有終の美を飾った。4年生にとって最後の団体戦となった今大会。初戦から代表戦にもつれるなど熾烈な戦いが続く中、激戦を勝ち抜きベスト4進出を果たした。準決勝で優勝校・中大相手に敗れはしたものの1年生の活躍も見られ、新体制に明るい兆しをもたらす…

 有終の美を飾った。4年生にとって最後の団体戦となった今大会。初戦から代表戦にもつれるなど熾烈な戦いが続く中、激戦を勝ち抜きベスト4進出を果たした。準決勝で優勝校・中大相手に敗れはしたものの1年生の活躍も見られ、新体制に明るい兆しをもたらす結果となった。

◆10・27 第67回全日本学生優勝大会(千葉ポートアリーナ)

▼明大――ベスト4

 競り勝つ強さがあった。全日本の前しょう戦である関東学生優勝大会ではベスト4まで進み、今大会では上位進出も期待されていた明大。しかし初戦の香川大相手にまさかの苦戦を強いられる。「みんな入りが悪くてだらだらとした試合だった」(槌田祐勢主将・政経4=九州学院)。大将を務める槌田がピンチを救いなんとか勝利を収めたものの、決して幸先の良いスタートとは言えないものだった。

   試合後、コーチ陣からの激励を受けたメンバーは気持ちを引き締め直し第2回戦で強豪・法大に勝利。明大に追い風が吹き始める中、第3回戦の相手は昨年度の優勝大会で破れた大体大。初戦と同じく接戦にもつれこんだが、昨年度の試合経験から分析を重ねた明大が作戦勝ちを収めた。準決勝では中大に力及ばず破れたが、堂々のベスト4を飾った。

   今大会で4年生の出場は最後となったが、彼らが残した功績は大きい。「和気あいあいとした1年間だった」(梶谷彪雅・政経3=九州学院)。学年を超えてそれぞれに意見することができるようになったのは今年度から。今大会で優勝した中大のような強豪校は、コミュニケーションがとりやすくフレンドリーなチームとしても名高い。そうした姿勢を参考に、新体制では「どうしたら剣道を楽しくさせることができるのかを考えつつ、やる気のある下級生たちの底上げをできるようなチームにしたい」(梶谷)。4年生が改革した明大を、新たな世代がさらに強くしていく。

[前田彩貴]

試合後のコメント

槌田

――今後後輩に求めることは何ですか。

 「攻撃力として物足りない部分があるので、そこは一人一人が一本を取れるような選手になってほしいです」

山本雅人(政経4=麗澤瑞浪高校)

――初戦を振り返っていかがですか。

 「チームの雰囲気的にも気が抜けていたところがありましたが、槌田がなんとか踏ん張って勝ってくれたので良かったです」

――4年間を振り返っていかがですか。

 「練習もですが個人として練習以外のところでも頑張ってきました。全日本3位という結果を2回残せて、優勝はできませんでしたが近づくことはできました。自分は今後も剣道を続けていきますが、それにつながる4年間になったと思います」

梶谷

――大体大との試合はいかがでしたか。

 「気持ちを高めるというよりも具体的な話をしました。大体大は打たせないことを徹底させたり逆に大将戦に持ち込ませたりと、相手をイライラさせるのがうまいチームです。そこはキャプテンとも注意しようと話していました」

――中大に敗戦した率直なお気持ちはいかがでしたか。

 「もちろん悔しい気持ちはありました。でも落ち込むだけだと次の成長はないので、自分たちの代では今回の負けをどういう考えで持っていくのかをもっと話し合っていきたいと思います。悩んでいることがあったら先輩に話せるような代にしたいです」