今季初のお立ち台となった大瀬良は「やっぱり最高です」とマツダスタジアムの大歓声に応えた。■2点追う8回に無失点救援で勝利への流れを引き寄せる 広島の大瀬良大地が、19日のヤクルト戦で2点ビハインドの8回に登板し、打者3人から2三振を奪うなど…

今季初のお立ち台となった大瀬良は「やっぱり最高です」とマツダスタジアムの大歓声に応えた。

■2点追う8回に無失点救援で勝利への流れを引き寄せる

 広島の大瀬良大地が、19日のヤクルト戦で2点ビハインドの8回に登板し、打者3人から2三振を奪うなど、3者凡退の好投を見せた。直後に味方打線が逆転したため、大瀬良に今季2つ目の勝ち星が付いた。今季初のお立ち台となった大瀬良は「やっぱり最高です」とマツダスタジアムの大歓声に応えた。

「なんとか3人で切って、いい流れで野手に打席に入ってもらいたかった」という大瀬良は、先頭のバレンティンをサードゴロに打ち取った後、今浪、谷内から連続三振で、その後の逆転劇につなげた。先頭の鈴木が本塁打で1点差とし、「あれで雰囲気が変わったと思う。今の打線なら、逆転もあると思った」という大瀬良の言葉通り、チームは2死から見事な逆転劇を見せた。

 今季は右ひじの故障で出遅れ、7月に先発として1軍昇格を果たしたが、結果が出ず1試合で2軍落ち。チーム事情から、今度はリリーフとして8月12日に再登録された後、リリーフとして2勝目を挙げた。「やはり勝ちが付くとうれしい」という大瀬良だが、「ただ、今のポジションでは勝ち星よりも、勝つ流れを作ることが大事。今日はそれができたと思う」と喜んだ。

■「結果を出せば、よりいい場面で投げさせることも…」と指揮官の信頼増す

 前半戦は2軍暮らしが続いていたが、その間にチームは快進撃を見せた。「テレビで調子のいいチームを見て、うれしかったけど、やっぱり忸怩たる思いがあった」と苦闘の日々を思い返し、「やっぱり優勝する時は、その輪の中にいたい」と前を向いた大瀬良。「帰ってきてからのこの時間は、プロ野球選手として本当に幸せなこと」と、感慨深そうに話した。

 緒方監督は「大瀬良はああいったポジションで結果を出せば、よりいい場面で投げさせることも考えている。そうなれば後ろも厚くなるし、チームにとっては大きい」と、昨季後半戦にセットアッパーとしてフル回転した右腕に期待した。故障者が出ても、2軍から昇格した選手が結果を出す現在のカープ。最短で21日となるマジック点灯、さらに25年ぶりの悲願達成は、日に日に現実的なものになっている。

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo