専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第212回「あるある」ネタでは好きなことを書いて、各方面でひんしゅくを買っていますが、今回はゴルフ場のクラブハウス周り、コース以外の施設、環境についての「あるある」話です。 ほ…
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第212回
「あるある」ネタでは好きなことを書いて、各方面でひんしゅくを買っていますが、今回はゴルフ場のクラブハウス周り、コース以外の施設、環境についての「あるある」話です。
ほんの少しの企業努力だと思うんですが、「えっ、そこをケチるの?」ということが結構あります。最近、どこのコースに行っても気になるのが、これです。
(1)風呂場のバスタオルがボロい
なんでゴルフ場のバスタオルって、みんなくたびれていて、くすんでいるんですかね。
そりゃ、毎日オヤジたちの汗を拭き取っているんですから、黄ばんできます。けど、ひと月単位とかで捨てて、新しいタオルに代えるなんて、経営上できません。そこで、ジレンマが生じるんですな。
とはいえ、某高級コースでプレーした時には、フカフカの上質なバスタオルに出くわしたことがあります。つまり、他のゴルフ場でもそれができないことはないと思うんですよね。
改善策としては、白いバスタオルはやめたらどうでしょう。なんで、汚れが目立つ白にこだわるかなぁ~。グレーとか茶色とか、汚れや黄ばみが目立たないバスタオルがあるはずなのに……。そこ、がんばってほしいです。
(2)朝定食が高い
ゴルフ場のお昼ごはんって、おおよそ1200円~1500円ぐらいの予算で考えていますよね。食事付きのラウンドとなると、基本料金でカレーやラーメン、ちょっとした定食が食べられて、さらに差額料金を払えば、より高価なステーキセットや天ぷら定食などが食べられる、そんなシステムになっているところが多いです。
そう考えますと、朝食が1000円~1200円ぐらいするって、割高だと思います。一応、気を使って「おにぎりセット」や「豚汁セット」、「トーストセット」などが500円程度で売られているとしても、ですよ。
とくに「和定食」って、焼き魚に納豆か生卵、それに焼き海苔と漬物、味噌汁が付いているぐらいでしょ。これで、ランチ並みの値段を取るのは、ちょっと納得できません。
こっちも付き合いで、みんなが朝ごはんをレストランで食べるなら、一緒に頼みますからね。その際、周囲が「和定食」なのに、自分だけ「おにぎりセット」だと、なんか負けている気がしますし……。
仲のいい友だちとのラウンドでは「豚汁セット」で構いませんし、ゴルフ場に来る前にコンビニでサンドウィッチと菓子パン、コーヒーを買って500円程度で済ませるとか、それで十分です。
もちろん、1200円の「和定食」が、値段に見合ったボリューム、品ぞろえなら、何ら問題ありません。1000円で「朝食バイキング」をやっているコースもあるわけで、そこはぜひ検討してほしいです。
(3)駅が近いのにクラブバスがない
関東近郊で、鉄道の駅が近いにもかかわらず、クラブバスを運行していないコースがちらほらあります。あれは、どうしてでしょう?
