世界一流コーチのメソッドで解消するアマチュアゴルファーの悩み(5)――バンカーショット編 若き日よりアメリカに渡った吉田洋一郎氏は、「世界ナンバー1のゴルフコーチ」とも称されるデビッド・レッドベター氏ら、およそ100名以上の一流インスト…

世界一流コーチのメソッドで解消する
アマチュアゴルファーの悩み(5)
――バンカーショット編


 若き日よりアメリカに渡った吉田洋一郎氏は、「世界ナンバー1のゴルフコーチ」とも称されるデビッド・レッドベター氏ら、およそ100名以上の一流インストラクターに最先端のゴルフ(レッスン)メソッドを学んできた。

 レッスンのプロが100人いれば、100通りの理論があるのがゴルフというスポーツ。本連載では世界のトップゴルファーが取り入れている技術、思考法、トレーニング法を、吉田氏が日本のアマチュアゴルファーのために特化して、伝授する――。


◆レッスン6:正しいバンカーショット(理論編)
バウンスをいかに滑らせるか。
ミスを恐れず、クラブをしっかりと振り抜く

 サンドウエッジ(SW)を使うバンカーショットは、基本的に2種類の打ち方に分けられます。柔らかい砂の場合と、硬い砂、もしくは目玉になってしまった場合のショットです。

 まず柔らかいバンカーからの脱出は、ボールが正対した体の中央より左にくるようにアドレスし、フェイスを開いて構えます。

 大事なポイントは、クラブの裏面にあるバウンスをうまく使って、いかにボールの下をくぐらせていくか、です。フェイスを閉じてしまうと、エッジが砂に突き刺さったり、砂にもぐりすぎてしまったりして、バウンス部分がうまく滑ってくれません。

 フェイスを開くことによって、リーディングエッジが右を向いてしまいますから、アマチュアの方は「右に出てしまわないか」と心配になるかもしれませんが、フェイスを開けば開くほど、バウンスは使えるのです。そこはイメージの持ちようで、ボールの下をバウンスが滑り、そこからさらに加速していくようなイメージを持ちましょう。

 アマチュアの方は、ボールとヘッドがダイレクトに当たってしまうホームランやトップを恐れるあまり、バンカーショットに苦手意識を持ってしまいがち。しかし、砂の上にあるボールを打つ場合、フェアウェーから同じクラブを使った時と比べて、おおよそ「飛距離は3分の1に落ちる」と言われています。ですから、SWの飛距離が通常60ヤードという方なら、バンカーから打った場合はフルショットしてもせいぜい20ヤードぐらいしか飛びません。

 トップは怖いかもしれませんが、しっかりクラブを振って、ヘッドを走らせることで、バウンスを滑らせましょう。ボールの下をヘッドがくぐったあと、ボールをクラブが追い越していくような形になれば、ヘッドが走っている証拠です。

 だいたい、ボールからボール1、2個分手前の位置にクラブを落としていきますが、初心者の頃は、なかなか思った所にクラブを打ち込むことはできません。

 世界的なインストラクターであるデビッド・レッドベターも、バンカーレッスンでは、ヘッドを打ち込む位置にラインを引いて、指導します。ですから、ラウンド前の練習時、バンカーが使えるようでしたら、打ち込む位置にラインを引いて、練習してみるのもいいかもしれません。

 また、ロブショットに近い打ち方ですので、バンカーが使えなくても、ロブショットの練習を練習用のマットでやっても、バンカー対策となります。

 一方、固い砂の場合や、目玉になってしまっている場合は、ボールを右足寄りに置き、フェイスは開かず、リーディングエッジから鋭角に打ち込むようにしてボールを出します。この場合、フォロースルーは必要ありません。というか、鋭角に打ち込むことができれば、自然とフォロースルーはとれなくなります。

 バンカーショットで大事なのは、とにかくトップやホームランといったミスを「恐れない」ということです。

◆レッスン6:正しいバンカーショット(実践編)
フェイスを開いて、
バウンスを滑らせる感覚を身につける

●柔らかいバンカーの場合




ハンドファーストに構えず、ボールは体の中央より左に。フェイスを開き、ボールの手前からSWのバウンスを滑らせていく。この時、「パン」という乾いた音がしたら、バウンスが使えている証拠だ。フォローでは左足が伸び上がるような意識を持つ。バウンスを滑らせる打ち方であれば、フェイス面でボールを捉えるわけではないので、いわゆる”ホームラン”も避けられる。SWだとせいぜい20ヤードしか飛ばない。微妙な距離感はフォローの大きさやボールとの距離で調整し、さらに距離を出したい場合は、AWやPWを手にしよう。

●フェイスは開いた状態をしっかりキープ


フェイスを開き、この状態をキープしたままバックスイング、ダウンスイングにつなげていく。ボールを打つことを意識せず、ソールを意識するように。

×

リーディングエッジが砂に刺さってしまえば、ボールは上がらず、距離も出ない。

●硬いバンカーや目玉になった場合


目玉の場合は、バウンスを滑らせる打ち方だと、ボールまでクラブが到達しないこともある。ボールを右足寄りに置き、ハンドファーストに構えて、クラブの刃から鋭角に「ドスン」と打ち込んでいく。すると、フォロースルーは自然ととれない。