先日、欧州選抜と世界選抜が対戦する男子団体戦である「レーバー・カップ」(スイス・ジュネーブ/9月20日~22日)で、ニック・キリオス(オーストラリア)に6‐7(5)、7‐5、10‐7のフルセッ…

先日、欧州選抜と世界選抜が対戦する男子団体戦である「レーバー・カップ」(スイス・ジュネーブ/9月20日~22日)で、ニック・キリオス(オーストラリア)に6‐7(5)、7‐5、10‐7のフルセットで勝利したロジャー・フェデラー(スイス)。

逆転して勝利を収めることができた理由は、ナダルのアドバイスだったと語った。「今日の試合では、ナダルが僕を救ってくれたよ。これこそが、彼が真の王者であることの理由だと思う。彼は勝つためには、戦術を変えることも恐れていない。そして、積み重ねた努力を、心から信じているんだ」

「僕も同じようなことをするから、彼のアドバイスを聞くのはとても嬉しかったよ。しかも、試合中に聞けたというのが格別だったね。彼は、問題を見つけて、その解決方法を探ることにすごく長けているんだ。どうやって乗り越えるべきかってことが分かるんだよ。彼とダブルスを組んだ時に、そんな彼の洞察力に驚かされたんだ。彼は、常に勝つための新しい方法や、どのようにいいプレーをキープしていくか探っているんだよ」

「僕がナダルと一緒にいて楽しいのは、僕らの考え方がとても似ているからなんだ。皆さんがご存知のように、ラリーでの彼のポイントの取り方は本当に素晴らしい。彼は、どれくらいだとやりすぎで、どれくらいが十分なのかという加減を理解しているんだよ」

「もし僕が、もっと前に引退していたら、今日のような気持を味わうことはできなかった。正直、今日の試合中に鳥肌が立ったんだ。こんなことはそうそう起こらない。自分の国で、経験することができて本当に幸せだよ」

欧州選抜チームで、彼らと共に戦ったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はインタビューで、「ナダルのベンチでのエネルギーは、誰よりもすごかった。僕の試合中なのに、彼は、まるで自分が試合をしているかのようだった。あの気迫に、ものすごく勇気付けられたよ」とコメント。

ズベレフは、欧州選抜チームの勝利を決めた、ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)との最終戦の後、「ナダルとフェデラーが、この試合が今季の僕を変えるものになるから、もっともっと本気を出してぶつかれと言ってくれた。ここ最近、僅差での負けが続いていたけれど、今回勝ったことで乗り越えられたように思う。すごく嬉しいよ」とも話しており、普段はライバルである選手たちがお互いを助け合う、団体戦らしい心温まるエピソードを明かした。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「レーバーカップ」でのナダルとフェデラー

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for Laver Cup)