“タイプが違うからこそ、認め合う” 小学校から同じ道場で稽古を積み重ねてきた兄・大起(4年)と弟・貴規(2年)。長谷川兄弟は常に同じ景色を見て歩んできた。大相撲の元小結・舞の海らを輩出した青森県の名門、木造高校を卒業し慶應義塾大学に進学。…

“タイプが違うからこそ、認め合う”

小学校から同じ道場で稽古を積み重ねてきた兄・大起(4年)と弟・貴規(2年)。長谷川兄弟は常に同じ景色を見て歩んできた。大相撲の元小結・舞の海らを輩出した青森県の名門、木造高校を卒業し慶應義塾大学に進学。大学の進路を考えた時に“自主性”を重んじる部の雰囲気がとても魅力的に見えた。「生徒自身が考える空気感がすごくあって、大学で相撲をやるならここしかない」兄の背中を追い、弟も入部を決めた。

兄・大起選手 創部100年目の部を牽引する

頭脳派の兄と肉体派の弟。

主将である兄・大起の“考える”相撲は大学で培われた。「なぜこの動きをしなくてはいけないのか、なぜ勝てないのか、何が足りないのかを常に考える」限られた稽古時間の中で強くなるために、できる限りのことを頭にインプットさせる。「自分の相撲は1回の試合で10秒取らない。下手したら1秒や2秒で決着することもある。その“一瞬”に今までのやってきた稽古を懸ける面白さがある」と理論で攻める。これが兄の相撲スタイルだ。

寮でも同部屋の2人、1日の大半を共に過ごす

一方弟の貴規は身長183cm、130kg。大学相撲界の中では恵まれた体格だ。「サイズが大きくてしっかり頭からいく人は、他にはなかなかいないので武器だと思っている」“前に出る力”が図抜けていると兄も認める才能。相撲をとる上で、互いの癖や仕上がりは他の誰よりも分かっている。調子が良い時も悪い時も瞬時に理解できることが兄弟の強さ。互いに切磋琢磨しながら稽古を積み重ね技術を磨いてきた。「最後はかっこ良い姿を見せたい」兄にとって大学生活最後の試合、集大成となる全日本学生選手権。最大の理解者と共に挑む最後の舞台に、全てをぶつける覚悟だ。

※大学アスリート1日密着動画「THE STARS」にて、長谷川兄弟を特集します。過去の「THE STARS」はこちら

長谷川大起・貴規(はせがわ ひろき・たかき)
青森県出身。
兄・大起1997年12月2日172cm125kg 弟・貴規1999年11月8日183cm135kg。            
共に木造高校を経て慶応義塾大学に進学。今年100周年となる慶應義塾体育会相撲部は6月の東日本学生相撲選手権大会で優勝し55年ぶりに1部昇格を果たした。