いよいよこの日がやってきた。  昨年から始まったeBASEBALLプロリーグ。初年度はオフライン選考会に出場することなく、プロプレイヤーへの道を断念した。2年目となる今年、ようやくチャンスを掴めそうなところまで来ることができた。プロプレイ…

 いよいよこの日がやってきた。 

 昨年から始まったeBASEBALLプロリーグ。初年度はオフライン選考会に出場することなく、プロプレイヤーへの道を断念した。2年目となる今年、ようやくチャンスを掴めそうなところまで来ることができた。プロプレイヤーへの道を開くべく、戦いの舞台へと向かった。

受付時間よりも前に到着したが、すでに待機する選手の姿も

 8月25日(土)大阪のABC テレビスタジオでeBASEBALLプロテスト西日本選考会が開催された。西日本選考会に参加したのは7月下旬に開催されたオンライン選考会を勝ち抜いた西日本エリアの68名。さらにプロテスト特別枠として、昨年のプロリーグで活躍した坂本選手(広島)、N-岡田選手(オリックス)、びび選手(阪神)、TKD選手(ヤクルト)の4名を加えた合計72名がドラフト候補者の権利をかけてしのぎを削った。 

 実技審査は1グループ6名に分かれグループリーグを行い、上位2名が面接審査へと進む。グループリーグ上位2名とならなかった場合でも、事前に提出したエントリーシートの内容や過去の実績、当日の成績などにより主催者推薦枠として面接審査やプレーオフへと進出できる可能性がある。東西の選考会で面接審査に進んだ選手の中から合格した約40名がeドラフト会議候補者となる。昨年とは違い、eドラフト会議候補者となっても指名されない場合がある。 

 選考会が始まる前は選手同士で再会を喜んだり、初対面で挨拶を交わしたりと和やかな時間が流れていたが、実技審査が始まると会場の空気は一変した。緊張感が漂い、まるで時間が止まっているかのように静寂に包まれていた。時おり選手の気合の入った「ヨシッ!」といった声が会場に響き渡るが、すぐにまた静けさが戻ってくるのだった。もしかすると、プロリーグ以上の緊張感があったかもしれない。 

緊張感漂う選考会会場。このスタジオから熱闘甲子園が放送されたそうだ。

 その緊張感をものともせずに躍動した選手はグループ上位で実技試験を突破した。オンライン予選西日本大会を1位で通過したT-10選手は5戦全勝で実技試験を勝ち抜いた。前日24日(土)に開催されたeBASEBALL全国中学高校生大会全国大会にも出場したみかん選手は、昨年ヤクルトに所属したTKD選手を破りグループ1位で面接審査へと進んだ。 

 プロテスト特別枠で参加した選手たちも実技審査を突破していく中、昨年阪神で活躍したびび選手は、実技審査で奮わず面接審査に進むことなく今シーズンを終えてしまった。プロリーグで4勝1敗と結果を残しながらも敗退してしまったのは無念だったろう。場数を踏んだ選手であってもオフライン特有の緊張感に飲まれてしまうのかもしれない。 

 かくいう自分も初めて受ける選考会の緊張感に飲み込まれていたと思う。特に第1試合は思うように得点を重ねられず焦りが生じていた。その要因の一つとしては、昨年の選考会から変更となった1試合のイニング数だ。昨年までは6イニングで試合が行われたが、今年は5イニングと短くなった。攻撃の機会が少なくなった中で動きがないまま試合が進むとプレッシャーがどんどんのしかかってくるような感覚になった。まして1試合でも敗れれば致命傷になりかねない実技審査では、そのプレッシャーはさらに大きくなっていたように思う。そのためか、甘い球を打ち損じたり、アウトにできる打球をセーフにしてしまったりと、いつも通りのことができなくなってしまう時もあった。それだけに1点でも先制点を奪えた時の安心感は大きかったが、追加点が取れないとまた余計な焦りが生じてしまった。 

実技審査が終わった段階でグループ3位。生きた心地がしなかったが、幸いにも勝ち点の関係で主催者推薦枠により面接審査まで残ることができた。西日本選考会で面接審査まで進んだのは26名。今週末に開催される東日本選考会でもおおよそ同数が面接審査まで進むと予想される。9月16日(月・祝)のeドラフト会議に進めるのは東西合わせて約40名だ。eドラフト会議候補者は9月5日頃に発表される。今はその結果を待つのみだ。 

【筆者プロフィール】

ぶんた

パワプロチャンピオンシップス2017全国大会に特別オンライン予選枠で出場し準優勝。2018年に発足したパワプロ・プロリーグのプロプレイヤーを目指すが、公務員であったため断念。しかしプロプレイヤーの道を諦めきれず、スポーツブルに入社。eスポーツ関連記事を作成できるeBASEBALLプロプレイヤーを目指し日々奮闘中。