「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の大会7日目、男子シングルス4回戦。ダニール・メドベージェフ(ロシア)が、ドミニク・コプファー(ドイツ)を3-6、6-3、6-2、7-6(2)で破り…

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の大会7日目、男子シングルス4回戦。

ダニール・メドベージェフ(ロシア)が、ドミニク・コプファー(ドイツ)を3-6、6-3、6-2、7-6(2)で破り、準々決勝進出を決めた。

試合は、予選通過者であるコプファーに押される滑り出しとなったが、第5シードのメドベージェフ、しっかりと巻き返して自身初のグランドスラム準々決勝までコマを進めた。

日曜日の夕方、「全米オープン」で2番目に大きい会場である、ルイ・アームストロング・スタジアムで行われたこの試合。明らかにコプファーを応援する観客が多い会場で、入場の際に沸き起こった観客からのブーイングに、メドベージェフは何の反応も示さずに試合に臨んだ。ブーイングが起こったのは、前々日に同じ会場で行われた、メドベージェフとフェリシアーノ・ロペス(スペイン)の、試合中の出来事が原因だ。ロペスに対する多大な声援に対して苛立ったメドベージェフは、ボールパーソンからタオルを強引に取り上げ、さらにはそれを投げ捨てた。メドベージェフは、試合後のオンコートインタビューで観客に向かい、「あなたたちがブーイングをすればするほど、僕は勝ち進めるのさ、あなたたちのためにね。どうもありがとう!」としたり顔で煽った。

前の試合からのストレスが原因なのか、第1セット目、メドベージェフのプレーは精彩を欠いた。いつもは安定しているストロークにミスが目立ち、コーナーショットも、多くがラインを割った。一方コプファーは、ほぼ完璧と言えるプレーで1セットを先取。強力なスピンと、緩急をつけたショットを織り交ぜ、俊敏なフットワークのメドベージェフを振り回した。

第2セットも、出だしはコプファーが果敢に攻め、最初にブレークに成功。コプファーの2-0のワンブレーク・アップとなった。このまま大番狂わせが起こるのかと思われた矢先、コプファーが立て続けにミスを連発。ファーストサーブの確率を上げられないメドベージェフに対しても、レシーブで攻め切ることができず、その後の7ゲーム中、6ゲームをメドベージェフにとられ、セットカウントは1-1となった。

第3セット目、依然ファーストサーブに手こずるものの、メドベージェフのプレーには自信が戻り、逆に勢いを失ったコプファーはミスを重ねた。メドベージェフは、試合前に肩の痛みのため鎮痛剤を飲んでいたにもかかわらず、セカンドサーブを強め、ブレークポイントの時を含めて3回も、時速約193km以上の速さをマーク。コプファーを圧倒した。

第4セット、再び息を吹き返したコプファーが早々にブレーク。しかし、メドベージェフがすぐにブレークバックすると、ウィナーが飛び交う一進一退の攻防戦となり、タイブレークまでもつれた。タイブレークでは、最初のサーブポイントをダブルフォルトで落としたコプファーに対し、メドベージェフは、ほぼ完ぺきなプレーでポイントを重ね、最後はコプファーのフォアハンドがサイドラインを割りゲームセットとなった。

試合終了後、両手をひらひらと動かし、ダンスしているようにも見える動きをしながらネットに近づき、コプファーと握手をしたメドベージェフ。3回戦の勝利後同様に「引き続きエネルギーを与えてくれてありがとう!あなたたちは最高だよ!」とブーイングが沸き起こる観客席に向かって、煽るように言い放ち、両手を高く突き上げた。

メドベージェフは、準々決勝でスタン・ワウリンカ(スイス)と対戦する。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全米オープン」でのメドベージェフ

(Photo by TPN/Getty Images)