◆設楽悠太(27)=ホンダ=

 東京五輪代表選考会のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が15日、東京・神宮外苑前発着で行われる。代表3枠中2人が決定する大一番を前に、スポーツ報知では有力選手を紹介。タスキをつないで成長し、世界へと駆ける代表候補に迫る。

 双子の絆を力に変える。悠太は北海道での夏合宿を双子の兄・啓太(日立物流)と敢行。「練習パートナーを買って出てくれた。MGCは2人で勝ちに行くつもりで走る」。埼玉・男衾(おぶすま)小5年から東洋大までの12年間を一緒に走り続けた2人がタッグを組み、質の高い練習を積み上げた。

 チームの主力として箱根駅伝で2度の総合優勝に貢献したが、1年時は2位に終わり悔し涙を流した。以降は啓太とともに学生長距離界を引っ張る存在に。「酒井(俊幸)監督が『世界へ』という意識づけをしてくれた。東洋大らしい攻めの走りも今に生きている」と鉄紺の4年間を糧に飛躍した。

 今でこそ記録では悠太が上だが、東洋大時代までは啓太が兄の貫禄をみせていた。「学生の時は『超えてやろう』と思う余裕すらなかった。背中を追いかけるだけでいっぱいいっぱい」と振り返る。18年2月の東京マラソンで日本記録(当時)を樹立した後も「この記録を塗り替えられるのは大迫君(傑、ナイキ)と啓太」ときっぱり。誰よりも兄の強さを知り、全幅の信頼を置く。

 29日のベルリン・マラソンに挑む啓太は「悠太ほどの高い集中力や気持ちの切り替えは他の日本人にはできない。必ず2位以内に入ってくれるので、安心している」と太鼓判を押す。大迫とマラソン初対決となる悠太は「彼との差が縮んだことを実感している。もちろん優勝を狙う」。大迫は18年10月のシカゴ・マラソンで日本新記録(2時間5分50秒)をマークし最速の座こそ譲ったが、勝って最強の称号を手に入れる。(太田 涼)

 ◆設楽 悠太(したら・ゆうた)1991年12月18日、埼玉・寄居町生まれ。27歳。双子の兄・啓太とともに男衾小5年から陸上を始める。2010年、武蔵越生高から東洋大経済学部に進学。箱根駅伝では1年時に3区8位、2年時7区区間賞、3、4年時3区区間賞。18年東京マラソンで2時間6分11秒をマークし、16年ぶりに日本記録を更新(当時)。174センチ、48キロ。家族は両親と姉、兄。