東日本大学選手権大会(東日本インカレ)で青学大に敗北してからおよそ2か月。ついに秋季関東大学リーグ戦が開幕した。奇しくも初戦の相手は青学大。一度はストレート負けした相手に早大は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)王者としての貫禄を遺憾なく…

 東日本大学選手権大会(東日本インカレ)で青学大に敗北してからおよそ2か月。ついに秋季関東大学リーグ戦が開幕した。奇しくも初戦の相手は青学大。一度はストレート負けした相手に早大は春季関東大学リーグ戦(春季リーグ戦)王者としての貫禄を遺憾なく発揮した。「初戦としては満点」(堀江友裕主将、スポ4=和歌山・開智)の試合運びを見せつけセットカウント3-0(25-17、25-11、25-18)でストレート勝利。東日本インカレの借りを返した結果となった。

 守備でチームに貢献していたレフト村本涼平(法4=京都・洛南)が欠場する中その穴を吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)が埋めて挑んだ初戦。先制点は長いラリーの末スパイクを決めた青学大のものに。続いて点を決められるも大塚達宣(スポ1=京都・洛南)、宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)のストレートのスパイクが相次いで決まり同点。4-6から徐々に早大ペースになっていく。大塚のパイプ、村山豪(スポ3=東京・駿台学園)のブロックを含む4連続得点など連続得点を重ね18-13。その後も青学大コートの隙間を縫う村山のクイックなどが決まり25-17で危なげなくセットを先取した。第2セットは大塚のブロックアウトを誘うクロススパイクで幕が上がった。4-4から早大の猛攻が開始。第1セット同様に宮浦、大塚のスパイク、武藤鉄也副将(スポ4=東京・東亜学園)のクイックなどで得点を重ねていく。13-7で青学大が2度目のタイムアウトを取るも早大の勢いは止まらない。15-9から「自分の気持ち良いプレーが出来た」と振り返る吉田がこの試合初めての得点をスパイクで決めると早大陣営は大盛り上がり。宮浦のサーブミスで青学大に1点献上するものの直後に7連続得点を獲得した。1点返されるも最後は青学大のサーブミスで25点目。第2セットも連取した。

スタメン初出場ながらチームに貢献した吉田

 迎えた最終セット。立ち上がりは青学大のフェイントに翻弄(ほんろう)されるなどしてなかなか点差を広げることができない。しかし1,2セット同様、試合の主導権は早大が握ったまま。13-10の場面では堀江のスーパーレシーブから吉田がトスを上げ大塚がクロススパイクを決めた。武藤がフェイントを青学コートの死角に落とし22点目を決める。すると積極的に早大は選手を入れ替えていく。セッター中村駿介(スポ3=大阪・大塚)に代わり仲濱陽介(スポ2=愛知・星城)。武藤に代わり上條レイモンド(スポ2=千葉・習志野)。リベロで宇野耕平(スポ4=愛知・星城)、吉田に代わり重藤トビアス赳(スポ1=神奈川・荏田)がそれぞれ起用された。途中出場した選手がさらにチームの雰囲気を上げこのままテンポよく25-18で勝利。あす以降の試合に弾みをつけた。


きょうも大塚の迫力あるプレーで観客は魅了された

 大塚がこの試合を「春優勝したチームとしてのプレーを会場にいる人には見せられた」と振り返るようにきょうの試合は雰囲気、プレーで終始青学を圧倒し続けた早大。 関東一部リーグの強豪校といえる明大、東海大などがきょうの初戦で苦戦していた中で早大は硬さを感じさせない笑顔で勝利をつかんだ。5季連続のリーグ戦優勝を目指して。初戦から春季リーグ戦王者としての貫禄を見せた早大はこれからどのような戦いをしていくのだろうか。

(記事 萩原怜那 写真 新井万里奈、西山綾乃、橋口遼太郎)

セットカウント
早大25-17
25-11
25-18
青学大
スタメン
レフト 吉田悠眞(スポ2=京都・洛南)
レフト 大塚達宣(スポ1=京都・洛南)
センター 武藤鉄也(スポ4=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ3=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)
セッター 中村駿介(スポ3=大阪・大塚)
リベロ 堀江友裕(スポ4=和歌山・開智)
コメント

堀江友裕主将(スポ4=和歌山・開智)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは初戦でしたし、東日本(大学選手権大会)で負けている相手だったので、僕自身どういった立ち振る舞いをしてよいかわからず緊張してしまっていた部分はありました。でもみんなに助けてもらいながら開幕戦にしては満点ぐらいの出来だったのかなと思います。

――青学大と対戦ということで何か試合前に意識はしましたか

意識はしないべきだと思うのですがいい思いがないので意識はしていました。きょうの前の試合がフルセットフルセットで長引いていたので早く試合始まってくれとも正直思っていました。

――村本涼平(法4=京都・洛南)選手が欠場ということでしたがそれについてはいかがですか

守備の面で彼の貢献はとても大きいので僕はその分上級生として具体的に言えばきょうはあまりよくなかったですがレセプションの範囲など、明確に後輩をカバーする役割ができたと思っています。そこは彼がいつ戻ってくるかわからない中で僕自身とチームのスキルアップにもなることだと思うのでチームとして穴は大きいですが全然問題ないと思います。

――最後に秋季リーグ戦での意気込みをお願いします。

長丁場の戦いで、全カレ(全日本大学選手権大会)に向けた最終段階になると思うのできょう出た吉田(悠眞、スポ2=京都・洛南)とかもすごく活躍していてチームとして雰囲気として上ががっていると思っています。なのでそれを継続しつつまあどこかで落ちることはあると思いますしその時でも「誰が出ても強い」ということはきょうのプレーとかを見たらわかると思うので目標を見失わずにやっていけたらいいなと思います。

