「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10日~17日/室内ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝で世界6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が世界5位のドミニク・ティーム(オーストリア)と対戦。6(6)-7…

「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/11月10日~17日/室内ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝で世界6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)が世界5位のドミニク・ティーム(オーストリア)と対戦。6(6)-7、6-2、7-6(4)でチチパスが勝利し、同大会初出場で優勝を果たした。試合時間は2時間35分。片手バックハンド同士という珍しい組み合わせとなったこの試合では、激しいラリーも随所に見られた。

両者は過去に6度対戦しており、チチパスから見て2勝4敗。ともに強敵を倒してグループリーグを1位で勝ち抜き、勢いに乗っていた両者。紙一重で接戦を制したのは、21歳のチチパスだった。

ちなみにティームとチチパスはともに片手バックハンドの選手。ツアー最終戦の決勝で片手バックハンドの選手が対戦するのは、2006年のロジャー・フェデラー(スイス)対ジェームズ・ブレイク(アメリカ)以来13年ぶりのことだった。

第1セット、お互いにブレークポイントを握りながらも決めきることができず、タイブレークの末に6(6)-7でチチパスが落とす。

しかし第2セットは序盤4ゲームを連取したチチパスが奪い返し、望みを繋ぐ。そして第3セットもタイブレークにもつれ込み、最後はチチパスのサーブをティームが返すことができず、7-6(4)でチチパスが勝利を決めた。

チチパスとティームのウィナーの数は34本と33本。ここでの差はなかったが、アンフォーストエラーの数は16本と40本と大きな開きがあった。終始高い集中力を保ったチチパスが逆転での勝利を手にした。

試合後のオンコートインタビューでチチパスは「大きな大会の決勝で、第1セットはナーバスになっていた。第1セットを落としてからどう巻き返したか、よく覚えていない。でも第2セット以降は良いパフォーマンスができていた」と振り返った。

ツアー最終戦決勝において、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、フェデラー、アンディ・マレー(イギリス)が一人もいないのは、フェデラーが初めて決勝を戦った2003年以降では3度目のこと。今大会では準決勝にはフェデラーしか残らなかった。

世代交代が叫ばれている中、最終戦を勝利したのは21歳の若きチチパス。昨年も当時21歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が優勝と、2年連続で若手がトロフィーを掲げた。とはいえ、まだグランドスラムでは若手も優勝に手が届いていない。来シーズン、若手たちの活躍から目が離せない。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「Nitto ATPファイナルズ」で優勝が決まったときのチチパス

(Photo by Julian Finney/Getty Images)