「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月1日~男子14日・女子13日/芝コート)は、大会6日目でシングルス3回戦までが終了し、ベスト16が決まった。ただ、これまでの戦いで多くの番狂わせが起…

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/7月1日~男子14日・女子13日/芝コート)は、大会6日目でシングルス3回戦までが終了し、ベスト16が決まった。ただ、これまでの戦いで多くの番狂わせが起こってきた。その理由の一つに、短期間でクレーコートから芝コートへ適応することの難しさがある。

128人によるトーナメントは、仮に全てシード順に勝ち上がれば、4回戦に上位16シードが残る仕組みだ。もちろんその通りにならないのが勝負の世界だが、今大会は上位16シード中、男子シングルスでは5人しか残らない波乱となった。ちなみに「全豪オープン」では10人、「全仏オープン」では11人の上位16シードがしっかり勝ち残っていた。

この波乱の理由の一つが、「全仏オープン」が終わってからわずか3週間で「ウィンブルドン」への調整をすることの難しさだ。

クレーコートから芝コートへすぐに適応するのは、トップ選手でも簡単ではない。

「全仏オープン」準優勝者で今大会は第5シードながら、初戦で姿を消したドミニク・ティーム(オーストリア)は「フットワークが全然違う。スライディング出来ないし、スピンも役に立たない」と語る。

同じく初戦で敗れた第6シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)も「最も遅いサーフェスから速いサーフェスへ。最も弾むサーフェスから弾まないサーフェスへ。数日間で調整するのは難しい」と頭を抱えていた。

しっかりと4回戦へ進んだ第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)も「トレーニングやコートでの練習に費やす時間は芝が一番長いと思う。フットワーク調整、チップリターン、スライス、ネットプレー、他のサーフェスでは多用しないことに時間を割いている」と、より念入りに準備しているようだ。

同じく勝ち残っている第2シードのロジャー・フェデラー(スイス)も「フラストレーションが溜まるサーフェスだね。リズムが作れないし思い通りにいかない」「イレギュラーがあり、ラリーが短く、決まった点の取り方がないことを覚悟すべきだ」と、同大会を8度制しながらもその難しさを感じている。

今大会、4回戦に勝ち残った上位16シードは、ジョコビッチ、フェデラーと、第3シードのラファエル・ナダル(スペイン)、第8シードの錦織圭(日本/日清食品)、第15シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)の5人となっている。

波乱となった今年の「ウィンブルドン」で誰が優勝するか注目が集まる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのズベレフ

(Photo by Shi Tang/Getty Images)