関東大学リーグ戦(リーグ戦)第6節。ここまで1敗同士の中大との対戦を迎えた。互いに開幕4連勝の後、前節で中大は明大に、早大は東洋大に点差をつけられ黒星を喫した。この一戦での勝敗が順位変動をもたらす重要な戦いを制したのは早大。2点のリードを…

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第6節。ここまで1敗同士の中大との対戦を迎えた。互いに開幕4連勝の後、前節で中大は明大に、早大は東洋大に点差をつけられ黒星を喫した。この一戦での勝敗が順位変動をもたらす重要な戦いを制したのは早大。2点のリードを奪うと、1点を返されるもGK谷口嘉鷹(社4=東京・早実)の好守で中大にゴールを割らせなかった。2-1と上位校同士の接戦を制し、1敗を守った。

 「出だしは中央の動きが良くなかった」(FW青木孝史郎、スポ4=埼玉栄)というように、相手の動きは本来の実力からは遠かった序盤。一方の早大も「相手があまり足が動いていなかったときにこっちも合わせてしまった」(青木)とアグレッシブなプレーができず、スローテンポのまま試合が進んでいった。中盤、中大の立て続けのペナルティーにより絶好のチャンスを迎えるが、得点はならず。直後にパスミスから中大に決定的なチャンスを与えてしまうが、谷口の好守で先制は許さなかった。第1P(ピリオド)終盤、先制点を奪ったのはDF篠田純希(スポ3=北海道・苫小牧東)。自陣のゴール付近から左サイドを駆け上がり、パックをゴール前まで持ち込むと、そのままシュートを放ちネットを揺らした。シュート数も13-5と中大を大きく上回った第1P。「あそこでもう少し畳み掛けたかった」と内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)が振り返ったように、チャンスをモノにできない場面もあったがリードを奪い第2Pへ。


2点目のゴールを決めた前田

  第2P中盤、この日4試合ぶりにスタメンに名を連ねたFW前田悠佑(社3=東京・早実)が一閃。相手GKの肩口をすり抜けパックがネットに突き刺さった。強豪・中大から2点のリードを奪い、上々に試合運びとなる。しかし中大も中盤からギアチェンジ。幾度も危ないシュートが早大のゴールに襲いかかる。谷口の堅い守りで中大のゴールを阻むが、第2P終盤に中大の華麗な連携プレーでついに得点を許してしまう。2-1と接戦のまま運命の第3Pへ。試合は最後まで中大の猛攻が続くが谷口の奮闘もありそれ以上の得点を許さない。そして前回の東洋大戦で大量失点を許したDF陣も反省を生かし守りを徹底。ロースコアの接戦を勝ち切り、リーグ戦5勝目を挙げた。


谷口の好セーブがチームを救った

  8チームが2度の対戦をする全14試合の予選リーグ。次戦が予選リーグ1巡目の区切りとなる。6試合が終わったところで、1敗が明大、東洋大、早大の3校となっており、次戦で明大に黒星をつけることができれば上位校の中で一歩抜け出すこととなる。この日、接戦を制し1敗を守りながらも、まだまだ早大の目指すアグレッシブなプレーは体現できていないと選手たちは口をそろえた。次戦、今季は春に敗れた明大に対し、早稲田らしいホッケーを試合開始から最後まで貫くことができるか。リーグ戦1巡目は勝利で、締めくくりたい。

※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。

※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。

(記事 小林理沙子、写真 大貫潤太、山田流之介)

※( )内はシュート数

結果
早大ピリオド中大
1(13)1st0(5)
1(15)2nd1(13)
0(12)3rd0(17)
2(40)1(35)
得点経過
チーム時間ゴールアシスト1アシスト2PK/PP
早大19:14篠田
早大28:56前田務台木綿
中大39:25中村矢島宮本
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セットFWFWFWDFDF
澤出青木杉本篠田務台木綿生江小澤田大崎大塚
北村河田伊東住友吉野
前田冨田大石草島金井
GK谷口
コメント

内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)

――大きな1勝となりました

内容はともかく、勝ち点3を取れたことは大きかったです。2週間前に負けていて連敗はしたくなかったので。やっぱり優勝するチームは連敗してはいけないので、きょう勝てて良かったと思います。

――2週間試合がなかったですが、どのような点を強化してきましたか

試合間隔があったので、3連戦を終えてリフレッシュすることと、きょうの中央戦に向けてやらなければいけないことをやってきました。

――第1Pはかなりシュート数を抑えることができました

あそこでもう少し畳み掛けたかったですね。きょうは決して中央の動きが良かったと思わないので、そういう時にうちがもっと足を動かして、もう2、3本シュートを打ちたかったですね。

