11月3日にF1アメリカGPが行われ、メルセデスのルイス・ハミルトン(34)=英国=が2位でゴールして今季のチャンピオンに輝いた。3年連続6度目のタイトル獲得で、史上最多となる7度のF1王者となったミハエル・シューマッハー(ドイツ)の記録…

 11月3日にF1アメリカGPが行われ、メルセデスのルイス・ハミルトン(34)=英国=が2位でゴールして今季のチャンピオンに輝いた。3年連続6度目のタイトル獲得で、史上最多となる7度のF1王者となったミハエル・シューマッハー(ドイツ)の記録にあと「1」に迫った。

 

アメリカGPでチャンピオンを決めたハミルトン。ユニオンジャックを広げて喜ぶ(ダイムラー提供)

 

苦労を重ねた若きハミルトン少年

 

 父親は中南米のグレナダにルーツを持つアフリカ系英国人で母親は白人系の英国人。モータースポーツは欧州の白人貴族の車遊びが発展して形成されたとされ、上流意識が非常に高い。ハミルトンの家庭は裕福ではなく、ここまでのし上がるまでかなり苦労したようだ。

 今でも語り草となっていることがある。ハミルトンは幼少期にゴーカートで天賦の才能を発揮し、10歳で英国の国内チャンピオンを獲得。その年にモータースポーツ専門誌が主催した表彰式に招かれ、マクラーレンの代表だったロン・デニス氏と対面する機会を得ると「いつかあなたのチームでレースをしたい」とすかさずアピールしたという。

 ところがデニス氏はハミルトンが所持していたサイン帳に「9年後にまた連絡して」と書いただけ。事実上の門前払いをされてしまったのだ。それでも、その3年後にはマクラーレン側が実力と将来性を見抜き、育成ドライバーとして異例の長期契約を結んだ。

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型破りな人生、独特のライフスタイル

 

ハミルトンはアメリカGPを2位でゴール。3年連続6度目のタイトルを獲得した(ダイムラー提供)

 

 おそらくここまでも嫌な体験をしてきたと思う。そのためか、F1の現場でも一匹狼なところがあり、他のドライバーとはあまり群れを成さない。

 ただし、公道で自動車事故を起こしたり、英・ウインブルドンテニスではドレスコード違反で入場を断られたりするなどF1以外の世界でも目立つ存在で、歌手デビューや米ハリウッド進出など話題に事欠かない。

 最近ではビーガン、つまり完全菜食主義者であることを積極的に公表しており、植物由来の代替肉を使ったバーガーのチェーン店に出資したことも認めている。

 自身のインスタグラムでも「自分たちが何を食べるかによって食肉産業や酪農が栄え、その結果として森林伐採や動物虐待が起こり、海や環境が破壊されている。ビーガンになることが僕たちの地球を本当に救える唯一の方法。すぐにできることなんだ」と訴えた。

 独特のライフスタイルを形成する自由人で、妻やパートナーがいるF1ドライバーが多いなか、悠々自適に独身を貫いている。破天荒を地で行く男。それがハミルトンだ。

[文/東京中日スポーツ・鶴田真也]

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