宮浦健人(スポ3=熊本・鎮西)

――きょうの試合を振り返ってください

とりあえず開幕戦ということで厳しい試合になると思って臨んで、結果として勝てたことは本当に良かったと思います。

――ご自身のプレー、試合内容を振り返るといかかですか

きょうは相手のブロックが低いので高い通過点を意識して打ったのですが、それができたことは良かったと思います。

――夏休みにアンダー世代の代表であったり、ユニバーシアードに出場なさったりもありましたが、自身の成長や成果はどのような部分であると感じられましたか

世界の高さと戦ってきて、自分自身もちょっとした工夫であったりという部分も成長できたと思いますし、自分の意識の中でもまだまだ足りないな、というところがいっぱいあったのでそこもいい収穫だったかなと思います。

――すぐに次の試合がやってきますが、あすの試合への意気込みを聞かせてください

あすも厳しい試合になると思うのですが、フルセットであっても勝てるような試合にするために、きょう準備、対策等をやっていきたいなと思います。

吉田 悠眞(スポ2=京都・洛南)

――今日の試合を振り返って頂けますか。

村本(涼平、法4=京都・洛南)さんが怪我をして自分が入るということで、初めてリーグでスタメンで出るというので緊張していたんですけど、先輩とかに良い感じで鼓舞してもらいながら、自分の気持ち良いプレーが出来たので、今日の結果としては良かったと思います。

――ご自身のプレーを振り返って頂けますか。

僕自身はやっぱりスパイクとかで目立つとかいうよりも、レシーブとかで支えるっていう所がメインのポジションなので、そこを意識してやっていたんですけど、ちょっと乱れる場面があったので、そういう所はまた修正してやっていければ良いかな、と思いました。

――夏休み中に特に力を入れていた練習はありますか。

サーブレシーブですね。ずっとやって、合宿中とかも、企業さんのサーブが強くて全然返らなかったんですけど、それでも頑張って練習して、今日はちょっと良い感じで返せたものもあったので良かったと思います。

――明日への意気込みをお願いします。

今日は調子が良かったので、これで満足せずに、明日またいい感じに緊張してやっていければいいかなと思います。

大塚達宣(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

きょうは秋リーグ(秋季大学リーグ戦)の初戦ということで、初戦はチームとしても入りが難しいというのがあったので、大事にはなってくるなと思いました。なので春リーグは入ってすぐで少し緊張して自分の思うようなプレーができなかったことが多かったです。でも秋はこのチームで半年やらせてもらって、今まで積み重ねてきた経験がすごく自信になったので、自分がしたいプレーができました。そこについては春に比べると良くなったんじゃないかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていただいてもいいですか

自分の対角にいる4年生の村本(涼平、法4=京都・洛南)さんがケガをして今試合に出られないという状況の中で、2年生の吉田(悠眞、スポ2=京都・洛南)さんが入ってくれていますが。今年のチームになってもう一人のアウトサイドヒッターとしてずっと試合には出させてもらっていました。1年生ではありますが、自分はそのポジションであるからこそチームを引っ張らないといけない存在だと思っています。コートに入っているからにはそれくらいの強い自覚を持ってプレーしていました。スパイク面ではもちろんなんですけれどレシーブ面も自分のポジションは重要になってきます。きょうは攻守共に安定したプレーができたと思います。

――サーブカットの調子が良い印象を受けたのですが、何か対策をされましたか

サーブカットは村本さんが入ってくれているときはカバーしてもらうことが多かったのですが、今のこのチームになってサーブカットしてからスパイクに入るので、普通に打つだけよりも難しいです。この夏ずっと練習してきたので、きょうはレシーブの質も良かったですし、そこからの攻撃もスムーズに入れました。夏練習した成果を出せたと思いますが、まだまだ精度を上げられると思います。リベロの堀江(友裕、スポ4=和歌山・開智)さんを中心にコミュニケーションをとって、もっと精度の高いバレーをできるようにしていけたらいいと思います。

――打点の方はご自身でどのように受け止められていますか

この夏自分の中でもしっくりきていない時期があって、セッターとの関係とかちょっと合っていない部分があったのですが、バックアタックはきょう全部決められました。夏U23でチームを離れて、帰ってきたときにチームと少し合わない部分もあったりして悩んだ時期もありました。けれどこの秋リーグに合わせて自分に合った形で打てるようになったと思います。そういう打ちやすいトスをセッターも上げてくれています。

――先日負けた青学大との試合でしたが、印象はいかがでしたか

この前の負けを気にするなと言われても気にしてしまう部分があるし、絶対に落としてはいけない1戦だとは思っていました。点数で見たら圧倒的だったので、言い方は悪いですが、相手を叩き落したと言いますか。春優勝したチームとしてのプレーを会場にいる人には見せられたと思います。この試合をきっかけにあと10戦あるのでここからまた調子を上げていきたいと思います。

――青学戦で意識したことはありますか

特にはありませんが、自分たちがやるべきことをやろうと話していました。青学のアウトサイドヒッターにも同い年の人がいたので、同じポジションで同じ学年の人には負けたくないという気持ちはありました。高校時代から練習試合とかもよくしていて仲も良くて。同じ学年で同じポジションの人には負けたくないというライバル意識みたいなものはありました。

――次戦に向けての意気込みをお願いします

あした東京学芸大との試合になりますが、東海大とフルセットで試合をしていて勢いに乗っているチームだと思いますし、春の結果が下位のチームということで、上位のチームに立ち向かってくると思います。それを受けてたつのではなく、跳ね返せるように頑張りたいと思います。