黒黄の勢いを完全に封じ込めた。対抗戦5戦目はすでに2敗を喫し、後がない状況の慶大と対戦。前半、PG(ペナルティーゴール)で先制を許したものの、3トライを奪い、21―3で折り返す。勢いに乗った後半は、相手を寄せ付けず、3トライを挙げ完封。最…

 黒黄の勢いを完全に封じ込めた。対抗戦5戦目はすでに2敗を喫し、後がない状況の慶大と対戦。前半、PG(ペナルティーゴール)で先制を許したものの、3トライを奪い、21―3で折り返す。勢いに乗った後半は、相手を寄せ付けず、3トライを挙げ完封。最終スコアを40―3とし、2年連続で敗北を喫していた慶大相手に3年ぶりの白星を挙げた。

◆11・10 関東大学対抗戦(秩父宮ラグビー場)

▼対慶大戦

 ○明大40{21―3、19―0}3慶大

 苦手意識に終止符を打った。「試合の入りは固かった」(左センター射場大輔・政経4=常翔学園)。秩父宮の大観衆を前に、序盤はペナルティーを連発。PGを決められ、先制を許す。しかし「全員が落ち着いて、我慢できた」(スクラムハーフ飯沼蓮・営2=日川)。膠着(こうちゃく)状態が続き、迎えた17分。敵陣22メートルライン付近でのマイボールラインアウトからFWでつなぎ、最後は飯沼からのパスを受けた射場が相手ディフェンス3人をかわし切りトライ。「チームに勢いを出せた」(射場)。34分には山沢が中央にグラウンディング。前半は21―3で折り返した。後半も勢いに陰りは見えず。「やりたいラグビーができた」(飯沼)。36分にはケガからの復帰を果たした児玉樹(政経2=秋田工)から右センター森勇登(政経3=東福岡)へロングパス。最後は同じく復帰戦となった山村知也副将(営4=報徳学園)にボールが渡りダメ押しのトライ。勝負の冬に向け、充実の選手層を印象付けた。「夏の敗戦から学んだ」(飯沼)。夏の菅平合宿での練習試合では17―39で敗戦。対抗戦でも過去2年苦汁を飲まされた。「慶応戦をチームとして目標にしていた」(右フランカー繁松哲大・政経3=札幌山の手)。30点差以上の差をつけ、天敵への苦手意識を払拭(ふっしょく)した。

 ノートライの3失点に抑えた。「点を取れたこと以上に自信になった」(フッカー武井日向主将・商4=国学院栃木)。伝統の粘り強いブレークダウンに、新たに加わった留学生を生かした攻撃を仕掛けた慶大。「磨き上げた〝コリジョン〟で圧倒できた」(武井)。低く刺さるタックルで慶大のアタックを阻止。「プラン通りの試合」(武井)で勝利をもぎ取った。

 次戦は、帝京大と対戦する。今節では早大相手に敗れはしたものの、大熱戦を繰り広げた。強靭なフィジカルとタレントぞろいのバックスを武器に、慶大とは違う戦い方で向かってくる。「慢心せずに、チャレンジャーの気持ちを忘れずに」(山村)。宿敵を克服した明大に怖い相手はもういない。

[上松凜助]

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