男子テニス「ATP250 ウィンストンセーラム」(アメリカ・ウィンストンセーラム/8月18~24日/ハードコート)シングルス1回戦で、ヘンリー・ラクソネン(スイス)を相手にATPツアー初勝利を飾った、聴覚障害がある21歳のイ・ダクヒ(韓国)…

男子テニス「ATP250 ウィンストンセーラム」(アメリカ・ウィンストンセーラム/8月18~24日/ハードコート)シングルス1回戦で、ヘンリー・ラクソネン(スイス)を相手にATPツアー初勝利を飾った、聴覚障害がある21歳のイ・ダクヒ(韓国)。その彼の勝利を元世界1位のアンディ・マレー(イギリス)も「信じがたいような偉業」と称賛している。

聴覚障害のある選手のツアー初勝利は、ATP(男子プロテニス協会)によると史上初。

テニスにおいて、聴力はとりわけ重要だと言われる。選手たちは、ラリー中は観客が静かにしているように要求する。ボールが対戦相手のストリングに当たった瞬間の音を聴き分けて、スピンを瞬時に見極めるためだ。

「あのような状態で対戦することがどんなものなのか、想像もできない」「でも、明らかに彼は素晴らしい戦いぶりをしている。だからそれはもう信じがたいような偉業だ」とマレーも称賛している。

さらに「テニスで聴力がどれほど重要か分かっている」「スピンを予測したりするためにもね。ヘッドホンをしながらプレーしなければならないとしたら、ボールのスピードやスピンを判断するのも極端に難しくなる。様々なことを読み取るために、僕たちは耳をとてもよく使っているんだ」と改めて、そのプレーの難しさを語った。

一方のイ・ダクヒは「障害者ということで周囲の人々にからかわれ、テニスなんかするなと言われたんだ」「でも失望しないで、一生懸命努力すればどんなことだってできるし、望み通りのことを成し遂げられるんだ」と話している。

そのイ・ダクヒは2回戦で敗れたものの、成長著しいホベルト・ホルカシュ(ポーランド)から第1セットを奪う健闘ぶりを見せた。

(C)AP(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「全仏オープン」予選でのイ・ダクヒ

(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)