台風19号の影響で延期となっていた関東学生秋季リーグ戦(以下秋リーグ)が11月2・3日、國學院大学にて行われた。先日の全早慶戦から新体制として動き始めた女子部は新主将に渡邊有希乃(社3=愛媛・済美)を据えて秋リーグに臨んだ。リーグ二強の体…

 台風19号の影響で延期となっていた関東学生秋季リーグ戦(以下秋リーグ)が11月2・3日、國學院大学にて行われた。先日の全早慶戦から新体制として動き始めた女子部は新主将に渡邊有希乃(社3=愛媛・済美)を据えて秋リーグに臨んだ。リーグ二強の体育大相手には敗北を喫するものの、残りの試合では善戦して五戦二勝三敗でリーグ第4位の結果を収めた。

 一日目は日体大と東女体大との対戦となった。初戦を全敗で落としてしまったが、東女体大戦ではシングルスで出場した須田葵衣(社2=群馬・高崎商業)が相手を追い詰め、一時はマッチポイントを握る展開となる。しかし、地力の差を見せられ二敗目を喫する。だが、明日のためにも勝っておきたい下江遥花(スポ2=和歌山信愛)が勢いのあるプレーをみせ、渡邊もキャプテンらしく向かっていった。ファーストサービスから攻める姿勢をみせ、そのまま立て続けにゲームをとると、皇后杯3位の小林(愛)・吉田組にゲームカウント5-3で勝利した。


東女体大戦で勝利を挙げた下江・渡邊組

 二日目の初戦は慶大。オーダーを変更して試合に臨み、初戦の松井・川村組のストレート勝ちで波に乗った早大の二番手シングルスは吉田優奈(社2=北海道・札幌龍谷)が出場。カットサーブから攻撃を仕掛けていき、相手を揺さぶった。1ゲーム目を落とすものの、その後はゲームを落とすことなく勝利をあげ、早大に勝ち星をもたらした。全勝で次につなげたいところだったが、続く三番手の下江・髙嶺組は下江がシュートボールで攻めていくが、序盤にミスが目立ち相手にリードを許す。しかし、ゲームを追うごとに良くなっていった二人はファイナルゲームをカウント7-5で競り勝った。続く青学大戦でもシングルスを落としはしたものの、初戦では松井の頑張りに川村が素晴らしいボレーで応える形でポイントを重ねていった。勝利のかかる場面で回ってきた下江・髙嶺組だったが「大事な場面でも、そうでなくても、自分たちは自分たちのことをやろうと考えていた」(髙嶺)と序盤のゲームを落とすも、下江が強気なコースに積極的に攻撃していき巻き返し、ゲームカウント5-3で2勝目をあげた。最後の明大戦では初戦を落として迎えたシングルスで、青学大戦でストレート負けを喫した吉田が活躍し、またも勝敗は3番手にかかることになった。しかし、甘いボールをボレーされる展開が増えゲームを奪われていく。あとわずかなところでファイナルゲームへ、という場面までいくもここまで。早大は五戦二勝三敗という成績で秋リーグ4位となった。


1番手としてチームを勢いづける松井・川村組

 結果としては4位に終わったが、今後女子部を引っ張る3年生二人は「次に向けての目標も立てやすくなったし、みんなの課題とかも明確に見えた部分もあると思う。」(渡邊)、「みんなプレッシャーのなかで良く頑張った大会だったなと思います。」(髙嶺)と前向きなコメントを残した。4年生が抜け、入れ替え戦も試合前には頭にあったと語ったが、ふたをあけてみれば慶大と青学大に勝利。負けた試合からも得た収穫は多いはずだ。新体制として良いスタートが決まった女子部の今後に期待したい。

(記事 河合智史 写真 荻原亮、河合智史)

結果

第4位

▽第1戦
●早大 0-3 日体大
●松井・川村 3-5 黒田・久保
●須田 葵衣  0-4 酒井 葵衣
●下江・渡邊 3-5 鈴木・桑名

▽第2戦
●早大 1-2 東女体大
●松井・川村 3-5 高橋・小松
●須田 葵衣  3-4 片野 理音
〇下江・渡邊 5-3 小林(愛)・吉田

▽第3戦
〇早大 3-0 慶大
〇松井・川村 5-0 秋本・花岡
〇吉田 優奈  4-1 遠藤 優香
〇下江・髙嶺 5-4 草野・中井

▽第4戦
〇早大 2-1 青学大
〇松井・川村 5-2 廣澤・鈴木
●吉田 優奈  0-4 桒野 未来
〇下江・高嶺 5-3 十九浦・西城

▽第5戦
●早大 1-2 明大
●松井・川村 2-5 原口・上田
〇吉田 優奈  4-2 宮下 真緒
●下江・渡邊 3-5 木瀬・宮下(こ)

