嬉しい初勝利だ。本拠地東伏見グラウンドで駿河台大との試合が行われた。「2試合負けていてもう負けられない試合だった」と清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)が言うように、絶対に落としたくはない一戦。早大は春に勝利した相手に対して終始主導権を握った状…

 嬉しい初勝利だ。本拠地東伏見グラウンドで駿河台大との試合が行われた。「2試合負けていてもう負けられない試合だった」と清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)が言うように、絶対に落としたくはない一戦。早大は春に勝利した相手に対して終始主導権を握った状態で試合を進め、3-0で完封勝利を収めた。

 早大のセンターボールで始まった前半。相手のゴール前で試合を展開するが、なかなか点を決めることが出来ない。しかし21分にペナルティーコーナー(PC)を獲得するとDF中嶋錬(スポ2=島根・横田)のアシストでDF是澤勇志副将(文4=東京・早大学院)がタッチシュートを決め先制点を取ることに成功。試合後、ベンチでも称賛を受けたという是澤のシュートはこの夏から練習を重ねてきたというPCからの得点であっただけに意味のある1点であったと言えよう。


先制点を決める活躍を見せた是澤

 早大の1点リードで始まった後半は8分に「早く2点目が欲しいなと思っていた」と語ったFW関修平(商3=東京・早大学院)がゴールを決める。その後FW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)が追加点を狙うが惜しくも外れてしまう。しかし13分にペナルティーストローク(PS)の機会が回ってくるとMF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)が相手GPの股下にゴールを決め、これで3点目。この後この試合唯一の危ないシュートを打たれるも得点を許さずに試合終了を迎えた。


PSを冷静に決め、笑みを見せる宮口

 これまでの試合では相手のペースに持ち込まれてしまうことも少なくなかったが、この日の早大は試合を通して攻め続けることが出来ていた。「過去二度の敗戦からいろいろ戦い方を見直して、攻め方に関しても全員で共通認識をもつようにしたので、それがきょうしっかり活かせて継続的な攻めにつながった」(関)。チームでの取り組みが実を結んだ結果と言える。また、「春に取れなかった場面で、得点が増えてきた」と試合後に原聡監督(昭59卒)が語ったように、この日の収穫は夏に練習してきたPCを決められたことにあるだろう。春にはなかなか決められなかったPCが狙った形で決められたことは大きな成果だ。一方で、「2本目からはなかなか決め切れなかったので、来週までに修正していきたい」(宮口)と話したように、その後4回あったPCは全て外してしまい決定率の向上が次への課題だ。次の試合は順位決定戦となる。11月に行われる全日本学生選手権大会(インカレ)も見据えて4年生を中心にチームの課題をどう修正していけるかに注目だ。

(記事 金澤麻由、写真 榎本透子、平川茜音)

関東学生秋季リーグ
早大1-0
2-0
駿河台大
コメント

原聡監督(昭59卒)

――今季の初勝利になりましたが、いかがですか

素直に喜びたいと思います。

――完封勝ちになりました

今までの試合と違い、相手が守備的で、こちらの攻めを受けて攻めてくるという形でした。戸惑いましたが、そういう部分もうまく対応できたのかなと思います。

――守備面での評価はどうですか

キーパーも含めて、ディフェンス陣が丁寧にやったことが良かったと思います。

――攻撃面ではいかがでしょう

相手が引き気味で来たので、守りと同時に攻める方も戸惑ったところもありました。そういう時に失敗するのは、慌てて攻めて、そこを奪われてカウンター気味に(攻められる)、要するにそれが相手の狙いなのですが、そこをはまらずに、焦らず対応できたというのが良かったと思います。

――PC攻撃の、バリエーションが増えているように見受けられました

そこはみんなが工夫しています。なかなか力任せでは入りません。相手が一つに絞れないような形にできているので、春に取れなかった場面で、得点が増えてきました。きょうも一本目はきれいに決まりました。そこは成果だと思います。

――順位決定戦に向けて、意気込みをお願いします

上位に行けなかったのは、悔しいところですが、予選の順位が決まっただけなので、その中で可能な限り一番上に行きたいです。春は最後に負けてしまったので6位でした。ささやかではありますが、一つ上の5位(を目指して)。それをしっかりやっていくことで、その後の早慶戦や全日本学生選手権(インカレ)につなげていきたいと思います。

MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

リーグで2敗してしまったということで、予選の最終試合だったのでまずは秋リーグ1勝ということをチームで掲げて試合に臨みました。

――完封勝利を収めましたが、守りの中で意識されたことはありますか

相手がプレッシャーをあまりしてこなかったので、後ろでボールを回すことが出来ていたので、そんなにディフェンスに対して厳しいチェックが無かったことが、自分たちのミスを減らすことにもなり非常安定したディフェンス陣だったなと、4人を褒めたいと思います。

――PCの機会が多くありましたが、感触はいかがでしたか

試合前にミーティングをしまして、毎回どれを1本目に使うかを研究していて、今回は副将の是澤(勇志、文4=東京・早大学院)のタッチシュートでいこうと決めていたので、それがまず先制点として決められたことは良かったと思います。2本目からはなかなか決め切れなかったので、来週までに修正していきたいなと思います。

――PSでの得点シーンを振り返っていかがですか

自分自身春に慶大戦でPSを外してしまった苦い思い出があったのですが、自分で打とうと臨んだ結果、シュートは入ったのですが自分が思い描くシュートコースには打てなかったので、もう少し練習が必要かなと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