――パワープレーになかなか得点することができませんでした

相変わらずうちの課題ではあるんだけど、パスレシーブをもっと正確にやらないといけませんね。

――篠田選手の先制点はかなり大きかったと思います

そうですね。入ると思ってなかったんだけど、やっぱりシュートを打たなきゃだめだということの証明でしょうね。シュートを打たなければ何も始まりませんので。

――後半はかなり中央も攻めてきました

やはり2ピリ以降かなりギアが上がってきたと思うんですけど、本当はあの1点もやるべき1点ではなかったですけど、シュートは多かったので、もうちょっとしっかり決めて、もう少し楽に勝てなければいけないですね。

――前の試合に比べてDF陣の動きが良い印象を受けました

ずっと動きが悪くてそれはきつく言ったので、ある程度できてきたのかなと思いますけど、まだまだ昨年のレベルには達してないです。

FW青木孝史朗主将(スポ4=埼玉栄)

――大きな1勝となりました。試合を振り返ってみていかがですか

相手があまり足が動いていなかったときにこっちも合わせてしまい、アグレッシブなプレーができなかったことが反省点です。

――2週間試合がありませんでしたが、どのような点を強化してきましたか

中央は技術のある選手が多くいるので、こちらも技術で対抗するのではなくアグレッシブなプレーで対抗することを意識しました。

――出だしのプレーはどうでしたか

出だしは中央の動きが良くなかったのでチャンスが結構生まれていたが、こっちがもっと積極的なプレーを仕掛けていれば得点が生まれていたのではないかと思います。

――勝てた要因は何だと思いますか

キーパーの谷口嘉鷹に救われた部分が大きいと思います。また、一時的ではあったがアグレッシブな濃いプレーができた時間帯があったのが大きかったです。

――次は明大戦ですが、意気込みを聞かせて頂けますか

明大には春も負けていて昨年も優勝したチームで、技術のある選手が多いです。しっかり準備して早稲田らしいホッケーで必ず勝ちたいと思います。

GK谷口嘉鷹(社4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

結果的に勝てたから良かったですけど、内容としてはまだまだ早稲田はもっとできると思っていますし、目指しているホッケーにはまだ程遠いのかなと思います。

――中大の攻撃を1点に抑えました。自身のプレーを振り返っていかがですか

結果的に1失点に抑えられたのはもちろん自分が頑張ったのもありますが、それ以上にチームで東洋に負けてから2週間練習してきて、しっかり中央のプレーを意識して練習してきたので、そこはやっぱり練習の成果が出たという部分では、チーム全体としての勝ちなのかなと思います。

――DF陣の守りや連携はいかがでしたか

中央はやっぱりドロップ、落としてくるということは分かっていました。そこに対してディフェンスが今までは下がってしまうというのが課題だったので、それをまずは絶対無くそうということで、自分も後ろから下がらないように声を出しましたし、ディフェンス自身も意識的に守ってくれたので、上手く連携ができました。

――後半は谷口選手の好セーブが続きました。第3Pを振り返っていかがですか

いい試合で終わることはこれまでも何回もあったと思うんですけど、そこで勝ち切れるキーパーにならなきゃいけないですし、そこが自分の最後の仕事だと思うので、そこは今までとは特に変わったことはなく、今まで通り落ち着いてプレーしようと思います。

――次戦の相手は現時点で無敗の明大となります。最後に明大戦への意気込みをお願いします

春負けて明治には今年まだ勝っていないので、早稲田らしいホッケーを1ピリオドから最後まで貫いて必ず明治に勝てるように、この1週間いい準備をしていきたいと思います。

DF篠田純希(スポ3=北海道・苫小牧東)

――試合をふりかえってみていかがですか

立ち上がりは結構足が動いていなくて怒られることが多かったですけど、自分たちのホッケーが徐々にできるようになって、点が入ってからはみんな動けるようになっていきましたね。そこは改善していきたいところです。

――2週間試合がない中で、どのような点を強化してきましたか

東洋戦では大量失点してしまったので、相手がブレイクアウトしてくるときの守備を改善しました。また、早稲田ホッケーである足を動かすことを意識して練習してきました。

――DF陣の守りへの意識的な部分の変化もあったのですか

意識で言えば変わったといえると思うんですが、まだ2割くらいしか行動には移せていないと思います。なので残りの7、8割をどうしていくかが大切になってくると思います 。

――ご自身のゴールシーンをふりかえってみていかがですか

あのとき、とりあえずパックを(ゴール方向に)持っていこうとは考えていて、持っていったらサイドが開いていたので、あとは打つしかなかったですね。そうしたらゴールに入ったので、今後もそれを出せたらなと思います。

――次戦に向けて意気込みを教えて下さい

次戦は一周目の最後の試合になるので、締めくくりとして、自分たちのホッケーである足を動かし続けて、絶対に勝ちに行きたいと思います。