東京六大学野球は現在第6週まで日程を消化し、慶大が開幕から無傷の8連勝で首位に立っている。手にした勝ち点は4。第8週に早大に勝利すれば、今春の明大に続く“完全優勝”だ。しかし、慶大が目指すものは単なる勝ち点奪取ではない。もっと大きな目標は、…

東京六大学野球は現在第6週まで日程を消化し、慶大が開幕から無傷の8連勝で首位に立っている。手にした勝ち点は4。第8週に早大に勝利すれば、今春の明大に続く“完全優勝”だ。しかし、慶大が目指すものは単なる勝ち点奪取ではない。もっと大きな目標は、彼らの足首に刻まれている。

試合の際に選手たちが履くストッキングには、2本の白いラインが入っている。1928年秋季リーグ戦、開幕から無傷の10連勝で初の全勝優勝を果たした慶大。当時の腰本寿監督の発案で、「全勝優勝をしたらストッキングに白線を加える」というルールができた。その後、1985年秋のリーグ戦で1分けを挟む全勝優勝を達成し、2本目の白線が入ったが、それ以降ストッキングのデザインは変わっていない。「ストッキングにもう一本ラインを入れる」。それは、単なる優勝以上に難易度が高く、慶大しかなし得ない目標だ。

今まで偉大な先輩たちが、あと一歩のところで宿敵・早大をはじめ強豪校の前に涙を飲んできた。東北楽天ゴールデンイーグルス3位指名・津留﨑大成投手、福岡ソフトバンクホークス5位指名・柳町達選手、そして中日ドラゴンズ4位指名・郡司裕也主将をはじめとする4年生は、有終の美を飾ることはできるのか。116年目の早慶戦で、その真価が問われる。