現地の8月4日、「ATP500 ワシントンD.C.」(アメリカ・ワシントンD.C./7月29日~8月4日/ハードコート)男子シングルス決勝で、ニック・キリオス(オーストラリア)が第3シードのダ…

現地の8月4日、「ATP500 ワシントンD.C.」(アメリカ・ワシントンD.C./7月29日~8月4日/ハードコート)男子シングルス決勝で、ニック・キリオス(オーストラリア)が第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を7-6(6)、7-6(4)で破り、優勝を飾った。これはキリオスの友人であり、シングルス復帰を目指す元世界1位のアンディ・マレー(イギリス)の期待に一部応えるものだった。

ATP(男子プロテニス協会)によると、マレーは今大会の初めにキリオスについて意見を求められ「彼のことをよく知っている人間として、僕は彼のことが好きなんです」とした上で、「彼がテニスに集中していて前向きに戦う気持ちがある時は、本当に素晴らしい試合をします。でも全力を尽くさずに態度の悪い時の彼は、観客も見ていて不快です」と語っていた。

ただ「人によって人間が出来てくる年齢は違います。スポーツ選手としてトップに立つということについて、18歳や19歳でもこなせる人間もいれば、それにはもう少し時間のかかる人間もいる。ニックもいずれはそれを学んでうまく振る舞えるようになってくれると思います」と期待も寄せていた。

今大会、キリオスは素晴らしいパフォーマンスを見せて、優勝を果たし、世界ランキングも52位から27位へ上昇。

準決勝のステファノス・チチパス(ギリシャ)戦ではマッチポイントでサーブをどこに打つべきか観客に相談したり、チチパスの新しいシューズを観客席からベンチへ届ける役目をかってでておどけながら渡したりなど、彼らしいユーモアあふれる場面も目立った。

その一方、2回戦ではダブルフォルトに対してチャレンジを要求したものの審判に聞こえず、そのまま試合が続行されたことに腹を立てた際には、「あんたは手足の生えたポテトかよ!?」と悪態をついた。また水分補給用のボトルを審判台に投げたりなどもした。5月の「ATP1000 ローマ」で椅子を投げ飛ばし、試合を途中放棄した時ほどではなかったものの、態度が悪い部分がみられた。

今大会では集中力を取り戻して優勝を掴みながらも、一部やはり態度が悪い部分があったキリオス。今後は調子を維持しながらも、マレーが言うように上手く振る舞い、さらに結果を出すことができるか注目される。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP500 ワシントンD.C.」でのキリオス

(Photo by Rob Carr/Getty Images)