各ブロックの上位2校が集まる〝ファイナル4〟が幕を開けた。準決勝の相手はBリーグ2位の強敵・日体大。接戦が予想された一戦は先制点こそ取られたものの、その後は最少失点に抑え二桁得点での勝利となった。      …

 

 各ブロックの上位2校が集まる〝ファイナル4〟が幕を開けた。準決勝の相手はBリーグ2位の強敵・日体大。接戦が予想された一戦は先制点こそ取られたものの、その後は最少失点に抑え二桁得点での勝利となった。        

8・11~11・9 関東学生リーグ(富士通スタジアム川崎他)

10・20 準決勝 対日体大戦(駒沢オリンピック公園第一球技場)

 〇明大10{2―1、4―1、1―0、3―1}3日体大

 今試合はチーム力が光った。第2Q(クオーター)3分、ドローでペナルティを奪うと瞬く間に明大得意の攻撃パターンに。MF(ミットフィルダー)坂本季菜(農4=大和)が相手ディフェンスを引き付け、技ありのバックパス。AT(アタック)内野彩香(営2=所沢北)が厳しい態勢からも正確なシュートを決める。第2Q残り30秒では、G(ゴーリー)桃井美沙(農3=鶴嶺)からのロングパスが内野のスティックへ吸い込まれると、最後はMF岡田茉桜(政経2=熊谷女子)がノーディフェンスでネットを揺らす鮮やかな一撃。第2Qで一挙に4点を獲得し、6-2で前半を折り返す。その後第3、第4Qも攻撃の手を緩めることなく、7点という大差での勝利を遂げた。

 無念の敗戦を喫した学習院戦から驚異の修正力を見せた。前回、課題として浮き彫りになったのは“基礎力の向上”。ポジションから見直したというディフェンス、パスカットに至るまで練習で得たものを遺憾なく発揮した。なかでも第3Qは桃井の好セーブが連発。俊足の相手選手の独走を許し、一対一の局面を迎えるも「自分の構えるべきところでセーブすることに集中した」(桃井)と相手コースを読み切りセーブ。その後も守護神の桃井をはじめ、一人一人がプレッシャーをかけることで相手のペナルティを誘発。流れを一度も渡さず、3失点に抑えた。

 ゲームセットの笛とともに観客は総立ちとなった。下馬評では日体大の勝利を支持するものが多く、選手たちにもプレッシャーが押し寄せた。中には試合終了後、涙を流す選手もいた。「勝って井川ヘッドコーチを胴上げする」(平島千萌主将・営4=東京成徳)。関東制覇、そして悲願の日本一へ。まずは、昨年度王者・慶大を下した立大との決戦に備える。

[中村奈々]

(1)ドロー……各Qの最初や得失点後に行われる試合開始方法。

試合後のコメント

平島

――負けたら引退というプレッシャーからの緊張でしたか。

 「自分のラクロス人生の中で1番印象に残っている試合がファイナル4なので、その舞台に自分が立っている特別感がありました」

――結果的には圧勝でした。

 「全員が想定外だったとみんなが思っています。昨日自分たちが話した時には9―8で勝つというスコアでした。かなり点差が開いた印象です。自分たちが取れた点数に関しては、想定通りでしたが、ヨサ(桃井)が止めてくれて、ディフェンス陣が守り切ってくれていました」

桃井

――今日もナイスセーブが何度も出ました。

 「日体大の選手がやってくるシュートの動画を見ました。プレイヤーに同じようにやってもらって、それを想定したシュート練習をしていました」

――本日は誕生日だそうですね。

 「最高の誕生日プレゼントになりました」

岡田

――率直に今の感想をお願いします。

 「日体大が勝つと多くの人が思っていた状況下で、勝利をあげられてうれしいです。全ては今年度のスローガンのチャレンジで、部員は自分たちが必ず勝つと信じてやってきました。試合を通して、チャレンジし続けてフォローしあえたことが勝利をつかめたポイントです」

――日体大に向けての練習・戦略はどのような感じでしたか。

 「今年も強いと言われていて、足も速く、一人一人の基礎力が高いチームという印象でした。強みのチーム力で勝つことと個々がグラウンドボールなど一対一の局面で競り勝つことを目標としました。ミスはありましたが、基礎的なことに特化して練習してきたことで、しっかりフォローしあえて、まさにチーム力で勝てました」

――決勝に向けて一言お願いします。

 「相手がミスしたところの寄りや寄れているが取り切れないところ、パスキャッチミスの部分など個人技術の向上はもちろん、継続が必要です。加えて、部員一人一人の力をチームでどのように生かしていくか、基礎的なラクロス戦術の理解とそれをチームに徹底させることが大事になると思います」