ニュージャージー州最大のニュースサイト「nj.com」では、「ヤンキースのマリアーノ・リベラのカットボールを捕るのはどのようなものだったか」と題した特集記事を掲載。捕手としてリベラのボールを受けた現ヤンキース監督のジョー・ジラルディー氏の証…

ニュージャージー州最大のニュースサイト「nj.com」では、「ヤンキースのマリアーノ・リベラのカットボールを捕るのはどのようなものだったか」と題した特集記事を掲載。捕手としてリベラのボールを受けた現ヤンキース監督のジョー・ジラルディー氏の証言を伝えている。

■女房役のジラルディ監督が証言、“魔球”はどのようなものだったのか?

 史上最高のクローザーと言えば、元ヤンキースのマリアノ・リベラ氏だ。1995年にデビューすると、2013年限りで引退するまでにメジャー歴代1位の通算652セーブを記録。通算防御率2.21という圧巻の数字を誇り、デレク・ジーター氏らとともに名門球団を5度の世界一に導いた。

 最大の武器は代名詞とも言える「カットボール」。リベラの全投球の約8割がこの球種だったが、攻略は困難を極めた。150キロを超えるスピードで、打者の手元で鋭く変化する“魔球”。これを抜群のコントロールで投げ込み、打者をねじ伏せていった。

 ニュージャージー州最大のニュースサイト「nj.com」では、「ヤンキースのマリアーノ・リベラのカットボールを捕るのはどのようなものだったか」と題した特集記事を掲載。捕手としてリベラのボールを受けた現ヤンキース監督のジョー・ジラルディー氏の証言を伝えている。

 記事では、ジラルディ監督がヤンキース時代にリベラのカットボールを4年間受け続けてきたことに言及しつつ「多くの人がリベラのカットボールを史上最高の球だという。彼にしか投げることができない球だ」と指摘。さらに、「(米データサイトの)ブルックスベースボールでは2007年までしか(データを)遡ることが出来ないが、このウェブサイトによると、2007年からリベラが引退するまで彼は88.63%の割合でカットボールを投げていた」とデータを紹介している。

 ジラルディ監督は記事の中で、リベラのカットボールがいかに凄まじいものだったかを明かしているが、実は「一番簡単だった」というのだ。

■打者は打つ前からお手上げ? 「なんで俺はここに送られたのか…」

「球を受けた投手の中で、一番簡単だったよ。ボールをブロックしたり、ショートバウンドするのを考える必要は全くないんだ。彼はほぼ狙ったところに投げられる。打席の反対側や上下に飛ぶ必要なんてない。彼とは対戦したことがないからわからないけど、打者にとっては脅威だろうね。彼が登場すると、正直、凄く安心感があるんだ」

 リベラのカットボールはほとんどがストライクゾーンに収まるが、打者は捉えることが出来ない。しかも、鋭い変化をしながら、暴投にはならない。正確無比なコントロールを誇るからだ。これらの事実が、ジラルディ監督のコメントの中に凝縮されていると言えるだろう。

 また、ジラルディ監督は対戦相手の反応についても明かしている。ある試合でラファエル・パルメイロが打席に立った際、「なんで俺はここに送られたのだか分からない。チームのダグアウトの方にしか打てる場所がないよ」と話しかけてきたという。打者は打つ前からお手上げだったようだ。

 誠実な人柄で人望も厚く、ジーターとともに黄金時代の象徴的存在でもあるリベラ。有資格1年目での野球殿堂入りも確実で、どれだけの得票数でクーパーズタウン行きとなるかにも注目が集まることになるだろう。伝説のクローザーを支えたカットボールは、まさに「史上最高」のボールだったのかもしれない。