「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)大会9日目、男子シングルス準々決勝。第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)が世界78位のグリゴー…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)大会9日目、男子シングルス準々決勝。

第3シードのロジャー・フェデラー(スイス)が世界78位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦。フェデラーは6-3、4-6、6-3、4-6、2-6で敗れ、ベスト4進出はならなかった。

敗者フェデラーは、試合後の記者会見で以下のように話した。

今回メディカルタイムアウトを要求されていましたが、何が問題だったのでしょうか?

「背中からクビに掛けて治療が必要だったんだ。固かったから、少しマッサージしてもらって良くなるか様子を見たんだ」

「ま、今はディミトロフに注目するべきで、僕の体のことは気にしなくていいことさ」

今回の試合でまずいと思ったのはどの辺りですか?

「負けているときは、とにかく気分が良くない。リードしていると感じていた場面もいくつかあったけれど。4セット目に、巻き返すチャンスはあったけれど、理想的な始め方ができなかった。5セット目も同じ展開だった。後れをとっていると感じたのがつらかったよ」

今大会前に肉体的には調子が良いと仰ってました。今回の背中の不調はどの時点で始まったのでしょうか?

「今日の午後に少し感じたけれど、それくらいかな。プレーも出来たし、問題ないよ。仕方がないことさ。ベストは尽くした。棄権するほどの問題でも、なんでもない」

「今日はディミトロフにやられたよ。やれることはやった。それだけさ。仕方がない」

今日のディミトロフは何が難しかったのでしょうか?特に彼のリターンはどうでしたか?

「彼はベースラインでは本当にタフだった。いろいろなショットを織り交ぜてきたので、リズムを崩されてしまった。ベースラインではとにかく安定してプレーできなくなってしまった」

「今までは、自分がそういったプレーで主導権を握っていたのに、今晩はそれをできなかったんだ。彼はとてもいいプレーをしたよ」

過去7戦の対戦では、あなたはディミトロフに対して余裕のあるプレーしていたように思われますが、今日彼がとった戦略で驚きなどはありましたか?

「驚きはない。何度も対戦しているし、ディミトロフだから何かしら仕掛けてくるだろうと、心の準備はしていたつもりさ」

「以前から彼はベースラインの奥深くからリターンしたり、逆に中に入ってくることもあれば、ゆるくスライスを返したり、トップスピンで逆襲してくることもあった。色々な武器を持った選手なんだ。今日の試合では、そのすべてを効果的に使ってきた。今日の彼のプレーは素晴らしかったよ」

まだ試合が終わったばかりではありますが、今年後半はどの様な予定でしょうか?どの大会に出るつもりですか?また休息を取る必要はありますか?

「全体的には、未定だけれど、多分レーバーカップ、上海、バーゼル、もしかしたら、パリ、ロンドンじゃないかな。チームとは考えが違うかもしれないけれどね」

「少し休んでから練習に戻って、分析をしたら、そこからまた頑張るよ」

今大会、早いラウンドでの失セットがいくつかありました。大会が終わった今、どのくらい残念に思っていますか?

「それほどでもないよ。ただ、終わってしまっことは残念だね。厳しいスタートではあったけれど、やっといいプレーができ始めていたから」

「リードしていて、勝ち残ったら2日間は休めると思っていたのに、勝てるチャンスを逃してしまった」

「でも、この敗戦は受け入れる。負けることも、テニスの一部だと思ってるよ。家族達と過ごせることが楽しみだし、人生悪くはないよ」

セットカウント2-1でリードしていた時、サーブに不安はありましたか?その時はリードしていると感じていましたか?

「2-1だったからね、あの時はうれしかったよ(笑)」

肉体的にも?

「肉体的に違和感はあったけれど、プレーに影響はなかった。勝てなかったのが悔しいけれどね」

あなたの年齢で、これからもこの規模の大会で、勝ち続けられると思いますか?

「それはこれから勝ち続くチャンスが増えるかという意味?」

38歳でグランドスラムを優勝するという意味です。

「占い師じゃないからね。あなたはどう思う?」

分かりません。

「そういうことさ。誰も分からない。もちろん勝ち続けたいさ。今季だって、いいシーズンだと思っている。今はがっかりしているけれど、また立ち直るよ。大丈夫だと思う」

BIG3の内、2人がいないグランドスラムの準決勝と決勝は、今季初めてのことです。このことはテニス界においてどのような意味を持つと思われますか?

「特に意味は無いと思うよ」

「ウィンブルドン」での敗退は、だいぶ応えたことと思います。今晩、あの時に負けた気持ちが蘇りましたか?あのような負け方は思ったよりも、心に残るという声もありますが。

「いや、考えはしなかった。前に進むだけだからね。終わったことは、もう過去のことだ。いい準決勝を戦ったのは覚えている。だから悪い思い出ではない。それよりも、今回の大会で15~20セットもプレーしてこられたことへの満足感のほうが大きいよ」

「いろいろな人たちが深読みして、あることないこと考えるかもしれないけれど、僕は今日の試合に臨む準備はできていたし、ベストは尽くした。ただ、勝つには足りなかったんだ」

勝利したディミトロフは準決勝で、第5シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)と対戦する。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全米オープン」でのフェデラー

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)