9月30日、東京六大学野球の秋季リーグ第3週3回戦が行われ、早大が小藤翼(4年・日大三)の走者一掃の決勝二塁打などにより4対1で勝利。開幕3連敗から連勝し今季初の勝ち点を挙げた。【状態が良い時は逆方向に打球が飛ぶという小藤。「左中間に引っ…

 9月30日、東京六大学野球の秋季リーグ第3週3回戦が行われ、早大が小藤翼(4年・日大三)の走者一掃の決勝二塁打などにより4対1で勝利。開幕3連敗から連勝し今季初の勝ち点を挙げた。

【状態が良い時は逆方向に打球が飛ぶという小藤。「左中間に引っ張る」というイメージで打てたのだという】

 早大は、明大のドラフト1位候補右腕・森下暢仁(4年・大分商)に対して、2回に加藤雅樹(4年・早稲田実)の安打からチャンスを作り瀧澤虎太朗(3年・山梨学院)の犠飛で先制に成功した。

 しかし、4回に捕手の小藤が打撃妨害とパスボールを続けてしまい、同点に追いつかれることとなった。それでも、挽回のチャンスが同点のまま進んだ9回表にやってきた。

 加藤の二塁打と四球、相手失策で生まれた二死満塁のチャンスで打席には小藤。捕手をしている勘から森下の表情を見て「ストレートが来る」と確信。追い込まれてはいたがヤマを張った。すると外角からやや真ん中寄りに狙い通りのストレートが来て、迷わずバットを振り抜くと、打球はショートの頭上を超えると左中間を転々。走者一掃となる決勝打を放ち、小藤は二塁ベース上でガッツポーズを見せた。

 小藤は「ミスした瞬間は頭が真っ白になりました。でもベンチに戻るとチームのみんなが声をかけてくれて切り替えることができました」と仲間に感謝した。

 プロ志望届を提出しており、どうしてもドラフト会議を意識してしまうことはあるというが、「思いきってやろうと吹っ切れています」と語る。この4年生はまだリーグ優勝を果たせていないだけに、まずはその大きな目標に向かって攻守で牽引を続けていきたいところだ。

 一方、明大は森下が踏ん張りきれずに痛い敗戦となった。味方のミスが失点に絡むこととなったが「誰がミスしてもカバーしないといけない。あそこで打たれてしまってはまだまだです」と言い訳せず、悔しそうに試合を振り返っていた。

【降板後はすぐにベンチの最前列で味方を鼓舞した森下だったが敗戦。試合後は悔しさを見せながらも「首位を走る法政大から勝ち点を取りきりたい」と次週に向けて前を向いた】

■早稲田大vs明治大3回戦
早大 010 000 003=4
明大 000 100 000=1
【早】西垣、○早川-小藤
【明】●森下、入江-西野、蓑尾

◎早大・小宮山悟監督
「5回のチャンスで打席に投手・早川という場面で、私が欲張ってしまい強攻でゲッツーになってしまったので、試合中に選手たちに申し訳ないと頭を下げました。ミスを帳消しにしてくれた選手たちに感謝です」

◎早大・小藤翼(4年・日大三)
「同点にされたのも自分のミスでしたし、チャンスでも凡退していたので、しっかりと自分のスイングで振り抜こうと考えて、理想的な打撃ができました。この勝ち点は大きいと思います」

【二塁に到達しガッツポーズをする小藤】

文・写真=高木遊