駅からタクシーで2000円ぐらいだから、みんなで相乗りすれば、ひとり500円ぐらい払って済むから、それでいいじゃん、という目論みなのでしょうか。
だいたい初めて行く人は、その小さな駅にタクシーが常時いるのかさえわからないし、そもそも一緒に回る仲間同士で、同じ駅に着くように段取りするのは、かなり面倒くさいです。
もしかすると、地元タクシー会社との共存を図っているのかもしれませんけど、時代は電車でゴルフの方向に流れています。各ゴルフ場はもう一度、クラブバスの運行を検討してみてはいかがですか? それだけで、お客さんが増えると思いますよ。
(4)風呂場の床が滑る
子どもの時、銭湯に行って床で滑って頭を打って、ひどい目に遭いました。それ以来、旅館やゴルフ場の風呂場では、恐る恐る歩いています。
そもそもお風呂に入る時はメガネを外すので、床があまり見えません。ゆえにバランスを崩しやすいのかもしれません。それで年に1、2回ぐらい、風呂場で滑って危ない目に遭っています。
それにしても、なんで床が滑るのか? どうせ、掃除をおろそかにしていて、(床に)垢やせっけんが残っているんだろうって思われるでしょ? でも案外、高級なコースの風呂場の床ほど滑るんですよ。
だから、あのコースの風呂場の床は滑る、ということを私は覚えていて、そこの風呂場に行く際は、同伴メンバーにも「床滑り警報」を出して、注意喚起します。
思うに、高級コースでは風呂場の床にもお金をかけて、いい素材を使っているのでしょう。結果、日々ツルツルに磨いていて、逆に滑るんじゃないかと思っています。ほんと、いい迷惑です。
(5)ジャケットの貸し出し
今はないと思いますが、ジャケットを貸し出すコースが昔はありました。そこは、正真正銘のジャケット着用義務のコースだったのです。
およそ20~30年前、バブリーなコースには、マスコミ関係、芸能関係あたりの人たちがこぞってやって来ました。そういう人たちの多くはコースをなめてかかっているから、「ジャケット着用だけど、行きゃなんとかなるよ」というイケイケのお兄さんたちが後を絶ちませんでした。
そうなると、ゴルフ場のエントランスでは”攻防戦”が始まります。ジャケット着用を義務づけているクラブ側が、ラフな格好でやって来るイケイケのお兄さんたちを引き止めるわけです。
それに対して、イケイケのお兄さんたちも引き下がりません。「『ジャケットを着てない方は入れません』と言われてもね、こっちは朝5時に起きて、車を1時間半も運転して、やって来たわけですよ。だから、『はい、そうですか』なんて言って、帰れませんよ。友だちも中で待っていますから」と駄々をこねて、半ば強引に入場を果たすのです。
そこで、クラブ側が考えた苦肉の策が、ジャケットの貸し出しです。ジャケットを着用していないお客さんが来場すると、エントランスでジャケットを渡し、「これを着てクラブハウスに入って、受付を済ますまで着用してください」とお願いするのです。
それをやって、どんだけクラブの格式が保てるのかは謎ですが、昔はそんなふうにして、ジャケットを借りて入場している人が結構いました。
どうせなら、ジャケットを着用せずに来た人は、本当にクラブハウス中には入れないで帰らせてほしかったですね。すると、きっと裁判沙汰になるんだろうなぁ……。
そんな”ジャケット攻防戦”が、今となっては妙に懐かしいです。
派手で奇抜なジャケットでも、着用していれば
「OK」なんでしょうかねぇ...
(6)カードが使えない
今どき、クレジットカードが使えないコースがあるのか?
結構、ありますよ。通常営業ではあまり聞いたことがありませんが、休場日のセルフデーなどでは、支払いは現金のみ、という場合が多いです。
休場日だと、フロント関連のシステムを切っているので、カード決済ができないんですな。そのため、「キャディーマスター室前で現金清算してくれ」と言われたことが何度かあります。
同様に、薄暮のハーフラウンドや、ナイター営業などでは、フロントを閉めている場合が多いので、支払いは「現金のみです」と言われますね。
事前にわかっていれば問題ないのですが、知らないと誰かにお金を借りるとか、一度外に出て、コンビニなどでお金を引き出してこなければいけません。それが、面倒くさいです。
最近はスマホ決済が主流になっているので、タブレット端末でカード決済できるシステムを導入してほしいものですね。
(7)重いキャディーバッグはNG
昔、名門クラブに行ったら、キャディーバッグの重量制限があって、「あなたのバッグは重そうだから測ります」と言われて、重量を測定されたことがあります。
その結果、規定よりも重量オーバーだからって、バッグの中から合羽やボールやらを取り除かれて、それでやっとラウンドができました。まあ、余分なものは後から返ってくるからいいんですけどね。
これこそ、歩きゴルフの古き良き時代の産物でした。今は乗用カートなので、そんなことは滅多にありません……と思っていたら、このコース、あらためて調べてみると、まだキャディーバッグの重量制限をやっているようです。
このコースでは、来年には大きな世界大会も行なわれます。その時、海外の有名選手たちに対しても、「あんたのバッグは重いから、中の荷物を減らして」と言うのでしょうか。どうなるのか、楽しみに待ちたいと思います。
今となっては、変わった制度やシステムは、戸惑いや怒りというより、格好の”ネタ”でしかありません。ゴルフ場で奇妙な体験をしたら、どんどんSNSにアップして、賛否を問いましょうかね。