有効的に使えるか。そこが大事ですね。

――警戒している部分はどういったところでしょうか

今年の慶大はハイパントを多く使ってくる印象です。そこに対しても警戒したいです。

――最後に意気込みをお願いします

勝ちます。

過去三年間の早慶戦