28歳のJuan Carlos Saez(チリ)が1万2500ドル(約130万円)の罰金と8年間の出場停止処分を命じられた。これは、テニス不正監視団体であるTIU(テニス・インテグリティ・ユニ…

28歳のJuan Carlos Saez(チリ)が1万2500ドル(約130万円)の罰金と8年間の出場停止処分を命じられた。

これは、テニス不正監視団体であるTIU(テニス・インテグリティ・ユニット)の調査に協力せず、不正な金銭の授受について報告を怠ったことに対するSaezへの処分である。八百長に対して一切の寛容さをみせず、厳しく処分する方針のTIUは、対象となる一連の試合との関与を調査するために、Saezに携帯電話の提出を求めていた。

TIUはSaezに対し、「すべての選手は、金銭や利益提供された場合、試合結果にも影響をする行為を検討するよう要求を受けた場合、または内部情報の提供を要求された場合など、即時にTIUへ報告する義務がある」という、Tennis Anti-Corruption Program(テニス腐敗防止規則)に含まれる追加規則にも違反したとしている。

また、TIUによるとSaezは、チリで行われたITFフューチャーズ・トーナメントにおいて、不正な金銭の授受を目撃していながら報告を怠った。後日、Saez本人がTIUの調査官に目撃の事実を認めている。

一時は世界ランキング230位だったSaez、現在は1082位と大きくその順位を下げており、出場停止処分が終わる頃には36歳になるため、プロとしてのキャリアを再開させることは困難になるだろう。

テニス界における八百長は後を絶たず、選手たちが置かれている経済的に困難な状況を大きな理由の1つに挙げる声も聞かれる。しかし、どのようなスポーツであっても、その勝敗を操作することはあってはならない行為だ。多くのプレーヤーが夢見るプロ選手の舞台裏は、決して華やかではないかもしれないが、(選手生命のためにも)こうした不正がなくなることを祈りたい。

(テニスデイリー編集部)

※為替レートは2019年8月22日時点

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