激闘のシーズンに一区切りがついた。女子は昨年の6位から4位に向上。過去最高成績をたたき出した。対する男子は最下位で入替戦へ突入。筑波大と激闘を繰り広げるも、意地を見せつけ2部降格を回避した。男子 「王座をつかむため、1年間練習してきた」(…

 激闘のシーズンに一区切りがついた。女子は昨年の6位から4位に向上。過去最高成績をたたき出した。対する男子は最下位で入替戦へ突入。筑波大と激闘を繰り広げるも、意地を見せつけ2部降格を回避した。

男子

 「王座をつかむため、1年間練習してきた」(合戸廉太朗主将・法4=大分舞鶴)。その言葉通り、初戦の強豪・慶大とは4ー5と善戦。「すごい自信になった」(蓮見亮登・営3=東京学館浦安)。3年ぶりの王座へ。期待が大きく高まった瞬間だった。しかし「そんなに甘くはなかった」(上原監督)。早大戦でストレート負けを喫すると、続く亜大、中大戦ではともに3-6で敗退。結果、全敗で入替戦へ。1部校としての意地を懸けた戦いが始まった。入替戦の相手は2部で全勝するなど勢いのある筑波大。だが「絶対勝ちたかった」(市川雄大・営4=松商学園)。最後は思いの強さが勝り、5-3で勝利。接戦をものにし、1部残留をつかみ取った。 

(絶対に負けられない入替戦 円陣を組んで士気を高めた)

リーグ戦に出場した4年生のコメント

合戸主将

――引退試合を終えていかがですか。

 「僕は5歳からテニスやっているので、17年になるのですが長いようで短かったというか、短いようで長かったテニス人生でした。これだけ勝負に執着することはこれからの人生あまりないと思うので、それがなくなった時に自分がどうなるんだろうという気持ちです。楽しみであり、大丈夫かなって感じているところでもあります」

――入替戦までの一週間、どのような心境でお過ごしになられましたか。

 「この1週間、僕らが最終戦終わって6位で入替戦ってことが決まった時に、2部の最終戦はまだ終わっていなかったのですが、ほぼほぼ相手が筑波とわかっていたので、勝てるだろうかと夜眠れない日が1週間続いていました。終わった後、力が抜けたというかやっと終わった、とほっとして涙が出ました」

安増

――明大という環境についてはいかがですか。

 「ナイター設備は無いですが、その分寮の隣にすぐできる環境があるし明大に来る子もみんな向上心がある人たちなので、とてもいい環境だと思います」

――4年間で最も嬉しかったことは何でしょうか。

 「入替戦に勝つまでは、2年次の夏関ベスト4に入れたことだったんですけど、やはり夏関4よりも今回の入替戦で勝てたことが一番嬉しいですね。パートナーが合戸だということも嬉しかったです」

市川

――4年間を振り返っていかがですか。

 「1年生の時はテニスというよりは、寮生活で仕事に追われていました。テニスをする余裕はあまりなくて、最初の方は辞めたい時もありましたが、なんとか1年間を乗り切りました。2年目からテニスに集中できるようになって、リーグ戦に出させていただきました。2年生の時は全然勝てなくて、3年目になってようやく少し勝てるようになりました。2年から3年にかけてがテニス面では一番成長できたと感じてうれしかったです。4年目はやりきろうって思っていて、2試合くらい不甲斐ない試合をして悩んだり、入替戦も不安でした。でも、最後勝てて良かったです」

 

女子

 昨年とは一味違った。「今年が1番王座を狙えるチーム」(宮田みほ主将・文4=名経大高蔵)。初戦は13季連続王座を制覇している早大相手に3ー4と惜敗。続く筑波大との試合も落とすも、怒涛の巻き返しで連続で白星を獲得。シングルスでは4戦全て勝ち越し「チームが一丸となっている」(上原監督)状態で最終戦へ。慶大と王座をかけた勝負となった。だが「しぶとい相手でした」(竹本琴乃・国際4=高松北)。ダブルスでの全敗が響き、惜しくも2ー5で敗退。史上初の王座進出とはならなかった。それでも毎年の課題となっていた入替戦を回避。順位も4位と、過去最高記録を樹立。確かな成長を見せつけた。

        (慶大に一矢報い、笑顔を咲かせた)

リーグ戦に出場した4年生のコメント

宮田主将

――明大での4年間はいかがでしたか。

 「1年生の頃は、仕事であったり、テニスもそこまでうまくいかなかったり、しんどい時期が長かったです。2年、3年と過ごしてきて、4年の1番上になってやはり明大の主将として頑張りたい気持ちと王座にいきたい気持ちがあったので頑張れたと思います」

――後輩へ向けて最後にメッセージをお願いします。

 「1部に上がってからずっと王座にいくという目標を掲げていました。実際行ったこともないですし、届きそうだったこともなく未知でした。もちろん目標でしたが、本当にいけるのか私たちも分からなかったです。今回早大や筑波大に惜しくも負けて悔しかったですが、勝てると思えたと思うし山梨学大と亜大に勝って最後まで王座に届く位置にいたことでみんな『私たちもいけるんだ』って思えたと思います。それを忘れないでほしいです。3ー4で負ける悔しい思いはしてほしくないので、自信に変えて王座優勝に向けて頑張ってほしいです」

竹本琴

――今年のチームについてはいかがですか。

 「後輩との上下関係を守りつつ、仲が良くて何でも言い合えるチームをつくれたと思います。リーグ戦に入る前も特別なことはしていないです。ただ、みんなの体や気持ちの状況を聞きつつ練習をしました。そのためか練習時間にしっかり集中できていたので良かったです。全員が1つの目標に向かえていたことが団結できた1番の要因だと思います」

――最後に一言お願いします。

 「とても濃い4年間でした。あっという間だったなとは思えませんが、みほ(宮田主将)と一緒に乗り越えた4年間は財産で一生忘れることはありません。これを糧に今後頑張っていきます。実力のある頼もしい後輩たちばかりなので自信持って王座優勝に向けて頑張ってほしいです」

 「かけがえのない4年間でした」(宮田主将)。このリーグを機に4年生は引退。次の世代が中心となり明大を引っ張っていくことになる。そして「来年こそは王座へ」(合戸主将)。後輩たちに思いは託された。先輩たちが成し得なかった偉業へ向かって。明大の新たな歴史がスタートする。

[久野稜太]