東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、注目競技のひとつ「ボッチャ」を陰で支えるキーパーソンにインタビュー。「裏方」としての心得を聞いた!…

東京パラリンピックに向け様々な競技やアスリートの魅力に迫る、MEN’S NON-NOの連載「2020年TOKYOへの道」。今回は、注目競技のひとつ「ボッチャ」を陰で支えるキーパーソンにインタビュー。「裏方」としての心得を聞いた!

「ボッチャ」は、白い的球(まとだま)に、赤と青それぞれ6つのボールを駆使していかに近づけられるかを競うパラリンピック種目。本連載でもその魅力に触れてきたが、今回は裏方として競技発展に尽力する日本ボッチャ協会の新井さんに話を伺った。まずはボッチャとの出会いから。

「大学の野球部を引退して、卒業までの期間ヘルパーのアルバイトをすることになったのですが、そこで介護させていただいたのがボッチャをされている方で。『アシスタントをやってみませんか?』と誘われたんです。ボッチャという競技自体初めて知りましたし、アシスタントが実際に競技に出場する役割だったことに本当にびっくりしました(笑)」

そこからどんどんボッチャに携わる仕事に没頭していったという。

「アシスタントとしてのデビュー戦が世界選手権だったんです。いきなり右も左もわからないなかでそのような大きな大会を経験し、その後も遠征や合宿に選手の介助も兼ねて参加しているうちにパラリンピックを意識するようになり、卒業と同時に協会に入りました。ただ、そこからはアシスタントはスパッとやめて、事務局員としての裏方仕事に徹しようと」

以来、ボッチャにまつわる様々な業務に携わる新井さん。

「競技を後押ししてくださるスポンサーさんとのやりとりや、合宿や遠征のお手伝い、食事・お風呂のサポートといった選手たちの介助、さらには普及イベントの解説や講習など業務内容は本当に多岐にわたります」

東京パラリンピックに向けてはこんな思いで挑んでいるそうだ。

「選手たちにメダルを獲得してほしい気持ちは当然強いですが、同時に東京パラリンピックを機にボッチャを国民的スポーツとして一般社会にもっと普及させたい。重度の障がいのある方から健常者まで分け隔てなく楽しめるボッチャを、もっとたくさんの人に知ってもらいたいですね」

【プロフィール】

新井大基さん
あらい・だいき●1991年10月13日生まれ、愛知県出身。名城大学では強豪野球部に所属。大学時代に介護福祉のアルバイトの延長でボッチャのアシスタントを経験し、大学卒業直後から日本ボッチャ協会のスタッフに。現在は普及活動や日本代表のサポートなどの業務を担っている。