きょう1勝出来たということで、チームに勢いが付いたと思うのでこの勢いのまま順位決定予選で勝って、次の順位決定戦でも勝てるように短い期間ですが、集中して練習に取り組んでいきたいと思います。

FW関修平(商3=東京・早大学院)

――きょうは見事なゴールを決めましたね

基本的にはうちのペースで試合を進められていたんですけど、(得点時)まだ1対0で、失点次第では相手のペースになってしまうところだったので、早く2点目がほしいなと思っていた時間帯に点が取れたのはとても良かったです。

――試合全体を通して、チームとしての積極的な攻めが目立ちましたね

自分たちは人数が少ないので、過去二度の敗戦からいろいろ戦い方を見直して、攻め方に関しても全員で共通認識をもつようにしたので、それがきょうしっかり活かせて継続的な攻めにつながったのかなと思います。

――守りの方では、完封して試合を終えられましたね

ここ数年、無失点で試合を終えられることはなかったので、完封できたのは大きな成長だなと感じましたね。健悟(山本、社2=滋賀・伊吹)を中心に守備では体を張って守れていたので、これは継続していくべきだなと思いましたね。

――最後に、次戦に向けての意気込みをお願いします

次は順位決定戦ということで、まだ相手は決まってないんですけど、春は6位だったので、秋は下位が決まっているなかでも一つでも上の順位、すなわち5位を目指すべきだと思うので、通過点として絶対に5位になれるように頑張っていこうと思います。

GK山本健悟(社2=滋賀・伊吹)

――きょうの試合、振り返っていかがですか

序盤は点数を取ることができず流れが悪いと思ったのですが、敵が引いてくれたこともあって早大がピンチを作ることなくペナルティコーナーを取ることができて、そこから点を取ることができたのが流れの面で考えると良かったと思います。

――完封勝ちでしたが、キーパーとしていかがですか

正直危ないと感じたシュートは1本あっただけでそれも味方が助けてくれて、それ以外は詰めるといったような基本的なことが出来ていれば止めることのできたシュートだったので基礎をしっかりやれたということで良かったと思います。

――キーパーのポジションから見てきょうのチームメイトの動きはいかがでしたか

途中ダラっとした時間があって、フォワードとか中盤のリードがなくなって攻め辛かったですけど、リードしてそこを縦のディフェンスに合わせるという練習してきたことが出来ていたので良かったのかなと思います。

――次の試合に向けてお願いします

絶対勝ちます。

DF中嶋鍊(スポ2=島根・横田)

――今試合を振り返って

終始早大のペースで運べたのでよかったと思います。相手がハーフプレスをしてきて、こっちも落ち着いて回せたのと、あと得点を取った時間帯もよかったです。

――アシストした得点についてはいかがですか

今まで出してこなかった秘密兵器を出しました。PCのバリエーションとしてここまで持ってきて、練習の時から決まっていたのできょうも決まってよかったなと思います。あとはミーティングで駿河台大のビデオも見て、どこが空いているか、とかをみんなでしっかり確認して決めたことなので、みんなで取った1点かなと思います。

――ビデオで研究する以外にも対策はしてきましたか

東農大や明大に照準を当てて対策をしてきて、それで負けてしまって悔しい思いをしたけど、いい試合もできたと思うのでそのまま戦えば勝てると信じて練習していました。ミーティングはもちろんしました。

――駿河台大はシュートをほとんど打っていませんでしたが、早大のディフェンスについてはいかがでしたか

変わったことといえばゾーンディフェンスですね。今まではマンツーマンのディフェンスだったんですけど、天理合宿を経てゾーンディフェンスに変更したので体力の消耗が前より少ないのと、きょうは相手がハーフプレスだったので自陣で回す時間が多くて、安心してディフェンスができたのでそれがシュートの本数につながったんだと思います。

――今週末の順位決定戦に向けて意気込みをお願いします

春季リーグは悔しい結果だったので、その悔しさをぶつけるつもりでどんな相手でも絶対勝ちにいきたいです。

FW清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)

――今季1勝目となりましたが、きょうの試合を振り返っていかがですか

2試合負けていてもう負けられない試合だったので、とにかく試合に勝つということを目標にチームみんなで練習を頑張ってきました。なので、勝てて良かったです。

――きょうの試合に向けてどのような準備をされてきましたか

1回試合をやったことのある相手だったので、ビデオを見て相手の弱点をみんなで分析して、前の試合の課題なども混ぜながら、相手の対策をしっかりできました。やることをみんなで統一して、まとまった形でできたのが良かったと思います。

――積極的攻めていたと思うのですが、その点についてはいかがですか

今季まだ一度も点を取れていなかったで、きょうは取りたいなと思っていました。点は取れなかったのですが、動きはそんなに悪くなかったかなと思うので次の試合でも継続的にやっていきたいです。

――守備でも活躍されていましたが、その点についてはいかがですか

早大は人数が少なく、守備でもフォワードがしっかり走らなければいけないので、きつい場面もあったのですが、しっかり体力を考えながら、また下がるところまで下がれていたと思うので良かったかなと思います。

――PCの決定率についてはいかがですか

PCの決定率は以前から課題になっていたのですが、1本目は絶対入るものをやろうということで決められたのでよかったのです。しかし、その後でバリエーションをやるという作戦がダメだったり、細かいミスがあったり、自分も決められなかったところがあったので、細かいところではありますが、次の試合までに修正して頑張りたいです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

次戦は順位決定戦なのですが、もうすぐインカレもあるので、それにつながるようないい試合ができればいいなと思っているので、勝ちにこだわって頑張りたいです。