コメント

渡邊有希乃主将(社3=愛媛・済美)

――結果についてはどういった評価ですか

 もともと2勝すれば今のチームから考えて良いだろうという感じだったので、妥当だとは思います。欲を言えば、今回対戦してみて勝てない相手ではないなということが分かったので、もうちょっと勝ちたかったなという気持ちはあります。

――目標は達成できたということですか

 最低目標は達成できたかなという感じです。

――1日目と2日目でオーダーを変更していましたが、それはなにか意図があってですか

 もともと私が体育大戦に出て、あとは髙嶺の方に任せて最後の試合は私と髙嶺で出ようという話はしていたんですけど、2回(下江・髙嶺組が)良い感じで勝ったのでそのままの流れでいってもらおうかなという感じでいきました。

――対戦する大学に合わせて選手を変更したのはなぜですか

 タイプの問題で、スピードが私の方が早いと思うので、タイプというか好み、得意、不得意で分けてという感じですね。

――大会通して振り返っていかがでしたか

 さっきも言ったように、勝てなくもない相手ということも分かったので、次に向けての目標も立てやすくなったし、みんなの課題とかも明確に見えた部分もあると思います。出てない選手もサポートしてくれて、人数が少ないですがこれから一緒に頑張っていけるようになれたんじゃないかなと思います。

――ご自身が出場された試合はどうでしたか

 早慶戦が秋リーグ前にあったんですけど、その時が本当にひどくて、それと比べてじゃないですけど自分の力は出せたと思うし、日体には負けたんですけど、勝てないわけでもないなと感じていたのであわよくば勝ちたかったなと思っています。自分の課題が見つかったので、そういう点ではよかったかなと思います。

――主将の座につかれましたが、今後どのようにチームを引っ張っていきたいですか

 前のキャプテンのように背中で語れるようなタイプではないし、絶対に勝たせてやるという実力もないので、できるだけ全員と話し合って全員で勝てるような、そういうチーム作りをしていって、できれば自分がちゃんと出てちゃんと勝ちたいなと思っています。

下江遥花(スポ2=和歌山信愛)・髙嶺彩羽主務(人3=沖縄・八重山)

――二日目は大事な場面で2回まわってきましたが

髙嶺 大事な場面でも、そうでなくても、自分たちは自分たちのことやろうって考えていたので、大事な場面だったからという意識はあまりなかったんですけど、でもそこでしっかり3番らしい試合ができたんじゃないかなと思います。

下江 いつもより力みも不安もなくてすぐに試合に入れて、プレッシャーはありましたが、良い意味でそれを感じずに自分のテニスができたので、とても良い試合だったと思います。

――今回の4位という結果はどのようにとらえていますか

髙嶺 みんな入れ替え戦というのも頭にあって、その点でプレッシャーがあった大会でしたが、その中でも自分の力をしっかり出し切って向かっていく姿勢が見られたので、4位という結果ではありますが、自分はみんながプレッシャーのなかで良く頑張った大会だったなと思います。

下江 大会前は、入れ替え戦にいかないようにという意識がとても強かったですが、試合やってみて終わってみると、もっと上を目指せるなという向上心を持つことができました。

――4年生が抜けてどのように気持ちに変化がありましたか

髙嶺 今まではずっと頼ってばかりだったので、自分たちが引っ張らなきゃいけないという思いもあったし、二日目は渡邊が出なくて、一日目の段階でオーダーどうするかという話で、これだけ自分を信じて出してくれたので、今日は本当にそれだけのために頑張ったといってもおかしくないくらいに有希乃のために頑張りました。

下江 4年生と組んできて、その分ほかの人より団体戦に出ていたので、それを生かせるようにみんなを引っ張っていこうという気持ちでやっていました。

――チームの中では3勝をあげ勝ち柱でしたが

下江 ここ最近すごい調子がよくて、それをしっかり出しきれるかというのが課題だったので、それがしっかりできて、自分のプレーが出来たら勝率も上がってくるんだなというのを実感して、けっこう自信になりました。

――もうすぐシーズンは終わりますが、今後について一言お願いします

髙嶺 下級生が強くて自分たちも刺激をもらっているので、その刺激を受けつつ自分たちもしっかりチームをまとめて最上級生が引っ張っていけるように頑張りたいと思います。

下江 先輩たちがのびのびとやらせてくれるので、自分のやりたことをいっぱいやって、もっと向上心をもって上手くなっていきたいと思います。