レンジャーズのダルビッシュ有投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのマリナーズ戦に登板し、6回2/3を6安打3失点9奪三振2四球で5勝目を挙げた。■岩隈との日本人対決制す、カーブを効果的に使い復帰後最多の110球で7回途中3失点 レンジャ…

レンジャーズのダルビッシュ有投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのマリナーズ戦に登板し、6回2/3を6安打3失点9奪三振2四球で5勝目を挙げた。

■岩隈との日本人対決制す、カーブを効果的に使い復帰後最多の110球で7回途中3失点

 レンジャーズのダルビッシュ有投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのマリナーズ戦に登板し、6回2/3を6安打3失点9奪三振2四球で5勝目を挙げた。マリナーズの岩隈久志投手とメジャー3度目の対決。岩隈が3回5失点でKOされる中、右肘手術から復帰後で最多となる110球を投げ、白星を掴んだ。女房役のジョナサン・ルクロイ捕手による緩急をうまく使った配球も光った。

 序盤から150キロ超の直球を中心にマリナーズ打線を打ち取っていったダルビッシュ。勝負どころではカーブを効果的に織り交ぜ、的を絞らせなかった。3回はヒットと盗塁で2死二塁のピンチを迎えたが、スミスは直球とカーブの2球種で追い込むと、最後はフルカウントから96マイル(約155キロ)の直球で左飛。5点リードで迎えた4回は1点を失ったが、2死二塁からズニーノをカーブで見逃し三振。6回2死二塁の場面も、4回にタイムリーを浴びていたリンドを67マイル(約108キロ)のワンバウンドのカーブで空振り三振に仕留めた。

 試合後、テレビインタビューに答えたルクロイは「基本的には速球で投球を組み立てた。その中で緩急、特にスローカーブで相手のタイミングを崩すことで上手く打ち取れたと思います」と明かした。速球とカーブ。シンプルな配球でマリナーズ打線に的を絞らせなかった。

■ダルビッシュが早くも信頼置くルクロイ、優勝へ「1試合1試合勝って行きたい」

 8月1日のトレード期限で移籍してきたルクロイだが、ダルビッシュは早くも絶大な信頼を寄せている。初めてコンビを組んだ2日(同3日)のオリオールズ戦では、ルクロイのサインに首を振った3球をいずれも本塁打され「次回はもっと信用するべきだと思う」と発言。さらに、前回登板の24日(同25日)レッズ戦では、球審のストライク・ボールの判定に苛立ちを見せたが、試合後にビデオで確認すると球審が正しかったと判明したとして、「ルクロイのキャッチングがよすぎて、僕の心が乱れた」と冗談交じりに振り返っていた。そして、この試合でもルクロイの効果的なリードが光った。

 打線は3回に集中打で4点を奪い、岩隈をKO。ルクロイもチーム5点目となるタイムリーを放ち、「相手投手の岩隈がいいピッチングしていたが、打ち崩してあのような得点をたくさん取れた。(ダルビッシュへ)良いサポートになった」と満足気に振り返った。

 ダルビッシュは7回2死一、三塁のピンチで降板し、後続の投手が打たれたため失点は「3」となった。それでも、今季最多の110球を投げ、5勝目をマーク。レンジャーズは地区優勝へ着実に進んでおり、ルクロイは「当たり前のことを当たり前と思わないで、毎日一生懸命プレーして、1試合1試合勝って行きたい」と話した。

 頼れる女房役とともに、ダルビッシュがエースとしてチームを牽引していく。