世界一流コーチのメソッドで解消するアマチュアゴルファーの悩み(3)--パター編(前編) 若き日よりアメリカに渡った吉田洋一郎氏は、「世界ナンバー1のゴルフコーチ」とも称されるデビッド・レッドベター氏ら、およそ100名以上の一流インストラクタ…

世界一流コーチのメソッドで解消する
アマチュアゴルファーの悩み(3)
--パター編(前編)

 若き日よりアメリカに渡った吉田洋一郎氏は、「世界ナンバー1のゴルフコーチ」とも称されるデビッド・レッドベター氏ら、およそ100名以上の一流インストラクターに最先端のゴルフ(レッスン)メソッドを学んできた。

 レッスンのプロが100人いれば、100通りの理論があるのが、ゴルフというスポーツ。本連載では世界のトップゴルファーが取り入れている技術、思考法、トレーニング法を、吉田氏が日本のアマチュアゴルファーのために特化して、伝授する--。

◆レッスン4:パッティングの心得(理論編)
5~6mの距離は入れにいかない。
曲がりよりも距離感を大事に!

 200ヤード以上の距離を稼ぐドライバーショットも、数mの距離を打つパッティングも同じ一打です。ただ、初心者のうちはどうしても、ショットにばかり気を取られて、パターの練習を蔑(ないがし)ろにしがちです。

 ドライバーやアイアンなどと違って、打ちっ放しの練習場ではパターの練習はなかなかできません。だからこそ、ラウンド前の練習グリーンには必ず足を運ぶべきですし、そのコースの特徴をつかむべきです。

 まずパターの心得として、5~6mの距離を「入れにいこう」という発想を抱かないことです。入れにいって入る距離というのは、アマチュアの場合、せいぜい2m以内です。5mの距離にパーオンして、「よし、チャンスだ!」と気負って攻めてしまい、大ケガしてしまうアマチュアゴルファーは多いです。

 ですから、「2パットでOK」の心持ちで、ファーストパットをカップから1m以内に収めることを第一に心がけるべきです。

 ボールのスピードに関して、練習場でまず、ボールを手で転がしてみるのがいいでしょう。ボールの軌道は、加速し、その勢いがしばらく続き、そして減速(して停止する)という三段階があります。

 多くのゴルファーがカップに入る時のスピードしかイメージしないのではないでしょうか。どれぐらいの勢いで加速し、いかに転がって、どこに停止するのか。その三段階を意識すべきです。

 2パットを前提に考え、「2打目をどこから打つか」を念頭に入れておくことも大事。曲がり幅が大きくなるため、上りよりも下りのほうが入りにくくなります。返しが下りになるのであれば、手前に”刻む”ことを考えてもいいでしょう。下りの1mよりも、上りの2mです。

 そして、最初のうちは、横の曲がりは無視しましょう。縦の距離がどうなっているかだけ、を考える。(狙った方向に打てたと仮定した場合)左右のズレというのは、よほどのアンジュレーションがない限り、2mや3mもズレることはありません。

 つまり、距離感こそ、パッティングで最も大事な要素なのです。

 ボールと目標となるカップまで、ボールがどれぐらいのスピードで転がっていけばいいのか--それを考え、次に素振りで振り幅を調整する。その時、カップとボールの延長線上に立ち、必ずカップに正対して素振りをします。

 というのも、目標と両目を正対させると、距離を把握しやすいのです。片山晋呉プロや石川遼プロも、必ずパッティングの前にカップに正対して素振りしています。横に構えると、距離感が混乱します。投手がボールを投げる動作に入る時に、必ず捕手に正対しますよね。それと同じです。

 ラウンド前の練習場で、振り幅と歩測した距離によって、基準を作ってコースに出ていくゴルファーも多いのではないでしょうか。私はそういった基準を作るよりも、イメージのほうが大事だと思います。

 グリーンの形状が変われば、振り幅はまったく変わってきます。大事なのは、イメージと、実際のボールの動きを近づけることです。

◆レッスン4:パッティングの心得(実践編)
確認作業をきちんとして、
最も重要な距離感をつかもう

●ボールを手で転がしてスピードと距離感をつかむ


グリーンのスピードと距離感をつかむためには、練習場ではボールを手で転がしてみるのも効果的。その日のグリーンの速さも体感できるため、コースに出た時の混乱を避けられる。

●あらゆる方向からグリーンの形状を確認すべし


グリーンオンしたら、ボールをマークする前に、横からラインを確認し、上りか下りか(高低差)を見極める。その次にラインを。ボールとカップを結んだその延長線上から確認することも忘れずに。

●素振りはカップに正対して行なう


初心者はどうしてもフックか、スライスかといったラインばかりを意識してしまいがちだが、パッティングで重要なのは距離感。それを把握するためにも、素振りはボールとカップに正対しながら行なう。距離感を意識して、「2パットでOK」の心持ちで振り幅を決定すれば、3パット、4パットを避けられる。