今年度最後の大会が幕を閉じた。昨年度と同じく法大、九州情報大に2勝して、決勝トーナメントに進出。日体大と対戦するも敗れ、ベスト8となった。また個人戦では藤原竜平主将(政経4=埼玉栄)がベスト16選手に選ばれた。◆11・2〜3 第97回全国…

 今年度最後の大会が幕を閉じた。昨年度と同じく法大、九州情報大に2勝して、決勝トーナメントに進出。日体大と対戦するも敗れ、ベスト8となった。また個人戦では藤原竜平主将(政経4=埼玉栄)がベスト16選手に選ばれた。

◆11・2〜3 第97回全国学生選手権(堺市大浜公園相撲場)

▼個人戦予選トーナメント

 末木、八幡、佐藤、太治―1回戦敗退

 福井―2回戦敗退

 東、村上―3回戦敗退

▼個人戦決勝トーナメント

 藤原―ベスト16

団体戦Aクラス予選

◯明 大3―2法大

 明 大1―4日 大◯

◯明 大3―2九州情報大

団体戦Aクラス優秀8校トーナメント

 明 大1―4日体大◯

 「チーム一丸で勝てて意味のある大会だった」(小川清彦総監督)。今年度の大会では結果が振るわなかった明大。新体制となってから一度も決勝トーナメントに進出したことがなかった。さらにレギュラーである宇都宮愛樹(政経3=野村)、篠田一憲(政経3=金沢学院)の2名がケガの影響で欠場する中挑んだ。

 予選の法大、九州情報大戦では2―2となり勝敗が大将戦へともつれ込む。大将・八幡莉玖(政経2=新潟県立海洋)は「絶対に勝ってやる」と気持ちを入れ、我慢強い立ち合いから見事な寄り切りで勝ち星を挙げた。大将戦の2勝や佐藤大地(政経3=埼玉栄)の勝利がチームの窮地を救い、決勝トーナメントへと進出。決勝トーナメント1回戦では日体大に1―4で負けたものの「ベスト8に入れて非常に良かった」(守重佳昭監督)。最後にふさわしい喜びの笑顔での幕引きとなった。

 今のチームを4年生抜きには語れない。4年間の集大成となるインカレに藤原は「勝っても負けても悔いなく試合をしたい」と気合を入れて試合に挑んだ。個人戦では理想の相撲である「我慢の相撲」を取り切り、昨年度の学生横綱を含む優勝候補2人を破ってベスト16に。さらに「相手は格上だったが、もちろん勝つ気でいった」と、団体戦では予選を全勝で通過した日体大に初めて黒星を据えた。ともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた東龍輝(政経4=文徳)も先鋒として勝利に貢献。冷静に相手のまわしをつかむと、自分の得意な相撲に持ち込み相手を圧倒した。さらに、試合に出場しなかった片村永尚(政経4=埼玉栄)、末木康平(政経4=東洋大牛久)もサポート役に回りチームを支えた。

 最高学年として今まで後輩たちを引っ張ってきた4年生。今年は上級生としてのプレッシャーからか結果を出せずに苦しんだ。しかし、気持ちを切り替えて最後までやり切ろうと奮起できたのは後輩が頑張っている姿に影響されたからだった。団体戦では3点以上を取らないと勝つことができないため、下級生の得点は必須。しかし「自分が勝てばというところで負けてしまうことがあった」(八幡)。団体戦を勝ち抜けない中、下級生は4年生とは別メニューでパワーアップを図る。その努力が実り、今大会では下級生の勝利が何度もチームを救った。その姿を見て4年生もチームとして勝ちたいという思いが芽生える。「悔いは残っていない」(東)。お互いが支えあい決勝トーナメントまで進んだ相撲人生最後の大会。たくさんの応援を受けながら最後まであきらめず戦い抜いた。

 

 悲願のインカレ優勝を後輩たちに託した。「来年後輩たちがもっと強くなるので期待していてください」(藤原)。決勝トーナメントに進出できたものの「目標はあくまで優勝」(小川総監督)。冬の期間にさらに力をつけ、インカレの土俵で再び学生相撲の頂点を目指す。

[伊藤理子]

試合後のコメント

小川総監督

――今大会を振り返っていかがですか。

 「いろいろな葛藤やぶつかり合いもありながら最後にみんなが一つになって戦えて、チーム力は大事だと感じました。もう東と藤原だけのチームではない。自分たちでもできる、誰でも稽古したらやった分は返ってくるとみんなが感じて、最後にみんなが一つになれて非常に嬉しいです。いいチームになったと思います」

守重監督

――ベスト8という結果をどのように評価していますか。

 「春の大会からメンバーが半分変わっている状況で一人一人が成長してくれて、本当は実力的に言えば12位に入れば良いぐらいのチームですが、ベスト8に入って入賞できたことは非常に良かったと思います」

藤原

――4年間振り返っていかがですか。

 「総監督や監督に迷惑をかけたこともあって、目標としていた優勝はできませんでしたけれど、自分では最後に恩返しができたと思います」

――藤原選手とは何を話しましたか。

 「一緒に4年間戦って切磋琢磨しながらやってきた仲なので、最後は負けましたけれど『悔いは残らなかったね』と2人で話しました」

佐藤

――来年の目標をお願いします。

 「インカレ優勝を目標に新しい1年生も入ってくるので、自分たちが中心になっていいチームをつくれればと思います」